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2025.04.22

“ゲーム好き”のための就活イベントが大好評! 企業も学生も「可能性が広がった」

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 GLOEは4月12日、ゲーム好きな社員がいたりeスポーツ部があったりする“ゲーマーフレンドリー”な企業限定のゆるふわ合同企業説明会「ゲーたま」を開催した。前半と後半で参加企業は合計8社、参加者は合計約100人。イベント後のアンケートによると、参加者の98%が「満足」と回答したという。今回は前半の様子を取材した。

説明会の様子
ゲーム好きな参加者・企業限定のゆるふわ合同企業説明会「ゲーたま」


 「ゲーたま」は、ゲーマー就活生のたまり場の略称。GLOEがゲーマー就活生向けに運用するDiscordサーバーでアンケートを取った結果、就職活動を行ううえで、業界、業種、職種を知るきっかけや興味がある企業になかなか出会えない、といった悩みが多数あったことを受けて企画した。ゲームが好きという共通点をきっかけに、企業と学生が出会う場をつくることを目指している。

 司会進行を担当したGLOEのずーサンは冒頭、「8年前に自分がGLOEに入社したとき、eスポーツという単語も知りませんでしたが、今ではこうした場に立っています。世の中には私のように、まさか自分がこんな仕事をしているとは思わなかった、といった社会人がたくさんいると思います。今日は、ゲーム好きという共通点がある企業や参加者が集まっている場なので、ゲームをきっかけに新しい発見や出会いがあればいいなと思います」と期待した。

人物写真
GLOEの代表取締役 谷田優也さん(左)とずーサン

“ゲーム好き”企業の説明会

 会社説明では各社どのような仕事があるのか、どのような職種を募集しているのか、どのような人材を募集しているのか、そして入社後の研修などの流れを紹介した。その後は各社のブースでより詳しい会社説明と質疑応答を行っていた。

NHN JAPAN

 最初に登場したのは、韓国に本社のあるNHN JAPAN。「LINE:ディズニー ツムツム」「#コンパス 戦闘摂理解析システム」などスマートフォンゲームの開発・運営や、コミック配信などのエンタメ事業を展開している。

人物写真
左から、NHN JAPANの柏木誠さん、末藤勇貴さん、関健吾さん


 募集している人材は、NHN JAPANは人事、財務・経理、NHN PlayArtは総合職(企画)、ゲームプランナー、ゲームプログラマ、ゲームグラフィックデザイナー。求める能力としては、論理的思考とユーモアだという。

 会社の特徴として挙げたのは、新卒研修では、新卒だけでゲームを制作しリリースまで行うという経験が積める点。さらに20代でもゲームの企画を自由に提案できる点だ。

 提案は役員が直接審査し、承認されれば実際にプロジェクト化される。スマホゲームの企画からリリースまで約3年かかるとすると、人生で関わることができるゲームは多くても15本ほど。そのなかで自分の理想のゲームを手掛けることができる機会は限られる。そんな貴重なチャンスを若いうちから得られるという。役員が直接指導をすることもあるので、バックアップ体制は万全だ。   

 ちなみに、福利厚生としてお弁当は無料。新生活に向けた準備などで資金難に陥りがちな新入社員にとってはありがたい話だ。

コーユーイノテックス

 コーユーイノテックスはICTやネットワークの構築保守など、さまざまなテクノロジーを組み合わせて顧客の課題を解決している。eスポーツ大会やイベントのネットワークを担当したり、スポンサーになったりと、eスポーツファンの一部には名の通った企業だ。新しい事務所の立ち上げやイベントの実施に向けて顧客の要望を聞く営業チーム、実際に現場で工事をする工事チーム、ネットワークの設計をするチームの人員を募集している。

人物写真
左から、コーユーイノテックスの永井楓大さん、
高橋彩さん、西浦智さん


 入社にあたって特別な資格などは必要なく、技術は働いていれば身に付くという。必要なのは、やる気やポジティブさ。あとは、現場に出る仕事が多いため運転免許と、配線を通す際に役立つ手先の器用さがあれば仕事がスムーズに進む。現場で体を動かすことが好きな人に向いている仕事といえる。

 社内コミュニケーションとしては、部署を超えて人が集まるeスポーツ部を紹介。基本的には仕事が終わった部員が家からオンラインで参加しており、ゲームはもちろん、テーブルトークRPGなども楽しんでいるという。

 もちろん楽しむための活動ではあるが、福利厚生になるだけでなく、さまざまな部署と協力する機会が多い仕事上、コミュニケーションのきっかけが多ければ現場で連携も取りやすくなるというメリットがある。一緒にゲームをプレーすることで人柄がわかれば、現場でも一緒に仕事がしやすくなるはずだ。

double jump.tokyo

 double jump.tokyoは“ブロックチェーン技術でゲームの未来を再構築する”をビジョンに掲げた会社。ゲームやアセットの開発・運営・販売を手掛けている。代表作には、日本初のブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」がある。新作の戦略軍勢トレーディングカードゲームバトル「魁 三国志大戦」のリリースも予定している。

人物写真
左から、double jump.tokyoの保坂和紀さん、松谷幸紀さん


 求めている人材はプログラマー、ゲームの事前登録促進や広告戦略を立てるマーケティングメンバーなど。新作ゲームの競技シーンやコミュニティ形成、関わり方を考える仕事もあるという。担当者曰く、社員には個性豊かなメンバーが多く、多様性を尊重する環境が整っているとのこと。自分の考えをもって、自律して動くことができる人材を求めている。さまざまなことにチャレンジできる職場だ。

