高校eスポーツ探訪

2023.08.05

楽しみながら強くなる!仙台城南高等学校eスポーツ部 STAGE:0 2023 LoL部門 東北ブロックNo.1チーム 前編

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【高校eスポーツ探訪・20前編】宮城県の仙台城南高等学校eスポーツ部はSTAGE:0 2023のリーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門で東北ブロック代表として全国大会セミファイナルへの進出を果たしました。惜しくも初戦で敗れてしまいましたが、次の大会に向けて着々と準備を進めている様子。今回の高校eスポーツ探訪はSTAGE:0で結果を残したeスポーツ部のチーム「hype」の二人へのインタビューを前後編でお届けします。まずは、日々の部活の活動や練習方法、eスポーツを始めたいきさつなどについて聞きました。(2023年7月14日取材)(取材・文/寺澤 克)

STAGE:0 東北ブロック代表チームの二人

村上さん(右)と小山さん(eスポーツ部顧問浦田先生より提供、以下同)


──まずは自己紹介をお願いします。

村上 望明(のあ)さん(以下敬称略) 3年の村上 望明と申します。競技種目はLoLです。

小山 遼さん(以下敬称略) 同じく3年の小山 遼です。競技種目はLoLです。

──お二人は、STAGE:0にhypeのkamiaさんとyuponさんとして出場していましたよね。

村上、小山 はい、そうです。

──STAGE:0の東北ブロック決勝は熱戦でしたね! 終始一進一退の展開で50分以上にもなった接戦でしたが、緊張感のなか長時間試合をするのは大変ではなかったですか。

村上 僕は最初と最後の方は、集中力が高まっていて調子が良かったです。ただ中盤は逆に落ち着いてしまって、中だるみのような時間になりました。やはり長時間集中するのは難しいですね。

小山 僕はけっこう緊張しちゃうタイプなので、大会だとずっと気を張り詰めてしまうんですよね。アドレナリンみたいなものも結構出ていたからだと思いますが、自分の中では50分の試合も一瞬に感じました。

STAGE:0でのhype

広い視野を持つ、連携の難しさ だからこそLoLは奥深くて面白い

──お二人それぞれ試合中の時間の流れが異なっていたのですね。ともあれ、東北ブロック優勝おめでとうございます。いまではこれだけの成績を収めるまで実力を伸ばしていますが、そもそもお二人がeスポーツを始めたきっかけって何ですか。

村上 僕は小学校5年生ぐらいからずっとゲームに親しんできました。特にプレーしていたのがシューティングゲーム(STG)です。TPS、FPS問わずという感じでした。ただ、ゲームをやっていると上手いプレーをする人が当然目に入ってくる。それで、だんだんとゲームの大会のことを知るようになって、上手いプレイヤーに憧れを抱くようになりました。昔から、ゲームを通して人と対戦するというのが好きだったので、プレーするのはもちろん楽しくて、その延長でもっと強い人、上手い人と戦いたいという感じです。

──では、元々はSTGをやることが多かったのですね。LoLはMOBAですが、これまで親しんできたジャンルとかなり違いがあるんじゃないですか。

村上 僕はゲーム自体が好きという感じなので、特に抵抗感とかはなく、すんなりと入っていけました。ただ今までプレーしてきたFPSやTPSって実はそんなに見るところが多くなかったというのを思い知らされましたね。最低でも目の前に見えるものを把握していればいい。ただLoLって上からの見下ろし視点じゃないですか。まずそこが難しいなと。上からな分だけ広範囲のマップが見えるし、注意してみなければいけないところが多い。そしてジャングルは、何も見えないし気を配ることも必要だし。

──シューティングより視界を広めにとらないといけないのが難しいところなんですね。小山さんはいかがですか。

小山 僕もそれなりに小さいころからゲームに触っていて、最初の方はドラクエとかRPGをプレーすることが多かったです。そこからいろいろなジャンルをプレーしました。その流れで最近はeスポーツという言葉が話題にも上るようになって、やってみたいなというのを前々から考えていました。高校に入学したときにも「eスポーツができたらいいな」という漠然とした思いを持っていたので、入部に迷いはありませんでした。

