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2023.04.13

自分でPCのスペックを選べる「BTO」とは? 初心者でも安心の購入までの流れ

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 PC(PC)の購入などを検討しているとき、「BTO」パソコンという言葉を目にすることがあると思います。BTOPCは、完成品を購入するスタイルとは異なり、自分好みのPCを構築できるので、購入時の選択肢として知っておくと非常に便利です。そのためこのコラムでは、まずBTOがどんなものなのかをわかりやすく解説したうえで、BTOの利用方法やBTOが依頼できるショップを紹介していきます。

BTOとは

 この項目では、そもそもBTOとはどんなものなのか解説します。

BTOではないPCとの違い

 BTOとは、「Build To Order」の略語で、「受注生産」という意味。一般的にPCを購入するというと、PC専門店や家電量販店で完成されたものを購入する場面を想像するかもしれません。また近年は、通販などで購入する人も散見されます。その際も完成品のなかから選択する場面を思い描きます。

 完成品を購入する場合はパッケージ商品であることから、個人としては不要な部品や機能が付属していることがあります。しかし、部分的な不満はあっても、全体として妥当なスペックや価格なので、意識していなくても結果的に「妥協して購入する」という形になっているのではないでしょうか。

 一方、BTOを利用すれば、CPUやメモリなどを必要なスペックから逆算して、カスタマイズしたPCを購入することができます。つまり、指示したとおりの構成で組み立てられたPCを購入することで、一般向けに構成された完成品を買うよりも、自分自身が欲しいスペックのPCを適正な価格で入手できるのです。

BTOのメリット

 そもそも市販の完成品PCは、多くの人にとって使いやすいように作られています。そのため、限定的な使い方をする人にとっては、「不要なものがたくさんあるのに、必要な部分が足りない」ということも少なくないでしょう。一方、BTOを利用すれば、不要な機能や部品は排除して、必要な要素を強化することができます。また、ほしい機能をPCの構成が許す限り、増設することも可能です。

BTOの注意点

 BTOでPCを買う場合、基本的にはインターネット上で構成を指定するので、現物を見て購入することができません。また、部品や機能を指定するうえで、ある程度のPC知識が必要になる側面はあります。

 とはいえ、BTOPCを扱っている側も、PCが機能しないような無理な受注を受けることはありません。また実店舗や電話、メールなどでユーザーの相談に応じる体制も確立しています。

 そもそも「受注生産」というと、非常に細かいレベルまで構成を指定したり、部品名まで指示する必要があるのか、という疑問もあるでしょう。しかし実際には、基本的な構成のPCに対して、メモリを増設したり、電源ユニットを強化したり、といった形で分かりやすくカスタマイズすることが基本です。

 そのためBTOは、限られたマニアの人や特定のプロフェッショナルだけに用意された販売形態ではなく、誰もが簡単に利用できるものです。

 また、「受注生産で入手したPCには、しっかりした保証がついていないのでは?」と心配される場合もあるかもしれません。しかし、BTOに対応しているPC店は、ユーザーに向けたサービスとしてしっかり保証を用意しています。また、必要があれば保証期間を3年、5年と長くするオプションもあるので、安心して発注することができます。

初めての人向け!BTOPCの購入方法

 ここからはBTOでPCを購入する際の手順を解説します。わかりやすいように、ドスパラというBTO PC取扱店のサイトに沿って、「ゲーミングPCを購入する」場合を仮想して説明します。(サイトは2023年2月20日時点の構成を参考にしています)

「ゲーミングPCを購入する」
https://www.dospara.co.jp/gamepc

?自分がPCを買う理由からざっくりとモデルを選ぶ

 PCの購入を検討する場合、「動画を編集したい」、「eスポーツを本格的にプレイしたい」、「表計算などをするだけなのでとりあえず最低限の機能があればよい」といった目的や用途があるはずです。まずその点を整理してから、BTOでPCを扱っているサイトにアクセスします。

