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2023.07.22

群馬・太田の“高校主催”eスポーツ大会! 太田工業「太工 SuperDrive」レポート

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 太田工業高等学校eスポーツ部は7月22日、群馬県太田市のイオンモール太田でeスポーツ大会「太工 SuperDrive」を開催しました。競技は「グランツーリスモ7」(GT7)。同校の1年生が中心となって準備・運営した“高校生主導の大会”です。

太田工業高校の1年生が中心となって作り上げた「太工SuperDrive」

最強のBRZドライバーは?

 同大会は二人一組で競う形式。予選は16周、決勝は8周を前後半に分けて走ります。予選は、一般参加のA、企業・団体と同校の生徒がペアを組むB、Cブロックに分かれて実施し、各ブロックの上位2チームが決勝に進出します。太田市がSUBARU(スバル)発祥の地であることにちなんで、車種は「SUBARU BRZ'21」のみのワンメイクレースです。

イオンモールの来店客も足を止めて観戦するなど注目を集めた大会

 出場したのは一般参加者のほか、しげる工業、スバル、千代田製作所、ベンカン機工と太田工業の生徒ら。決勝は、澤藤さんと関口さんの一般参加チームがポールポジションでスタート。千代田製作所が首位に躍り出るも、後半から一般参加チームが猛プッシュ。10秒あったタイム差を徐々に縮め、巧みなコーナーワークで抜き去りました。そのまま後続を突き放し、見事ポールトゥウィンを決めました。

優勝した一般参加の澤藤さん(写真左)と関口さん

 優勝した一般参加の澤藤さんは表彰台で、「こんなに大勢の前で走るのは初めてで緊張しましたが、うまく走ることができてよかったです」とコメント。同じく関口さんは「優勝できてうれしいです」と喜びました。この二人は以前からオンラインで交流があり、たまたま家が近く、大会情報を見かけたので参加を決めたそうです。

ペアだからこその魅力

 惜しくも予選で敗れてはいますが、注目を集めたのは群馬県庁の高橋さんと太田工業1年生の赤石さんペア。初戦では赤石さんがコーナーを曲がり切れず、壁に激突するシーンが散見されました。しかし、大会の勝敗関係なく行われたエキシビジョンマッチでは見違えるほどのコーナリングをみせ、大きくコースアウトすることなくバトンを渡し、チームを1位に導きました。

群馬県庁の高橋さん(左)と太田工業高校の赤石さん(右)ペア

 レース後、赤石さんは「レース中ずっと高橋さんから適格なアドバイスをもらっていました。『いまブレーキ、徐々に踏んで……はい強め!』という言葉に従ってたので、安全な運転ができたんです。『30秒差までなら何とかする』と言っていただいたことも、安心しました。車の仕組みについても教わったので、勉強になりました」と、大会を通して得た経験を語りました。

 相棒の高橋さんは、私生活でも車をこよなく愛し、県庁でも最速クラスのGT7プレイヤー。30秒差を埋める自信も納得の実力です。レース後は「確かにアドバイスはしましたが、それを素直に聞き入れて、しかもしっかり再現するというのはなかなかできることではありません。どちらかだけが速くても勝てないレースだったので、まさにチームワークで勝ち取った1位です」と笑顔で話しました。

入学したてのプロジェクトリーダー

 イベント後、今大会のプロジェクトリーダーを務めた1年生の高木玲緒さんは、「もともとゲームに興味があったのでeスポーツ部に入ろうとしたら、金子先生から『大会を運営する活動になるけど大丈夫?』と聞かれたんです。プレーするのは好きだったのですが、大会運営にも興味があったので、そのまま入部しました。リーダーになったのは、誰かリーダーをやるか聞かれた際に、誰も手を挙げなかったのでせっかくならと手を挙げたからです。でも、入学してすぐにこんな大きなことをやることになるなんて思いませんでした」と、達成感をにじませました。

「太工 SuperDrive」プロジェクトリーダーの高木さん

 続けて、「でも、自分たちで企画書を持って企業の人に協賛を持ちかけるなど、大会の運営をするなかで大人と話す機会が多く、接し方など勉強になりました。2週間に一度ほど打ち合わせの機会をいただき、運営についてのアドバイスをいただくなど、スバルをはじめ、太田市や群馬県の職員の方々にはたくさん助けていただきました。すごく感謝しています」と、多くの学びと経験があったことを喜んでいました。

 苦労した点については、「メンバーの意思をまとめるのに苦労しました。コミュニケーションにもっと工夫できたなと反省しています」と、早くも次回に活かせる点が無いか探している様子でした。

 eスポーツ部を担当する金子純也先生は、「とにかく、やり遂げることができてよかったです」と安堵の表情。「最初は生徒に任せるのは不安でしたが、大人がサポートしながら生徒が準備を進めているうちに、自ら動くようにもなっていったので、生徒の成長を感じることができました」と振り返ります。また、難しいとは前置きしつつ「今後も、学期ごとに一回開催できれば」と期待しました。

大会の実況も務めた金子先生(マイクを持った男性(右))

後編に続く

 当日の会場には、スバルや群馬県庁の職員の姿もありました。前編では大会の様子を、後編では金子先生をはじめ、高校生主催大会を支えたサポーターたちの話を伝えます。今回の大会は、今後、高校生が大会を主催する際に参照されるはずなので、後編の関係者インタビューにも要注目です。

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■外部リンク

群馬県立太田工業高等学校
https://tako-hs.gsn.ed.jp/

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