解説
2020.09.10
プロゲーマーになるのに資格は必要?求められるスキルやプロのライセンスを紹介
- 高校eスポーツ
アメリカをはじめ世界各国で爆発的なブームが起こり、近年は日本でもその知名度が高まっている「プロゲーマー」という職業。eスポーツ大会で獲得した賞金などで生計を立てることに、憧れを抱く人も多いのではないでしょうか。
そんなプロゲーマーになりたい!と思ったとき、どうしたらなれるのか?必要な資格はあるのか?などの疑問が浮かびます。そこで今回は、プロゲーマーに関する資格の有無や求められるスキルについてまとめました。
これからプロゲーマーを目指す人にとっては、どれも必ず知っておくべき内容となっているので、ひとつずつチェックしましょう。
プロゲーマーになるのに資格はいらない
プロゲーマーという職業には、正式に定められた資格や免許は存在しません。そのため、eスポーツ大会に出場して賞金などの報酬を得ている人は皆プロゲーマーを名乗ることができます。
必要な資格はありませんが、ゲームの実力を示す指標としては、JeSU(日本eスポーツ連合)が発行している「ジャパン・eスポーツ・ライセンス」があります。このライセンスを所有していることで、プロゲーマーを名乗るだけの実力があることを証明できるほか、JeSU公認の大会に「プロ」として参加する権利が与えられるなどの特典も受けられます。
まずは「ジャパン・eスポーツ・ライセンス」について詳しく見ていきましょう。
プロゲーマーとしての実力を示すことができるライセンスがある
JeSUが発行している「ジャパン・eスポーツ・ライセンス」は、ゲームタイトルごとにそれぞれ発行され、そのタイトルで一定以上のプレイスキルがあることを証明するものです。
現在、以下の14タイトルごとにライセンスが発行されています。
・「eFootball ウイニングイレブン 2020」
・「GUILTY GEAR Xrd REV 2」
・「グランブルーファンタジー ヴァーサス」
・「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」
・「ストリートファイターV チャンピオンエディション」
・「鉄拳7」
・「デッド オア アライブ6」
・「TEPPEN」
・「パズドラ」
・「『ぷよぷよ』シリーズ」
・「BLAZBLUE CENTRALFICTION」
・「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」
・「モンスターストライク」
・「レインボーシックス シージ」
・「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」(※2023年12月に追加)
プロゲーマーになる上で、このライセンスは必ず所有していなければならないものではなく、実際にライセンスを持たずにプロとして活躍している人もいます。しかし、JeSU公認大会などJeSUが関わる場面では所有していると有利になるので、プロゲーマーへの近道のひとつであるといえるでしょう。
ジャパン・eスポーツ・ライセンスには次の3種類があるので、それぞれ解説します。
ジャパン・eスポーツ・プロライセンス
対象者:満15歳以上で義務教育課程を修了している者
賞金など報酬の受け取り:受け取れる
3種類のライセンスの中で所有者がもっとも多いライセンスです。JeSU公認のeスポーツ大会にプロとして出場する権利が与えられ、賞金などの報酬を受け取ることができます。
満20歳未満の方の場合は、発行にあたり親権者の同意が必要です。
ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス
対象者:満13歳以上、満15歳以下で義務教育課程を修了していない者
賞金など報酬の受け取り:受け取れない
「ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス」は、満13歳以上・満15歳以下で義務教育を修了していない、つまりは中学生の人向けのライセンスです。
発行には親権者の同意が必要で、原則として賞金などの報酬は受け取ることができません。
ジャパン・eスポーツ・チームライセンス
対象者:法人化されているeスポーツチーム
賞金など報酬の受け取り:受け取れる
法人化されているeスポーツチームを対象にしたライセンスです。メンバー個人ではなくチームに対して発行される点以外は、ジャパン・eスポーツ・プロライセンスとの違いはありません。
ジャパン・eスポーツ・ライセンスを取得するには?