 すると大まかな選択肢が用意されていますから、そこから予算などを踏まえて基本となる機種を選びましょう。例えば、ドスパラのサイトでゲーミングPCを発注する場合、「ヘビーゲーマー向け」、「ライトゲーマー向け」といった選択肢があります。

?選んだモデルの構成内容を必要に応じて変更する

 基本となるモデルを選んだら、続いて気になる要素を追加・変更していきます。これがまさにBTOでPCをカスタマイズしていく工程です。ここからは構成要素や周辺機器などの選択肢をより詳しく説明します。

?-1:本体構成

 本体構成には、OSやCPU、グラフィック機能や電源、メモリやSSD、光学リーダーやサウンドなどの項目があります。

 例えば、基本状態にはOfficeやセキュリティソフトが含まれていないが、必要なので追加したいという場合、追加要素をクリックしてください。すると購入合計金額も変更されるなど、すべて画面の簡単な指示に従って入力していくだけです。

 メモリやCPUを変更する場合も、クリックできるものは支障なく構成できます。そのため、「選択ミスをするとPCが機能しないのでは?」といった心配は不要です。また、選択肢がひとつしかない項目の変更はできません。

?-2:周辺機器

 周辺機器は基本商品によって変わりますが、マウスやマウスパッド、ヘッドセットやマイク、USBハブなどが用意されています。このような周辺機器は選択肢が多いので、それぞれの商品をクリックして性能を見比べるなどしながら決定していきましょう。

 周辺機器は無くても動作上問題がないものが多いので、指定が面倒であれば購入後に別途考える手もあります。ただし、デスクトップPCを購入する場合で、もしマウスを持っていなければ、マウスだけは一緒に購入することをおすすめします。

?-3:サービス

 サービスについては、保証や初期設定の代行、出張設置やデータ復旧、安心クラウドバックアップや不要PCの下取りなどがありますので、それぞれ必要に応じて選択してください。

 デフォルトの状態で良ければ特に操作する必要はありませんが、慣れない人は何がデフォルトなのかをしっかり確認しておくことをおすすめします。

?選んだ構成の合計金額を確認し、問題なければカートに入れて注文

 ここまでの工程をすべて終えたら、内容と合計金額を確認してカートに入れましょう。その後は一般的なネットによる通信販売と同様です。

BTOPCはどこで購入すべき?

 ここからはBTOでPCを扱っている会社を複数紹介していきます。それぞれの会社の特徴やラインナップを記載しますので、BTOPCを購入する場合の参考にしてください。

ドスパラ

https://www.dospara.co.jp/

 ドスパラは1992年に創業しているので、30年以上の歴史を持つPC専門店です。発祥は電気・電子部品などの販売で有名な秋葉原で、2023年2月現在は全国に31店舗も展開しています。

 創業時点からオーダーメイドによるPCの組み立てサービスを展開していますし、1998年にはPCの通信販売を開始しています。また、2002年にはゲーミングPCブランド「GALLERIA」を生み出しました。GALLERIAは現在もゲーミングPCのブランドとして広く活躍しています。

 さらに、GALLERIAは2021年の価格.comプロダクトアワードのゲーミング部門ゲーミングPCカテゴリで金賞と銀賞を獲得するなど、実績も豊富です。

 ドスパラには通販専門のイメージもあるようですが、実店舗で相談を受ける体制も整っていますし、最長5年の保証を用意するなど、安心感の提供にも力を入れています。ほかにもPCの生産やサポートは国内で行い、熟練スタッフを配置するなどして品質保持を徹底しています。

 さらに、ドスパラはeスポーツのプレイヤーがGALLERIAの操作を体験したり、eスポーツの楽しみを伝えたりする場所として、「GALLERIA esports Lounge」も運営しています。イベントも多数開催しているので、機会があればぜひ訪問してみてください。

