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2023.08.17

今流行りの「クラウドゲーミング」とは?メリットやデメリット、注意点などを紹介

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 近年の通信技術の発展に伴って誕生し、現在大きな注目が集まっている「クラウドゲーミング」をご存じでしょうか?ゲームをプレーする時にクラウドサーバーとの通信を利用する形式のことを指し、ゲームの経験やスキル、ゲームハード・ゲーミングPCの有無を問わず、ゲームに興味関心があるすべての方におすすめできるサービスです。

 今回は、クラウドゲーミングとは何か、その解説から、メリット・デメリット、代表的なサービスなどの基礎的な知識を解説していきます。

「クラウドゲーミング」とは

 「クラウドゲーミング」とは、近年の通信技術の発達で生まれた新たなゲームの形態のこと。ゲームのプレーに必要なデータ処理をすべてクラウドサーバー上で行い、プレー画面の映像データを手元のデバイスが受信・表示します。

 デバイスでは映像データの出力とコントローラー入力情報の送信のみを担当するため、性能レベルを問わず多様なデバイスでハイクオリティなゲームのプレーが可能なことが大きな魅力です。

クラウドゲーミングを遊ぶのに必要なもの

 クラウドゲーミングサービスを利用するのに必要なものは、各サービスに対応しているデバイス(スマホやPCなど)と、高速で安定したインターネット回線の2つです。デバイスの性能はプレーに影響しないため、ハイスペックで高価なものをあえて用意する必要はありません。

クラウドゲーミングとオンラインゲームの違い

 「オンラインゲーム」も常にゲームサーバーとの通信をしながらプレーするものですが、ゲームの実行に必要なデータ処理は手元のデバイス上で行います。また、オンラインゲームという言葉の“オンライン”は“対人式”“協力プレー”という意味合いが強いため、ソロプレー専用タイトルのクラウドバージョンは、システム上は通信を必要としてもオンラインゲームとは呼ばれない傾向にあります。

 ただし、クラウド式かつオンライン要素を持つタイトルも存在するため、この2つはまったく異なるものであるとは限りません。

クラウドゲーミングとサブスクリプションの違い

 「サブスクリプション」は、定期的に料金を支払って利用する仕組みのサービス全般を指す言葉です。クラウドゲーミングサービスはサブスクリプション制をとっていることが多いですが、買い切り制でクラウド版が配信されているタイトルもあります。必ずしもクラウドゲーミング=サブスクリプションであるとは限りません。

クラウドゲーミングのメリット

 従来のシステムのゲームにはなかった、クラウドゲーミング独自のメリットを3つご紹介します。

ハード(デバイス)の仕様に関係なくハイクオリティなゲームが遊べる

 クラウドゲーミングでは、ゲームのプレーにあたってハード(デバイス)の仕様がほぼ問われません。比較的安価なハードやスペックが低いPCでも、高価な次世代ハード・ゲーミングPCが必要となるような高いクオリティのゲームを楽しめます。

 現在、次世代ハードは5?6万円程度、ゲーミングPCはおおむね15万円以上が相場となっています。ゲームのためにこのような高価なデバイスを買うことが難しいと思う人でも、話題の新作タイトルなどに気軽に触れられることが大きな強みです。

手元にソフトがなくても遊べる

 クラウドゲーミングは、プレーに必要なデータをすべてオンラインでやり取りする仕組みなので、ゲームソフトを用意する必要がありません。対応デバイスだけ手元にあればいつでもどこでもゲームがプレーできます。

従来のゲームよりリーズナブルな傾向にある

 クラウドゲーミングで配信されているタイトルは、従来のゲームソフトよりも価格がリーズナブルな傾向にあります。さまざまなタイトルに手を出しやすいこともプレイヤーにとってのメリットです。

クラウドゲーミングのデメリット・注意点

 クラウドゲーミングは従来のゲームにはない大きな魅力を持ったシステムですが、特有のデメリットも存在します。ときにはプレーに大きな悪影響を及ぼすことがあるので、メリットだけでなく注意点も踏まえた上で利用を検討してください。

通信状況によっては遅延が発生したり画質が落ちたりする

 クラウドゲーミングサービス利用中は常にデータの送受信を行う必要があるため、使用する通信回線の品質がプレーの快適性に大きく影響します。通信の状況によっては、プレー中に大きな遅延(ラグ)が発生したり、一時的に画質が落ちたりする場合があります。

 そのため、FPSや格闘ゲームなどのように一瞬の差が勝敗を分けるようなジャンルでは、クラウド版でプレーしているユーザーが若干不利になってしまいます。しかし、この問題は5G普及などの通信技術の発達によって将来的に解消される可能性が高いです。

