インタビュー

2023.02.25

シャドバは“縁”! 選手・運営どちらも大学生の「シャドウバース大学生リーグ」、主人公たちにインタビュー

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 年間賞金総額300万円にも及ぶ大学生限定のeスポーツ大会、「シャドウバース大学生リーグ」。その大会の年間王者決定戦、「シャドウバース大学生リーグGRAND FINALS」が2023年2月4日に開催されました。今回は、異なる立場から大会を盛り上げた2陣営(優勝した大学生チーム、運営を担当した学生実行委員会)にインタビュー。選手サイドと運営サイド、2つの大学生たちの物語を追いかけます。

2023年2月4日に開催されたシャドウバース大学生リーグGRAND FINALS

 『Shadowverse』は、Cygamesが開発・運営するデジタルカードゲーム(DCG)です。プレイヤーはカードを使ってバトルを行い、相手の体力ポイントをゼロにすることを目指します。

決勝戦のあらすじ

出典 Shadowverse公式YouTube

 決勝戦は京都大学vs北海道大学の戦いになりました。京都大学は連覇を狙い、北海道大学は前回大会の決勝で敗れたリベンジに燃えます。初戦は北海道大学のshu-cat選手が先取しましたが、その後、京都大学が3連勝して、5戦終了時点では3-2と京都大学がリードしました。試合開始から2時間が経過した6戦目、京都大学のあらとも選手が勝利し4-2となり、京都大学は優勝にリーチをかけました。

勝利を祈る京都大学のメンバー

 京都大学はえるし選手のネクロマンサーが勝つと優勝決定です。後がない北海道大学はまどか選手のエルフを選びました、『シャドウバース』の今環境においてネクロマンサーのデッキに対してそこまで強い立ち位置ではないと言われているクラスのエルフ ?ではありますが、まどか選手がエルフの持ち味を活かした展開で勝利しました。この勝利で勢いにのった北海道大学は、8戦目も勝利して4-4となります。

 運命の最終戦はネクロマンサー同士の戦いとなりました。優勝に手が届きそうな状況から2連敗でプレッシャーがかかる京都大学のえるし選手ですが、最終戦では特大のダメージを決めて京都大学を勝利へと導きました。

優勝した京都大学チーム

京都大学チーム 優勝インタビュー「オンライン合宿状態」

──優勝おめでとうございます! 本日はかなりの長丁場でしたが、1番大変だった場面はどこでしょうか。

全員 「(5人が声を揃えて)最後の試合ですね」

まお/CxC選手 戦っている本人は当然のこと、応援している僕らもかなり疲れました。

えるし選手 昨年の大学生リーグの決勝戦も最終戦が僕だったんですよ。「またか……」と思いながら、有利対面にも関わらずエルフに負けていたので、かなりメンタルがやられてしまいました。あと実はまだ卒業論文が終わっていなくて、最近あまり練習に参加できていなかったので、かなり苦しかったですが、なんとか最後リーサルが見えて勝ててよかったです。


──正直、対戦中の画面を拝見しているとえるしさんは、自信がなさそうにも見えましたが実際はどうでしょう。

えるし選手 今シーズンは特に自信がなかったですね。やっぱり練習があまりできなかったので。

まお/CxC選手 えるし君があまり練習にあまり参加できていないのはみんな分かっていたんですが、センスもあるし地力も高いとこを本番で発揮してくれました。

──サークルではどのような活動をされていますか。

まお/CxC選手 基本的にはオンラインの通話アプリで画面共有をしながら練習したり、意見交換をしたりしています。

95選手 大会や競技シーンに向けて、メンバー同士で切磋琢磨し合いながら調整してます。

まお/CxC選手 ここ数日はGRAND FINALSに向けて、ご飯とお風呂以外は練習という感じでオンライン合宿状態でしたね。

──優勝賞金100万円の使い道は考えていますか。

まお/CxC選手 みんなでご飯食べにいきたいですね。

95選手 ちょっと生意気かもしれませんが、高い焼肉とか行きたいです(笑)

??みなさんにとっての『Shadowverse』とは。

まお/CxC選手 『Shadowverse』を始めたことで、チームのメンバーや友人と出会えたので“縁”なのかなと思います。

げんぶ/SSS選手 今年1回生なんですが、このサークルの存在は京大受験のモチベーションのひとつでした。

 このサークルに入っていなかったら、ここまでの熱量で『Shadowverse』を続けていなかったと思いますし、やっぱり“縁”なのかなって。『Shadowverse』のおかげでいい1年になったと感じています。

95選手 僕はこのサークルにしか入っておらず、大学内の友人もそんなに多いほうじゃないので、『Shadowverse』をやっていなかったらチームのメンバーに出会えてなくて、平凡な大学生活を送っていたかもしれません。だから『Shadowverse』は僕にとっても“縁”です。

あらとも選手 普通に過ごしていたらこんな大舞台に立つことも、こうやってインタビューを受けることもありませんでした。カメラを向けられながらゲームをする経験は、なかなかできないことだと思うので感謝しています。そういった場に個人ではなくチームで出られたというのは、すごく価値のあるものだと思いますし、繋がりを作れたという意味ではやっぱり“縁”ですね。