 ゲームの開発だけでなく、NFTコレクションの開発や、ブロックチェーンの基盤づくり、独自トークンの開発などにも対応。スクウェア・エニックスと共同でNFT技術を使った商品を販売したこともあるなど、ゲーム会社と連携した事業もある。

情報戦略テクノロジー

 情報戦略テクノロジーは、大手の企業を対象にDX事業開発を手掛ける会社。「すべてを、なくしていく。」というメッセージを掲げ、システム開発における多重下請け構造をなくすことを目指している。

人物写真
左から、情報戦略テクノロジーの良永百香さん、
石井誠人さん、實平暁海さん


 大手事業会社がシステム開発を外注する場合、実際に開発するエンジニアはほとんどが三次請け以下の会社に所属している。システムはユーザーの声を聴いてアップデートを重ねていくものではあるが、ユーザーから声を受け取っている大手事業会社と、実際にアップデート内容を開発するエンジニアの間に何社か挟まっている現状では、要望があがってから反映されるまで時間がかかるだけでなく、ユーザーの声が開発現場に正確に届かないケースがある。こうした課題を、大手事業会社に直接入ってともにシステムの理想を描き、開発することで解決しようとしている。

 募集しているのは、ビジネス職とエンジニア職。顧客と一緒に開発を進めることになるため、顧客と横並びになってビジネスの構想から開発まで一貫して担当できる人材を求めているという。応募に際して必要な能力は一切不問。内定期間で勉強するプログラムを用意したり、入社後に研修したりと、教育環境も整えている。

 ゲーム部もあり、役職に関係なく20人ほどの社員が参加している。頻繁に活動しているほか、会社からゲームの配信を行うこともある。クライアントワークするエンジニア職であっても、ゲーム部や社員同士での研修会へ参加するなど、社内コミュニケーションが活発だ。

 各社の説明の後は、参加者同士で感想を話し合う“感想戦”の時間が5分ほど設けられていた。参加者同士の交流を促すだけでなく、言葉にして伝えることで自分の考えを整理したり、ほかの人の意見から新しい知見を得たりと収穫は多かったようだ。

イベントの様子
イベントの様子

“ゲーム好き”という新しい軸

 参加した学生の満足度は高く、「ゲームが好きなので、ゲーム業界について就活サイトでいろいろ調べていましたが、ネットワーク構築やDX事業開発など、ここで初めて知る情報が多く、来てよかったです」(東京・大学4年生)と好評だった。ほかの参加者も「ゲームが好き=ゲーム会社に就職」という固定概念から脱却し、ゲーム好きという軸で企業を探す選択肢が増えたという。

 また、会社説明会といえばスーツの集団を思い浮かべるが、ゲーたまはむしろスーツ姿は少なかった。そして参加者・企業が全員“ゲーム好き”という共通項があるからこそのカジュアルな雰囲気は、大変好評だった。「こんなに気軽に参加できる説明会は初めてです。会社の雰囲気もわかって、参考になりました。ゲーム会社を中心に探していましたが、ゲーム好きな会社も選択肢になることがわかりました」(京都・大学4回生)。

イベントの様子
感想戦では感想だけでなく、出身や好きなゲームについて話すなど
参加者同士の交流も盛んだった


 コーユーイノテックス ソリューションセールスグループ eスポーツチーム 課長代理の西浦智さんは、「当社は仕事柄、表に出る機会があまりなかったので、知っていただくことができてよかったです。このカジュアルな雰囲気やお互いゲーム好きという一体感からか、学生の方々からの質問が具体的で、興味をもって話を聞いていただいていることがよくわかりました」と手応えを感じていた。続けて「会社説明会は初めてだったので、用意すべき資料など勉強になりました」と話した。

 情報戦略テクノロジー 人材採用部/新卒採用課 課長の石井誠人さんは、「就活は自分が興味のある職種に絞って調べたり、話を聞いたりすることが多いので、今日はゲームから少し遠い私たちの話を聞いていただけるか少し不安でした。ただ、ゲームが好きというテーマで集まっているからこそ話しやすい雰囲気があり、まったく知らなかった職種についても興味を持って話を聞いていただけました。双方、可能性が広がるイベントでした」と話した。

ブースの様子

ブースの様子
説明会後の各社ブースの様子

今後の開催にも期待

 今回のイベントに参加した企業、少なくとも前半グループが求める人材は、「新しいことにチャレンジする人」だった。そういった点で見れば、初の試みであるゲーたまの参加者は採用基準の一つを満たした人材といえる。ただ、企業側からすると参加者の事前情報が“ゲーム好き”くらいしかなかった。企業が参加者の情報をもう少し得られていれば、それぞれに合わせて事例を用意するなど、事前の準備を充実させることができたはず。まだまだ進化する余地はありそうだ。

 ゲーたまを主催したGLOEの代表取締役 谷田優也さんは、「ゲームには難しいことを簡単にするという働きがあります。今回でいえば、就活という難しそうな話題をゲームで柔らかくする試みでした。会社を選ぶ理由はやりたいことや給与、福利厚生だけではありません。内定後、Discordに招待して一緒にApexやVALORANTをやったら、社員や会社のことが好きになり、複数の内定先から好きになった会社を選ぶこともあるでしょう。今回、ゲーたまを実施してみて、“ゲーム好き”だからこそ選択肢が広がるという体験をしていただけた、という感触があります」とコメント。今後の開催にも前向きだ。

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https://gloe.jp/

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