解説
2023.06.06
ゲーミングノートPCでeスポーツを楽しもう!選ぶポイントやおすすめ商品とは
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近年、ゲーミングノートPCが各メーカーから多数販売されています。ゲーミングノートPCといえば、キーボードが虹色に光るなど一見派手なイメージがありますが、実は外観だけでなく内部にもさまざまな工夫が施されています。
このコラムでは、ゲーミングノートPCがどんなものか解説したうえで、高校生のお財布事情にも配慮したおすすめの9機種を紹介します。
ゲーミングノートPCとは
ここではまず、ゲーミングノートPCとはどんなものかを解説します。
普通のノートPCとの違い
一般的なノートPCでもゲームはできますし、平面的なカードゲームやパズルゲーム程度ならさほど不満は感じないはずです。しかしFPSなどの瞬間的な判断が重視されるゲームをプレーしてみると、スペックが十分でないことから生じるカクカクした動作や遅れを、誰もが実感することでしょう。そのため、一瞬の判断や素早い操作が勝敗を決するeスポーツにおいては、ノートPCのスペックが敗北要因になることも珍しくありません。
ゲーミングノートPCは上記のようなトラブルが無いように、専用のグラフィックスカードを搭載するなどして画面表示を滑らかにしています。また、大容量のデータを高速に処理するゲームをプレーしている時は、PC本体がかなり発熱するので、処理性能の低下やフリーズなどが起こるリスクもあります。そのためトラブルを防ぐための放熱機能も重要です。
LEDイルミネーションを搭載するなど外観やデザインに凝った機種もありますが、ゲーミングノートPCは、基本的にゲームを快適にプレーするための機能を強化したきょう体だと考えるべきです。
ゲーミングPCはノートとデスクトップ、どちらを選ぶべき?
「ゲーミングPC」を購入する際には、ノートとデスクトップのどちらを買うべきか迷う場合があります。そこでこの項目では、ノートとデスクトップのメリット・デメリットを踏まえて、それぞれがどのような使い方に向いているのか解説します。
ゲーミングノートPCがおすすめの人
ゲーミングノートPCには、「持ち運べる」、「比較的置き場所に困らない」という大きなメリットがあります。そのため、移動先でeスポーツの大会に参加する場合、ゲーミングノートPCは必須となります。
また、デスクトップPCはある程度のスペースが必要なため、設置スペースに余裕のない人にとってもサイズの小さいノートPCは重要な選択肢となるでしょう。
ゲーミングデスクトップPCがおすすめの人
ゲーミングデスクトップPCは、ゲーミングノートPCに比べると低価格でハイスペックを実現できます。そのため、経済的に制限が多い高校生には、デスクトップがおすすめです。
同じ価格を出すのであれば、デスクトップの方がハイスペックなものを購入でき、用途に応じたカスタマイズも可能です。大人であれば、ゲーミングデスクトップPCを所有したうえで、2台目として機動性があるゲーミングノートPCを買うというケースもあります。
しかし高校生の場合、PCを2台所有するのは少しハードルが高いです。特に移動を必要としないのであれば、デスクトップPCを購入することで、価格を抑えながらeスポーツで結果を出すこともできます。
ゲーミングノートPCを選ぶ際のポイント
ここからは、ゲーミングノートPCの購入を検討する際に、性能を左右するポイントを紹介したうえで、推奨するスペックも記載します。ただし高校生の場合、出せる予算に限りがあるのが現実。
そのためここに挙げるスペックも、「eスポーツをプレーするためには絶対に必要なスペック」ではなく、より快適にプレーするためのスペックであることを理解して、予算的に無理のない選択をするように心がけてください。
スペック(CPU・グラフィックボード・メモリ・ディスプレイ・ストレージ)
PCは、CPUの性能が高いほど処理能力が高いというのが一般的です。そのため、購入検討時にはCPUの性能に目が行きがちです。
しかしゲーミングノートPCの場合、CPUの性能が高い分、発熱の影響を考える必要があります。ある程度のスペックを要求されるゲームをノートPCでプレーすると、プレーしたことがない人には想像もつかないほどの発熱が起こります。CPUの性能を上げると、その分冷却機能も高める必要があるため、通常のデスクトップPCを選ぶ時よりも価格への影響が大きくなるのです。
またゲームを快適にプレーするためにはグラフィック性能も非常に重要です。これを踏まえて、ゲーミングノートPCを選ぶ際には、CPUとグラフィックボードなど、各要素のバランスを考えることが重要です。
ここからは個別の要素を解説します。グラフィックボードは、負荷が軽めのゲームをプレーする人やeスポーツプレイヤーでも勝敗に大きくこだわらない人であれば、GeForce RTX 3050やRTX 3050 Tiなどをおすすめします。それ以上の性能を求める場合には、GeForce RTX 3060以上のスペックが必要となります。GeForce RTX 3070やGeForce RTX 40シリーズはハイスペックなので、費用に余裕がある人や勝敗を重視する人の選択肢と考えて良いでしょう。