えるし選手 このサークルに入って大学生リーグに出ていなかったら、平凡な大学生活を送っていたと思います。予選では毎回3位で悔しい思いをしましたが、グランドファイナルでは2年連続で優勝できました。とても良い経験をさせていただきました。この経験はチームメンバーのおかげだし、やっぱり“縁”かなと思います。

実行委員会へのインタビュー

実行委員会の真木さん(写真左)と渡邊さん(写真右)

──お二人の自己紹介をお願いします。

渡邊さん(以下、初出時以降、人名は敬称略) 千葉工業大学4年の渡邊と申します。学生実行員委員会のリーダーをしています。学生実行委員会の前身となる“広報部”での活動も合わせると約3年ほど携わっています。『Shadowverse』はリリース当初からプレイしていて7年目です。


真木さん(以下、真木) 法政大学3年の真木と申します。学生実行委員会に合流したのは2022年5月です。『Shadowverse』はリリース直後からプレイしています。

──本日は大会の運営スタッフとして、たくさんのメディア取材に対応されているのをお見受けしました。メディア対応で苦労されたことはありますか。

渡邊 何度か取材を受ける中で、同じ回答にならないよう考えるのが難しいです。「昨年、同じ媒体さんでも同じようなことを喋ったから、今年は少し変わったことを喋ったほうがよいのかな?」といった迷いがあり、何についてどこまで配慮をすべきなのか考えてしまいます。

──本来、昨年と同じ質問がきたら同じような回答になるのは仕方ない気もするのですが、渡邊さんはとてもサービス精神旺盛ですね(笑)。真木さんはいかがでしょうか

真木 とても貴重な機会をいただいていると感じています。今日もいろんなメディアさんからの取材があると聞いていたのでとてもワクワクしていました。「え!僕が取材受けていいの!?」という嬉しい気持ちが強く、緊張はほとんどしていませんね。

──大学生実行委員会に参加したきっかけはなんでしょうか。

渡邊 もともとeスポーツ業界に興味があり、この大学生リーグにも選手として参加していました。当時、「やりたいと思ったことはすぐにやろう!」という気持ちで日々過ごしていたので、イベント運営の募集を目にした時すぐに応募していましたね。

真木 僕はすでに大学生リーグ実行委員会がある状態でしたので、メンバーの方に「一緒にやらない?」と誘っていただいたのがきっかけです。

──大変だったことや学びになったことについて教えてください。

渡邊 大学生リーグを盛り上げるための企画をゼロから作っていく仕事を任せてもらえたので、思いついたアイデアを足し算・掛け算して企画書を作っていきました。

 本当にゼロからの企画作りだったので、学生同士のアイデア出しの会議だけでもすごく時間が掛かり大変でした。時間をかけ頑張って作った企画が通らなかったり、企画し始めた2019年はコロナの影響で実現が難しかったり。心が折れそうな時期もありました。

真木 僕は途中から合流した人間なのですが、合流したばかりの時に早速、RAGEで大学生リーグ関連のイベントを出展する企画に携わらせていただきました。初めは仕事としてやっている周りの温度感に圧倒されましたが、求められるものが多くなるほどやりがいを感じていきました。

──運営側として裏方にまわるよりも、自分も選手として参加したいという気持ちになりませんか。

渡邊 選手として出たいという気持ちはありました。ただ将来について考えた時に、運営側の仕事であればこれからもeスポーツと関われると思い、「選手をサポートする側に徹しよう」と気持ちを入れ替えてこの選択をしました。

真木 僕も似ていまして。最初は1プレイヤーとしてゲームを楽しんでいましたが、「上達してプロになりたい」と思った時に、プロゲーマーになる仕組みがあるものの、全員がそこに到達できるわけではないと考えるようになりました。

 そこで自分の興味をモチベーションにできる仕事として、ゲームイベントの運営が1つの選択肢になり今も携わっています。

──実行員会に携わってみて得たもの、また実行委員会での経験を活かして今後eスポーツとどう関わっていきたいですか。

渡邊 実行委員会を通してeスポーツ業界の方々と人脈ができたことで就職の内定をいただきました。経験はもちろん、人脈を作れたことが有り難かったです。

真木 実行委員として関わっていく中で、『Shadowverse』がただ好きというだけではなく、コンテンツ自体を応援したいという気持ちが大きくなりました。自分はゲーム好きでもありますが、コミュニティ運営にも興味があるので、今後は『Shadowverse』を盛り上げるためのPR活動や運営に携わっていきたいです。

大学生活を彩る『Shadowverse』

 取材を通して感じたのは、選手サイドにとっても運営サイドにとっても、『Shadowverse』が大学生活を彩る1つの要素になっているということでした。特に驚いたのは、今年で4年目になる「シャドウバース大学生リーグ」は高校生たちの中で存在感を増しており、大学内の『Shadowverse』サークルの有無が、高校生たちが大学を選ぶ理由の1つになりつつあるということです。選手としての経験、運営側としての経験、eスポーツを通して貴重な経験を重ねた彼らの未来が楽しみで仕方ありません。(eスポーツジャーナリスト・小川)

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■外部リンク

シャドウバース大学生リーグ
https://shadowversecampus.jp/

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