解説
2025.08.08
ゲーミングモニターにおける「応答速度」とは?重要性と選び方のポイント
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ゲーミングPC用のモニターを購入する際、「応答速度」は非常に重要な要素です。特にFPSや格闘ゲームなどのゲームをプレイする人であれば、応答速度を無視することはできません。とはいえ、モニターの応答速度について、「詳しくはわからない」という人方も多いでしょう。
そこで今回は、ゲーミングモニターの応答速度について解説するほか、用途別のおすすめスペックも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
モニターの「応答速度」とはどういった指標?
「応答速度」はモニターのスペックを示す項目のひとつで、画面が切り替わる速さを示します。「速度」という言葉が含まれているため「大きい数値の方が速い」と思う人もいるかもしれませんが、応答速度の数値は小さい方がハイスペックです。
応答速度は画面の色が切り替わるまでにどの程度の時間がかかるかを表す数値なので、小さい数値であるほど画面の切り替わりが速いのです。応答速度の表示単位はms(ミリ秒)なので、例えば2msのモニターより1msのモニターが優秀です。
応答速度が遅いと、画面の色が切り替わるのに時間がかかるため、ゲームの中で起こる動作がぼやけたりぶれたりします。また応答速度が遅いモニターだと、ゲームプレイ中に画面の描画に遅れが発生することもあります。
一方、応答速度が速いモニターであるほど、ゲーム上で動作するキャラクターがぼやけることなく、くっきりシャープに見えます。そのため、FPSや格闘ゲームなど一瞬の判断が勝敗を左右するジャンルでは、特に応答速度は重要です。
応答速度の具体的な数値については、当コラムの「【用途・ジャンル別】応答速度の選び方」の項目で詳しく記載していますのでぜひご参照ください。
応答速度の種類
応答速度はモニター画面の色が切り替わる速度を示すものですが、黒から白、白から黒への変化を表す一般的な応答速度と、中間色から中間色への変化を示す応答速度があるので注意が必要です。
例えばPCのスペック表示で、応答速度1ms(MPRT)と書かれていれば一般的な応答速度を示しますが、1ms(GTG)と書かれている場合、中間色の応答速度を意味します。
モニターの色が切り替わる際には、黒と白の切り替えより中間色の切り替えの方が長い時間を必要とします。そのためモニターを選ぶ際は、1ms(MPRT)のモニターよりも1ms(GTG)の方が高速で色の切り替えが行われると覚えておきましょう。
ゲームの場合、映像が白と黒で構成されていることは少なく、多くの場合中間色がベースです。そのため、ゲーミングモニターの多くは応答速度をGTGで表記しています。ちなみにMPRTはMoving Picture Response Time、GTGはGray to Grayを略したものです。
リフレッシュレートとの関係
モニターのスペックを示す数値には、応答速度だけでなくリフレッシュレートもあります。リフレッシュレートは1秒間に画像を切り替えられる回数を示すもので、Hz(ヘルツ)という単位で表記されます。
例えばリフレッシュレート144Hzと表記されたモニターなら、1秒間に144回の画面切り替えが可能です。応答速度の場合数値が小さいほどハイスペックですが、リフレッシュレートは大きい数値の方がハイスペックです。
応答速度とリフレッシュレートは、ともにモニターを購入する際の重要な検討要素です。リフレッシュレートが高いと画面上の動作がなめらかですが、リフレッシュレートに対して応答速度が遅いと残像が残って描画がぼける現象が起こります。
リフレッシュレートに対して適切な応答速度の計算は簡単で、1/リフレッシュレート値で算出される数値より応答速度が速いことが条件です。例えばリフレッシュレート144Hzの場合、1回の描画にかかる時間は1/144=0.0069秒となります。応答速度を示すms(ミリ秒)は1秒の1000分の1なので、上記の算出値を1000倍する必要があります。つまり、リフレッシュレート144Hzのモニターなら6.9ms以下の応答速度が必要ということです。
この法則で、代表的なリフレッシュレートに対する適正応答速度を以下に記載します。
リフレッシュレートと適切な応答速度
60Hz:16ms以下
144Hz:6ms以下
240Hz:4ms以下
360Hz:2ms以下
このように、モニターの選択にあたっては応答速度とリフレッシュレートの両方に着目することが重要です。
【用途・ジャンル別】応答速度の選び方
この項目では、用途やゲームのジャンル別に、推奨する応答速度を解説します。
【ゲーム用】なら応答速度6ms以下を選ぼう
ゲームプレイを前提としてモニターを選ぶ場合、応答速度6ms以下の機種を選択することをおすすめします。この理由を解説するにはリフレッシュレートの説明が必要です。
一般的なPC用のモニターはリフレッシュレート60Hzであることが多く、文章作成や表計算などの事務作業や、Webや動画の視聴なら60Hzでも十分です。しかし画面上でキャラクターの動きが多いゲームをプレイすると、60Hzではなめらかに表示されにくい実情があります。そのため、ゲームプレイが用途の中心であれば、リフレッシュレートは144Hz以上を推奨します。
しかしリフレッシュレート144Hzの場合、応答速度が6.9msを超えると残像が表れる率が上がります。これらのことから、ゲームプレイを中心に考えてモニターを選ぶなら、応答速度は6ms以下がおすすめです。
FPS・格闘ゲームなどレスポンスが大事なジャンルは1ms以下がおすすめ
ここまでに解説してきたように、モニターの応答速度が遅いと画面の動作がくっきり見えにくく、前の項目ではゲーム用なら6ms以下と記載しました。
しかしひとくちに「ゲーム」といっても、動作が少ないゲームと、高速で画面が切り替わるゲームでは話が異なります。例えばキャラクターの動きが少なく、文字表示が中心のノベルゲームなら6ms以下で十分でしょう。一方、FPSや格闘ゲームではレスポンスの速さが重視されます。そのため、FPSや格闘ゲームを中心にプレイする人、勝敗にこだわる人は、応答速度1ms以下のモニターがおすすめです。
【日常生活用】なら応答速度16ms以下でOK
ゲーム中心ではなく、Web閲覧や動画鑑賞、書類作成などの用途でPCを使用するのであれば、モニターの応答速度は16ms以下で十分です。
もちろん「ハイスペックなモニターが欲しい」と考える人ならより速い応答速度を求めても構いません。とはいえ、応答速度やリフレッシュレートにこだわるほど価格が上がりますし、動画鑑賞や書類制作などの用途で応答速度を上げる意味はほとんどありません。そのため予算や用途を踏まえた日常使いのモニターなら、さほど画面の切り替え速度にこだわる必要はないでしょう。
【まとめ】モニターの応答速度は商品選びで重要な指標!
ゲーミングモニターにおいて、応答速度はストレスなくプレイするための重要な要素であり、FPSや格闘ゲームであれば勝敗を左右する要素でもあります。
そのため、これからゲーム用のモニターを選ぶのであればぜひ応答速度に着目してください。また、応答速度はリフレッシュレートとも密接な関係があります。当コラムではリフレッシュレートと応答速度の適切な関係についても詳しく書いていますので、ゲーミングモニターを購入する際には、ぜひ応答速度とリフレッシュレートの両方に着目してください。
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