CPUは、グラフィックボードにGeForce RTX 3050やRTX 3050 Tiを選んだ人ならCore i5やRyzen5等がおすすめです。それ以上の性能を求める場合はCore i7やRyzen7が有力な選択肢となります。Core i9やRyzen9は高性能ですが発熱量が大きいので、その対策にも費用を使うことになります。そのため、かなり本格派の人の選択肢と考えましょう。
ディスプレイはサイズも重視しつつ、リフレッシュレート120Hz以上を基本と考え、可能であればそれ以上の数値を求めると良いでしょう。リフレッシュレートが高いと画像がなめらかになるので、特にFPSなどのゲームで違いを感じやすい要素です。
ほかの要素の目安として、メモリは16GB以上、ストレージは512GB以上がおすすめです。
本体の携帯性(大きさ・重さ)
携帯性やコンパクトなサイズに魅力を感じてノートPCを選ぶ場合は、本体やACアダプターの大きさや重さも検討要素に加えましょう。重量の基準は2kgを下回ればかなり軽い部類です。
バッテリ性能がある程度高くても、ゲームを連続プレイできるのは1?2時間程度です。そのためACアダプターの設置・持ち歩くことが多いということも考えておきましょう。
排熱性能
ゲーミングノートPCでは排熱性能は非常に重要です。PCが高温になると手元に熱が伝わりプレイが困難になることがありますし、機体性能低下や動作不良が起きるほか、機器の寿命低下にもつながります。
温度を下げるための水冷システムを持つゲーミングノートPCもありますが、高価なので高校生にはおすすめできません。そのため、冷却ファンや冷却のための構造に注意を払うと共に、できるだけ室温を下げることや、スタンド型の冷却台を使うことなど、対策の併用をおすすめします。
おすすめのゲーミングノートPC(2023年2月時点)
ここからは、eスポーツプレイヤーにおすすめのゲーミングノートPCを紹介します。
ただし、高性能な機種は価格が上昇する傾向があります。高校生プレイヤーにとっては経済的負担を軽くすることも重要です。そのため、各機種を紹介する際、最初に「ハイスペック・高価格帯」、「バランス配慮機種」、「高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格」という区別を表記しています。
購入を検討する際も、予算と求める性能を踏まえた検討をしてください。また、価格表示は2023年6月6日時点の数値ですので、変動していることもあります。
?TUF Gaming F15
https://www.asus.com/jp/laptops/for-gaming/tuf-gaming/asus-tuf-gaming-f15-2022/
■高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格
TUF Gaming F15(ASUS社製)は、18万円台で購入が可能です。グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPUで、この価格帯としては十分な性能です。CPUはインテルCore5でハイスペックとは言えませんが、グラフィックとのバランスは良好です。
メモリ容量16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート144Hz、本体重量2.3kgとバランスもとれています。
?IdeaPad Gaming 370
https://www.lenovo.com/jp/ja/p/laptops/ideapad/ideapad-gaming-3-series/ideapad-gaming-3-gen-7-(16-inch-amd)/len101i0042
■高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格
IdeaPad Gaming 370(レノボ社製)、価格はRyzen 7搭載で2023年6月現在15万円台、Ryzen 5ならより安く購入可能です。
CPUはRyzen 7、グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 3050 Tiと、コストパフォーマンスは良好です。メモリ容量16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート165Hz。特別な冷却機能は持っていませんが、構造や形状を工夫することでうまく排熱性能を確保しています。本体重量は2.6kgとやや重めです。
?TUF Gaming F17 FX706HE
https://jp.store.asus.com/store/asusjp/ja_JP/pd/ThemeID.4850018000/productID.5636412600
■高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格
