高校eスポーツ探訪
2025.03.04
地元大会では優勝も OBとの距離も近い 教育分野でも注目集める山口・立修館高等専修学校 eスポーツ部の活動内容とは?
- 高校eスポーツ
【高校eスポーツ探訪・22】全国各地の高等学校で活動するeスポーツ部を紹介するコーナー「高校eスポーツ探訪」。今回取材したのは、山口県下関市の立修館高等専修学校。「経理情報科」「福祉科」「高等科」の三つの科を設け、少人数制で授業をするのが特徴の同校。eスポーツとPBL(課題解決型学習)を掛け合わせた実証授業も行われるなど注目を集めています。そんな立修館高等専修学校 のeスポーツ部ではどんな活動をしているのか、取材しました。
(取材・文・写真 / 寺澤 克)
専門学校が隣接 卒業生もよく顔を出しアドバイス マインクラフトにも取り組むeスポーツ部
専門学校が隣接しており、そこに通う卒業生もよく出入りするという部室。時折、アドバイスをしている風景も見られ、筆者も在校生かと思って声をかけてしまいました。上下関係などあまりなく、明るく楽しく活動しているのが印象的でした。
話を聞いたのは、部長を務めている委細蓮士さん。部活動はVALORANTやリーグ・オブ・レジェンドに主に取り組んでいるとのこと。普段の活動で意識していることなどを聞いてみました。
──普段の活動について教えてください
委細さん(以下敬称略) 月曜、火曜、金曜の15~17時に活動しています。主にこの部室で競技タイトルの練習をしています。家にPCがない人がよく集まってくれていますね。部員は39人。全員集まるということはあまりないんですが、場所を代えてそういった機会は設けています。
──主にどんな競技を?
委細 僕は主にVALORANTをプレーしていて、まれにリーグ・オブ・レジェンド やマインクラフトもやります。
NASEF FarmCraftの賞状も貼られている
──マインクラフト?
委細 はい。FarmCraftというものがあって、教育版マインクラフトをベースにした農業シミュレーターですね。「NASEF FarmCraft」という大会もあって、天候の変化といったいろんな状況に臨機応変に対応して成果を出し、どういった取り組みをしたのか英語で発表するというものです。ここに毎年参加しています。
タツナミシュウイチさんのサイン色紙も。
顧問の板垣聡美先生が大ファンだという
──委細さんご自身はどうしてeスポーツ部に?
委細 中学校は不登校で、趣味でゲームの動画をよく見ていました。だからゲームに関わることができる学校がないかなと思っていたところ、担任の先生に紹介してもらったのが、立修館でした。
PCなどは地元企業からの寄付 過去最高の大会成績を残したい!
──普段活動で意識していることは?
委細 大前提ですが、暴言は吐かない。あとは台パンをしない。
実は、これらのゲーミングPCは、県内に工場を置くFRONTIERさんを始め、さまざまな地元企業さんから提供していただいているものなんです。僕たちのeスポーツ部の活動は地元企業の方々に支えられているのは本当にありがたいこと。だから物は大切に扱わないといけないんです。
──大会にも出場されて好成績を残しているとうかがっています。どんな練習をしているんですか?
委細 VALORANTであれば、シンプルにランクマッチをひたすら回していくという感じです。
ただ、金曜日にはコーチの岩屋先生が来るので、そこでチームとして練習する時間を設けています。
──ホワイトボードにいろいろと書いてありますが…
委細 はい。練習中に気づいたことを書き出すよう心がけています。ここも日ごろの練習で意識しているところですね。
──今後の目標は。
委細 今まで以上に大会で好成績を残したいと思っています。8月に開催された「VALORANT 山口ハイスクールトーナメント」という県内の高校を集めた大会では優勝するなど、結果が出るようになってきました。ただ、これに満足せずさらにレベルアップしていきたいという思いがあります。
FarmCraftの大会も成績を伸ばしたいです。今年は10位、昨年はランク外、一昨年は3位、4位だったので、過去の成績を越えられるように頑張りたいです。
──最後に、委細さんご自身の将来の夢は?
委細 ゲームに携われる職業に就きたいです。特にプロeスポーツ選手やストリーマーですね!
──ありがとうございました!
【コーチから一言】質問もガンガンしてくるし日々の成長がうれしい 目指すはやっぱり全国大会
立修館高等専修学校eスポーツ部でコーチを務めているのは、同校でeスポーツコース講師を務める岩屋先生。先生は難病を抱えながらも、「Flow」のプレイヤーネームでプロプレイヤーとして活躍してきた経歴の持ち主。そんなコーチの目線から見た生徒たちの姿についても聞いてみました。
岩屋先生 普段は、授業からそのまま部活に入って、一緒にプレーするという感じ。だから本当に自然なんですよね。それもあってか、生徒たちは、質問する子はガンガン来るし、休みの日でもチャットやメッセージが飛んできたりと、すごく積極性を感じます。
やっぱり教えていくと、みんなもそれに応えてくれるように上手くなっていくので、そこにやりがいがあります。もっと強くなって、全国大会でも活躍できるようなチームになってほしい。部員たちをしっかりサポートして、それを実現するのが私のコーチとしての目標です。
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外部リンク
立修館高等専修学校
http://www.shimonosekigakuin.ac.jp/s_risshukan/

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