──実際にLoLをプレーしてみてどうでしたか。

小山 味方との連携がやはり大切だなと思いますね。僕自身がいつもソロプレーばかりだったこともあるんですが、仲間と協力して共通の目的を果たしていくというのはとても新鮮で、かつ難しくはあるんですけど、そこがむしろ奥深さにつながっているなと思っています。

集まり次第活動開始 時間外でもプレーを楽しみ実力がついてくる

日々の活動風景


──次に、皆さんの部活動について教えてください。部員数や設備はどれぐらいの規模ですか。

村上 仙台城南高校eスポーツ部の部員は現在25人います。PCはゲーミングデスクトップPCが5台、ノートPCが50台です。

──活動時間について教えてください。

小山 月・水・金でLoL、そして今年度から加えたVALORANTは火・木で練習しています。学科が複数あって、部員によっては6、7時間目まであるなんてこともあるので、集合時間は特に設定していません。集まり次第活動開始です。で、18時ぐらいまでは活動しています。

──土、日の練習などはあるんですか。

村上 基本的にはありません。大会前とかは集まって練習することがあります。

──部活動では具体的にどのような練習をしているのですか。

村上 LoLだったら、5対5でノーマル戦をして、チームとしての動き方・戦術を確立していくというのが基本的な練習になります。たまにOBの先輩方がDiscordで来てくれて、かなり熱心に教えてくれます。レーンごと、個人ごとにアドバイスをくれるのでとても助かっています。部活に来る部員よりOBの方が多い日もあるぐらいですよ(笑)。

──そういえばノートPCが50台ってかなり多いですよね。

小山 情報系の授業などがあるので、そこで使っているPCも機材に含まれています。あまり性能は高くないですが、LoLぐらいでしたら動きます。

──PCにも結構詳しいんですね。

村上 まあ自然とそうなりますよね。自宅や部活動でPCを使っていると、故障したときにどうしたらいいとか、自分たちで調べたり、みんなと話し合ったりすることが多かったので。

──eスポーツ部の活動を通してPCの知識も付いてきたと。自宅にもゲーミングPCがあるんですね。

村上 はい、僕の家にはあります。学生一人で購入するのはなかなか厳しいので親と折半で購入しました。今はLoLとVALORANTの練習をします。

──確かに1人で買うには厳しいですよね。ではご両親もeスポーツという競技に対しては理解があるんですね。

村上 そうですね。父も母もゲームが好きなのでかなり理解があって、eスポーツという道に進ませてくれました。大会の時には「東北決勝行ってくれ」とか「勝ってくれよ」とかいろいろと言葉をかけられましたね。

──小山さんはどうですか。

小山 僕はゲーミングではないんですが、デスクトップPCが家にあります。LoLは動かせるので、自宅でもプレーしています。

──ご両親はeスポーツ部に入ったときに何かおっしゃっていましたか

小山 僕がもともとゲームにたくさん触れてきた人間だったので、「eスポーツ部に入るよ」といった時も特に反対せず、受け入れてくれました。

──お二人は家でもゲームをプレーするということですが、eスポーツ部では部活以外でも部員で集まって練習することはあるのでしょうか。

村上 部活が終わった後や部活のない日にDiscordで「誰かやる人いませんか?」って呼びかけて集まっています。もう入部してから3年ですけど、ずっとこんな感じですね。でもそれは練習とか関係なくて、学年も関係なく、時にはOBの先輩も参加してくるなど、けっこう自由にやっています。

──なるほど。“練習”というわけではなく、そうした集まりの中で自然と実力をつけてきたということなんですね。

村上・小山 はい、そうなります。

 後編では、eスポーツを通して学んできたことや、二人の今後の目標、そして大会へ向けた意気込みなども伺います。

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■外部リンク

仙台城南高等学校 ホームページ
https://sendai-johnan.ed.jp/

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