パソコン工房

https://www.pc-koubou.jp/

 パソコン工房はユニットコムが運営する店舗です。ユニットコムの設立は1990年です。

 パソコン工房では国内工場で組み立てるBTOでPCを扱っていますし、ゲーミングPCやクリエイターPCなども得意としています。また、PCの自作パーツや周辺機器、組み立てキットやデジタル雑貨の販売も行っています。

 パソコン工房のBTO PCの特徴は、世界でも高く評価されている「iiyama PC」のブランドを扱っている点にあります。「iiyama PC」はゲーミングPCを評価する価格.comプロダクトアワードなどで多数の受賞歴を持っており、ユーザーや関係各所で高く評価されています。

 また、インテルやマイクロソフト、AMDなどの世界的有名メーカーとのパートナー関係にあり、サポート体制の強固さも特徴としています。

マウスコンピューター

https://www.mouse-jp.co.jp/

 マウスコンピューターは2006年に設立された会社です。BTO PCの専門店として、複数のブランドを確立しています。

 一般向けデスクトップPCは「mouse」、ゲーム向けデスクトップPCは「G-Tune」、クリエイター向けデスクトップPCは「DAIV」、ビジネス向けデスクトップPCは「Mouse Pro」といった具合です。G-Tuneはeスポーツシーンの発展を後押しするために、複数のeスポーツチームのスポンサードも行っています。

 また、形状的にはコンパクトデスクトップPCやスリムデスクトップPC、ミニタワーデスクトップPCやミドルタワーデスクトップPC、フルタワーデスクトップPCなど用途に応じた選択ができるように商品展開を行っています。

TSUKUMO

https://shop.tsukumo.co.jp/

 TSUKUMO(ツクモ)はヤマダ電機で有名なヤマダホールディングスグループ内の企業です。

 TSUKUMO(ツクモ)自体の活動が始まったのは1947年なので、すでに3/4世紀を超える実績を持っています。初期には秋葉原で通信機器の販売を行っていたそうですから、自作PCのパーツショップとしては日本で最長の歴史がある会社といっても過言ではありません。

 TSUKUMO(ツクモ)は「日本初」へのこだわりを持っていて、女性スタッフのみでPC専門店を運営したことや、ロボット専門店などで日本初というポジションを獲得しています。

 そもそもツクモという会社名は漢字で表記すると九十九で、「百」というパーフェクトな状態に常に挑戦し続けるという意味が込められているのだそうです。BTO PCとしては「G-GEAR」というブランドを確立しており、ゲーミングPCも多数リリースしています。

FRONTIER

https://www.frontier-direct.jp/

 FRONTIER(フロンティア)は神奈川県のインバースネットが運営するブランドです。

 インバースネットは1940年代にはすでに創業していた会社で、長い歴史を持っています。そんな中で、FRONTIER(フロンティア)というブランドも1981年という段階から立ち上がっており、日本のBTOの草分け的存在として活動してきた会社です。

 BTOブランドとして、デスクトップPCやノートPC、ゲーミングPCやクリエイターPCを多数ラインアップしています。また、個人向けのBTOだけでなく法人や教育機関、研究施設などへのPC納入実績も多数あります。さらに、FRONTIER(フロンティア)で扱うPCはすべて山口県の生産拠点で行うことで、高い品質を維持できています。

好みを追求するならBTO

 「BTO」は完成品を販売する家電量販店などとは異なり、細かい指定をすることで、ユーザーの好みや目的に合うPCを手に入れるための手段として活用できます。

 一般的な事務処理を行う場合などはさほど必要を感じないかもしれませんが、eスポーツプレイヤーとしては、必要とする機能を高め、不要な機能を減らすなどの工夫によってパフォーマンスを高めることにもつながります。

 「受注生産」というとハードルが高いイメージもあるでしょうが、ネット上で簡単に発注できます。不安な場合は店頭で直接相談することもできます。そのため、自分にとって最適な構成のPCを欲しいと思うeスポーツプレイヤーは、ぜひBTO PCも視野に入れてみてください。

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