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2022.07.02

第3回 NASEF JAPAN eスポーツ国際教育サミット開催! eスポーツ×教育の“これから”

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 NASEF JAPANは7月2日、ドルトン東京学園で第3回目となる「NASEF JAPAN eスポーツ国際教育サミット」を開催しました。テーマは2022未来を創る「STEAM教育×eスポーツの可能性」。第2回eスポーツ・クリエイティブ・チャレンジの結果発表や高校生によるプレゼンなどが行われました。

NASEF JAPAN eスポーツ国際教育サミット

 冒頭、あいさつに登壇したNASEF JAPANの松原昭博会長は、「NASEF JAPANはeスポーツを広げるための団体だと思われがちですが、目指しているのは世界に羽ばたけるDX人材を育てることです。そのきかっけとしてeスポーツがあります。現在の加盟校は328校で、全国47都道府県にあります」と同団体について説明。

NASEF JAPANの松原昭博会長

 「今後は、これからeスポーツ部を立ち上げる顧問教師のための機材の設営から運営、生徒指導の方法まで網羅した教員向けの虎の巻である『eスポーツの部活運営マニュアル』の作成や、大会の運営などを通して、部活動ならびにDX人材の育成を支援していきます」と活動を紹介しました。

高校eスポーツ活動の実態と課題

 次いで登壇したのはNASEF JAPANと共同で「日本の高等学校におけるeスポーツ活動の実態と課題」について調査を実施した筑波大学の高橋義雄教授。Webアンケート調査やインタビュー調査を通して課題と解決方法を探ることで、eスポーツ部の普及に向けてどのような必要な要素の明確化を図りました。

筑波大学の高橋義雄教授

 調査の結果、eスポーツ部設立に向けた大きな課題は、「高価なゲーミングPCの購入が難しい」という点。解決した学校では、企業との連携や無償のレンタルプログラムを活用する、といった回答がありました。また、部活に対して懐疑的な意見に対しては、「メディアへの露出があると、反対の声が減る」とのことです。このほか、調査の詳細については報告書にまとめているそうです。

今後の課題について

第2回eスポーツ・クリエイティブ・チャレンジ

 続いて、eスポーツを通じて高校生の創造性やクリエイティブな才能を開発する第2回eスポーツ・クリエイティブ・チャレンジ(ECC)の結果発表がありました。テーマはeスポーツ×SDGsです。

 今回、最優秀賞を獲得したのは、水戸啓明高等学校の「自分ごと化、そして行動」でした。メンバーは2年生の山形龍也さん、安島巧大さん、石垣葵さん、小沢雄真さん、小沼圭太さん、高橋汰吾さん、伏見叶生さんです。内容は、マインクラフトを使って世界の食料問題に挑戦する「NASEF Farmcraft」への参加を通して、日常のなかで見つけた課題の解決に向けた活動でした。

最優秀賞を獲得した水戸啓明高等学校「自分ごと化、そして行動」

 NASEF Farmcraftでは、マインクラフトで農業に取り組むことになります。プログラムに参加している際、メンバー内で作物に水を撒く時間について議論になったそうです。そのなかで、誰も実際の農業を知らないということに気が付きます。そこで担当の高田先生が「実際の農業を体験してみよう」と動きました。

 実際に農業を体験したメンバーは農業の大変さを実感します。大変さが分かると、今度は給食の残りなどが気になり始めました。そこで食品ロスについて調査し、地球温暖化などへの影響を知ります。この課題に対して何かできることはないかと考え、食品ロスの問題を訴えるポスターをつくり掲示しました。

ポスターを作成して食品ロス問題について啓発

 こうした活動について、評価委員は「ゲームから実際に農業を体験する流れはいいですね。そこから食品ロスという社会問題につなげていくところはよい着眼点です」と講評しています。さらに、水戸啓明高等学校のメンバーには、NASEF JAPANから今回の結果を称えて盾が贈られました。

STEAM&グローバル教育の取り組みについて

 クロストークセッション「未来を担う若者へ『STEAM&グローバル教育の取り組みについて』」では、インテルの井田晶也執行役員、ドルトン東京学園 中等部・高等部 コンピューターサイエンス スーパーバイザーのRamzi Ramzi教諭、NASEF JAPANの松原昭博会長、ファシリテーターとしてNASEF JAPANの内藤裕志統括ディレクターが登壇しました。

STEAM教育についてのクロストークセッションの登壇メンバー(左から、内藤統括ディレクター、Ramzi教諭、井田執行役員、松原会長)

 焦点が当たったのは、タイトルにもある通り「STEAM教育」。サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アート、マセマティクスの頭文字を取った造語です。

 サイエンスには、科学に接することでよりさまざまな物事に好奇心を持つ。テクノロジーには、プログラミング学習により課題解決力を養う。エンジニアリングには、産業の基礎であるものづくりやロボットの知識を養う。アートには、芸術だけでなく教養(Liberal Arts)を含み、言語化や表現力を育む。マセマティクスには、公式などの法則に触れ論理的思考力を養う、といった意味があります。

 インテルは独自に「STEAM Lab事業」を展開。2022年4月からドルトン東京学園をはじめ全国18校(小中高、大学)でPC各社や強力パートナーと共同で研究を開始しています。このSTEAM教育を多くの学校でも取り組むための環境整備に向け、NASEF JAPANは動いていく方針です。

NASEF JAPANのNPO法人化

 最後に、NASEF JAPANの内藤裕志統括ディレクターが登壇。今夏からNASEF JAPANが「特定非営利活動法人 北米教育eスポーツ連盟 日本本部」として活動することを明らかにしました。

8月からNPO法人として活動する予定のNASEF JAPAN

 “子どもたちがいる(興味・関心がある)ところに大人が出向く”という理念のもと、20年11月に任意団体として「北米教育eスポーツ連盟日本本部」が発足してから約2年。eスポーツを活用した教育と人材育成を支援に力を入れてきたNASEF JAPANでは、さらなる活動の翼を拡げ社会貢献を進め、「eスポーツ部向けガイドライン」といった独自コンテンツ事業、NASEFが実施するFarmcraftを中心とした教育コンテンツの普及と啓発、筑波大学を始めとした大学・研究機関と連携した「eスポーツの教育的効果」に関する研究などに力を入れていくとしています。

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外部リンク

NASEF JAPAN

https://nasef.jp/

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