TUF Gaming F17 FX706HE(ASUS社製)、価格は2023年6月現在16万円を切る程度です。
CPUはインテルCore i7、グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 3050 Tiを搭載し、価格帯に見合った性能です。最大メモリ容量は16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート144Hzと当コラムが考える高校生eスポーツプレイヤー向けの条件を満たしています。本体重量は2.65kgです。
?Victus 15 RTX 3050 Ti
https://jp.ext.hp.com/gaming/personal/victus_15_fb/
■高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格
Victus 15 RTX 3050 Ti(HP社製)、価格は2023年6月現在で11万円からです。CPUにRyzen7を搭載、グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 3050 Tiです。
メモリ容量16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート144 Hzと十分な性能を持ちながら、高校生eスポーツプレイヤーにも手が届く価格帯を実現しています。本体重量も2.29kgとまずまずの軽さです。
?G15 5525
http://bit.ly/3MRlnBc
■高校生ゲーマー向けのリーズナブルな価格
G15 5525(デル社製)は、2023年6月現在で11万円台での購入が可能です。CPUはRyzen7、グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 3050Tiとバランスの取れた構成です。(同機種でもRyzen5、NVIDIA GeForce RTX 3050を選択すれば価格が下がり、エントリー機種的位置づけにもできます)
その他のスペックはメモリ容量16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート120 Hz、本体重量2.52kgとなっています。
?OMEN by HP 16-k0059TX
https://jp.ext.hp.com/prod/gaming/personal/omen_16_b/
■バランス配慮機種
OMEN by HP 16-k0059TX(HP社製)の価格は、2023年6月現在、15万円台です。CPUはインテルCore i7を搭載し、グラフィックはGeForce RTX 3060と十分なスペックを持っています。
メモリ容量は16GB、ストレージ容量は1TBとミドルクラスに適した数値です。モニターは16.1型でリフレッシュレート144Hz、本体重量2.41kgとなっています。
?Legion 570i Pro
https://www.lenovo.com/jp/ja/p/laptops/legion-laptops/legion-5-series/legion-5i-pro-gen-7-(16-inch-intel)/len101g0015
■バランス配慮機種
Legion 570i Pro(レノボ社製)は、2023年6月現在で17万円台での入手が可能です。CPUがインテルCore i7、グラフィックがNVIDIA GeForce RTX 3050 Tiとエントリーモデル以上のスペックです。
メモリ容量16GB、ストレージ容量512GB、リフレッシュレート165Hz、本体重量2.4kgと軽いとは言えませんが、16インチモニターは魅力です。
?AORUS 17
https://www.gigabyte.com/jp/Laptop/AORUS-17--Intel-12th-Gen#kf
■ハイスペック・高価格帯
AORUS 17 XE5-73JP534SH(GIGABYTE社製)の価格は、2023年6月現在21万円からです。CPUはインテルCore i7またはi9、グラフィックはGeForce RTX3080または3070と高性能の最新型搭載です。メモリ容量32GB、ストレージ容量512GBまたは1TBと十分にあり、リフレッシュレートも300Hzとなっています。
本体重量は2.7kgと軽くはないですが、17.3インチタイプなので迫力のあるゲーム体験が楽しめます。ヒートパイプとブレードファンへの工夫で冷却性能の向上を図っています。
まとめ
ノートPCの多くは、購入時にCPUやメモリを選択することで、スペックや価格を上にも下にもできます。そのため、自分にとって何が必要なのかをまずしっかり検討してから購入に臨むことをおすすめします。
ゲームをプレーする人であれば、「予算の許す範囲で一番良いものがほしい」という気持ちが人一倍強いと思います。自分にぴったりのPCを選ぶこともeスポーツでは重要な要素の一つです。高校生にとっては決して安い買い物ではありませんから、まずは調査や検討をしっかり行って、楽しく快適にプレイできる環境構築をめざしましょう。