ユーザーのアクセスが集中するとサーバー側の問題でエラーなどが発生する可能性がある

 本来はソロプレー専用・オフライン可のタイトルでも、クラウドゲーミングでプレーする場合は常にサーバーとの通信が必要です。「ユーザーのアクセスが集中してサーバーエラーが発生する」という事象はオンラインゲームではよくあることですが、クラウドゲーミングの場合はゲームの形式を問わずサーバーに関する問題が常に付きまとうことも大きなデメリットです。

代表的なクラウドゲーミングサービス(2023年8月現在)

 クラウドゲーミングはまだ発展途上の文化ではありますが、すでに大手企業によるサービス展開が活発に行われています。代表的なクラウドゲーミングサービスを見てみましょう。

Xbox Cloud Gaming

 「Xbox Game Pass Ultimate」の会員向けに提供されているサービスです。Xboxを持っていない方でも利用できます。
 
■月額料金
初月100円、翌月以降1210円
(Xbox Game Pass Ultimateの利用料金)

■対応デバイス
・Xboxコンソール
・WindowsOS
・AndroidOS
・iOS
・iPadOS
・MacOS
・スマートTV

PlayStation Plus プレミアム

 「PlayStation Plus プレミアム」の会員向けサービスとして、初代PlaystaionやPS2、PS3、PS4向けに発売された対象タイトルをクラウドストリーミングの形式でプレーできます。
 
■月額料金
1ヶ月:1,550円
3ヶ月:4,300円
12ヶ月:10,250円

■対応デバイス
・PS4
・PS5

GeForce NOW

 PCやスマホ・タブレットで利用できるサービスです。フリープランは制限が厳しいものの無料で登録できるので、まずはクラウドゲーミングに触れてみたいという人にはぴったりです。

■月額料金
フリープラン:0円
プレミアムプラン:550円

■対応デバイス
・macOS
・WindowsOS
・ChromeOS
・AndroidOS
・iOS

Luna

 Amazonが提供しており、現在アメリカ国内で利用可能なサービスです。日本向けの展開は未定ですが、多くの人々にとって身近なサービスと紐づけてクラウドゲーミングを利用できる点が注目されています。

任天堂もサービスとしてではなくタイトル別でクラウドバージョンを提供している

 任天堂でも、買い切り式のクラウドバージョンのゲームをNintendo Switch向けに提供しています。『キングダムハーツシリーズ』や『バイオハザード7』のように、仕様の問題でSwitch版発売は難しいと言われていたタイトルがクラウド形式で登場しました。

クラウドゲーミングの将来性

 クラウドゲーミングサービスはこれからも規模拡大を続け、将来的には私たちにとってより身近なものになって、さまざまなメリットをもたらすことが期待されています。

5G等の技術の普及によって、ストレスフリーなプレーが期待できる

 現在、5Gをはじめとする次世代の通信技術の発達・普及により、私たちが利用する通信システムはより高速で安定したものにアップデートされつつあります。

 従来の通信システムでは通信速度の速さや安定性に欠け、クラウドゲーミングを快適に利用することが難しいケースがあります。しかし今後さらに通信技術が発達すれば、より多くの人がストレスなくクラウドゲーミングを楽しめるようになるでしょう。

ハード・デバイスの限界に左右されなくなり、ゲームを遊ぶ時のハードルが下がる

 「ハイクオリティなゲームを楽しむためには、高価なゲームハードやゲーミングPCを用意する必要がある」というのがゲーム業界での常識でした。これに対し、クラウドゲーミングは安定した通信回線さえあればハード・デバイスの性能を問わず、ゲームをプレーできるのが特徴です。

 プレーが可能な環境を整えるハードルが下がり、これまでプレーしていなかった人、手を出せなかった人たちにもゲーム文化が広まっていくかもしれません。

これまでよりもリーズナブルにゲームを楽しめる

 クラウドゲーミングは、従来よりもリーズナブルな価格でコンテンツを遊べる新たなプレー形式です。ゲームソフトが比較的安く手に入るようになり、ゲームハード・ゲーミングPCのような高価なデバイスを購入する必要がなくなります。技術がさらに発達し、クラウドゲーミングが世間に浸透すれば、あらゆるゲームが低価格でプレーできるようになる、そんな期待も膨らみます。

【まとめ】クラウドゲーミングがいつか主流に!? まずは試してみるのもアリ

 クラウドゲーミングのデメリットは、5G通信をはじめとする通信システムが発達すれば将来的に解消できる可能性が高いものです。現在は認知度があまり高くはありませんが、将来的にはゲームプレーの手段としてメジャーな存在となるかもしれません。

 「GeForce NOW」のように無料で利用可能なサービスもあるので、まずは気軽にクラウドバージョンでゲームをプレーしてみてはいかがでしょうか。

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