解説
2025.08.13
「VESA規格」とは?モニターとモニターアーム選びで重要なポイント
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モニターに関連する情報を見ていると、「VESA規格」という言葉に触れることがあると思います。VESA規格とはモニターや液晶ディスプレイの取り付け穴に関連する規格ですが、「詳しくは知らない」という方も多いでしょう。
そこで今回は、VESA規格がどんなものかを解説したうえで、VESA規格対応グッズでできることや、VESA規格非対応のモニターに対応する方法などを紹介します。
「VESA規格」とは
「VESA規格」は国際標準規格のひとつで、テレビや液晶ディスプレイなどに使用するスタンドやアーム、壁掛け金具の取り付け穴について定めたものです。
Video Electronics Standards Associationという業界標準化団体(VESA)が提唱した規格であることから、VESA規格という名称がつけられています。そしてこの規格によって定められたねじ穴の数や間隔は、VESAマウントインターフェースと呼ばれています。
ちなみに、VESAは映像インターフェース関連の周辺機器の策定を行っています。例えばディスプレイとPCなどのデバイスをつなぐDisplayPort規格もVESAが策定したものです。
VESA規格の寸法の種類
VESA規格が定めるVESAマウントインターフェース(ねじ穴の数や間隔)の数値は、ディスプレイのサイズと重量によって分けられています。以下にVESAマウントインターフェースの寸法を表で記載しますので参考にしてください。

※サイズや重量によって取り付け穴の寸法が異なることがあるので購入にあたっては事前に確認することをおすすめします。
※安全への配慮から、耐荷重は購入前にご確認ください。
VESA規格に対応しているメリット
モニターや液晶ディスプレイがVESA規格に対応していることで、ユーザーはスタンドやアームの準備がしやすくなります。
例えばテレビや液晶ディスプレイを買い替える際に、VESA規格に沿ったものであればそれまで使っていたアームやスタンドをそのままが使える可能性があります。また、新たにスタンドやアームを購入する場合でも同様で、規格によってディスプレイを買い替える必要がありません。テレビ・やPC周りの環境改善や買い替えを考える際にも便利です。
そのほか、VESA規格は寸法だけでなく最大重量も定めているため、アームやスタンドの耐荷重のミスマッチを減らせますから、安全性も高まります。
VESA規格対応でできること・使えるグッズ
この項目では、マウントインターフェースの寸法が決まっているからこそできることを、使用できるグッズとともに解説します。
モニターアーム
PCのモニターをモニターアームで固定すると、モニターの位置や角度をの調整がしやすくなります。多関節により水平方向と垂直方向の位置調整がしやすく、軽い力で簡単に移動できます。モニターを縦向きにすることもできるため、ピボット機能を持つモニターを接続すれば縦方向のスクロールの手間を減らしたり、縦長の文書や画像が見やすくなったりといった利点があります。
モニターアームを使えば、デスク上を広く利用することも可能です。スタンドとモニターが一体になっているタイプの場合、モニター下部に有効な空間はほとんどありませんが、モニターアームを使うとモニター下の空間を活用できます。
また、アームが複数ある2面設置型や4面設置型のモニターアームを選択すれば、マルチモニター環境で作業ができます。マルチモニター化すると表示できる情報量が増えますし、自分自身が見ている画面を周囲の人に見せたい場面でも役立ちます。
壁やスタンドに固定
VESA規格に対応したモニターなら、壁付けしたり、スタンドで固定したりすることも自在です。
モニターを壁掛けにすると、複数の人が見やすいメリットがあります。壁面に穴をあけて金具を固定する手間は発生しますが、モニターの下部にデッドスペースが生じないため、空間を広く利用することが可能です。さらに、壁掛けにすると空間がスタイリッシュになる魅力もあります。
VESA規格対応のスタンドはさまざまなタイプがあるので、スタンド一体型のモニターよりも高さや角度の調整がしやすくなります。また、机上に置くタイプではなく器具で机に挟んで固定するクランプタイプなら机上の専有面積が小さいので、省スペース化が可能です。さらに、大型のモニターは移動が大変ですが、キャスター付きのスタンドを使うことで、移動しにくい欠点をカバーできます。
モニター後ろに取り付ける収納スペース
VESA規格を利用したグッズは、モニターを固定するためだけのものばかりではありません。ケーブルや機器などを収納・整理するためのホルダーや、棚として利用できるグッズもあるのでここで紹介します。
モニター背面に収納を増やせるタイプを利用すると、デスク周辺が物理的にも外観的にもスッキリします。鍵付きのボックスもあるので、重要なものを保管したい人にもおすすめです。
また、モニター上部にA4の書類がおけるサイズの棚を設置できるタイプもありますし、Webカメラの設置場所として利用することも可能です。
転倒防止ベルト
VESA規格の取り付け穴を使って、転倒防止ベルトを設置することも可能です。地震などが起こったとき際に、高価なディスプレイやテレビが転倒したら大きく破損してしまいます。その際、あらかじめ転倒防止ベルトを取り付けておけば、機器の破損を防げます。
また、大きな地震が起こった場合は物品が倒れて破損するだけでなく、重量のある物品が大きく移動して人にぶつかることも考えられます。転倒防止ベルトは機器守るだけでなく、人命を守ることにも貢献するのです。
VESA規格を利用した転倒防止ベルトは机などの台に固定するクランプタイプと、壁に固定するタイプがあるので、環境にあわせて活用しましょう。
使っているモニターがVESA規格に対応していなかったら?
「VESA規格のアイテムを利用したいが、使っているモニターがVESA規格に対応していないためアイテムを使うことはできない」という人も少なくないでしょう。しかし、モニターがVESA規格に対応していなくても、VESA規格のモニターアームを使用することはできます。ここではそういった困りごとを解消するアイテムを2つ紹介します。
エレコム モニターマウントホルダー
PC周辺機器を多数扱っているエレコムは、VESA規格に対応していないモニターを、VESA規格のモニターアームで固定できる「モニターマウントホルダー」を販売しています。このアイテムは、13から27インチで厚みが26.5から60mmのモニターに対応。外側からがっしりとつかむようにネジで固定するタイプのため誰でも取り付けが可能です。
なお、モニターによって使用できない場合もあるので、購入前に仕様をしっかりご確認ください。
出典:エレコム モニターマウントホルダー DPA-DPK1327BK
サンワサプライ VESA変換金具
VESA規格には対応しているが、ねじの取り付け穴寸法が違うタイプのVESA規格商品を使いたいと思うこともあるでしょう。そんな時はサンワダイレクトが販売している「VESA変換金具」で解決できるかもしれません。いくつかバリエーションがあるため、持っているモニターやテレビに合わせて活用してみましょう。
ただし、アームやスタンドの耐荷重はしっかりと確認してください。
【まとめ】モニター選びの際はVESA規格に対応しているかどうかもチェックしよう
VESA規格は、VESAという業界標準化団体が策定したモニターの取り付け穴などに関連する規格です。モニターを購入する際にVESA規格に対応したものを選択すると、モニターアームやスタンド、収納アイテムや転倒防止ベルトなどさまざまなグッズが利用できます。VESA規格に沿ってグッズ類を選ぶことによってPCを使う時間が快適になったり、デスク周りの利便性が上がったりします。
このように多数のメリットがありますから、モニターの購入にあたってはぜひVESA規格対応のものをご検討ください。
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