では、ジャパン・eスポーツ・ライセンスを取得するにはどうすればよいのでしょうか。
ジャパン・eスポーツ・ライセンスには、検定や資格のような試験は存在せず、特にライセンス発行希望者の募集をしているわけでもありません。各地で開催されているeスポーツ大会で好成績を挙げ、JeSUからのオファーを受けて契約を交わした人のみにライセンスが発行されます。
プロゲーマーの証ともいえるこのライセンスの取得を目指して、プレイスキルを磨きましょう。
プロゲーマーになるにはどんなスキルがあると良い?
特別な資格が必要ないだけに、プロゲーマーの世界で活躍するには、「プロ」を名乗れるだけの高いスキルが必要不可欠となります。では、eスポーツのプロには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
ゲームの腕・知識・戦略
正確かつ素早いプレイができるか、ゲームタイトルについての知識を深めた上で効果的な戦略を立てることができるか、というゲーマーとしての基本的なスキルが必要です。
野球やサッカーなど身体を使うスポーツと同じように、練習を重ねてプレイヤーとしての実力を磨いていきましょう。
精神力・集中力
大会のような緊張感のある場面でも自分の実力をフルで発揮するには、精神力と集中力も必要です。こちらも大会などでの実戦経験を重ね、場数を踏んで力をつけていくことが成長への近道です。
柔軟な思考力
その場の状況を冷静に分析し、イレギュラーな場面でも対応できるゲーマーになるためには、思考力も大切な要素となります。これはゲームのプレイに限らず、幅広い学問・分野について学ぶことでも身についてくるものです。
コミュニケーション能力
世界各国で開催されているeスポーツの大会では、個人戦ではなくチーム戦のルールが採用されていることが多くあります。そのため、個人のプレイスキルはもちろん、チームメンバーとの連携・協力も欠かせません。
チームメンバーと円滑にコミュニケーションが取れる能力も、プロゲーマーに求められるスキルといえるでしょう。
SNSを使った情報発信力
現在プロゲーマーとして活躍している人の多くは、動画配信サイトでの生配信や動画投稿、SNSでの情報発信を行っています。この配信活動によって得られる収益も大きいため、ゲーム配信者として人気を集められるか、というポイントは重要です。
外国人とプレイするなら英語力があると良い
チームメンバーが外国人である場合や、日本国外で開催される大会に出場するときのためにも、英語力を身につけておいて損はありません。学校での勉強に留まらず、英語能力を測るテストを受験するなどして積極的に英語に触れ、力を伸ばしていきましょう。
プロゲーマーとして活躍するための英語力を身につけるテスト
資格が必要ない代わりに高いスキルが求められるプロゲーマーですが、ゲームのプレイスキル以外で重要なのが英語力です。
この英語力を身につけるためにおすすめなのが、英語力を測るためのテストを受験し能力を磨くこと。日本で知名度があるテストには「TOEFL」や「TOEIC」などがあります。
今回はこの二つの試験について、それぞれの内容や違い、どちらを受けるべきかの判断基準を解説します。
TOEFL
受験料:245米ドル
テスト開催頻度:月3~6回、年間45回以上
「TOEFL」は、日本では主に英語圏の大学や大学院への留学を目指す人向けのテストです。アメリカの大学を受験する際には基本的にTOEFLのスコア提出が求められるので、世界的にも知名度がある英語の能力試験といえます。
TOEFLは大学や大学院で英語を使って勉強をするための能力を測るテストなので、問題の内容は授業中のシーンなど、TOEICに比べて学術的な内容が多くなっています。将来は海外留学にも興味があるという人におすすめです。
TOEIC
https://www.iibc-global.org/toeic.html
受験料:7810円(税込)
テスト開催頻度:年間10回
「TOEIC」は、英語を母国語としない人を対象に、英語を聴く力・読む力を測るテストです。問題の内容は、日常会話やビジネスの場でのやりとりが中心となっています。
日本での就職活動においてTOEICのスコアを重要視する企業は多く、高得点が取れればとても有利に働きます。将来就職活動をするとしたら日本で、と考えている人におすすめです。
一般的にTOEICと表記される「TOEIC LR」とは別に、英語を話す力・書く力に特化した「TOEIC SW」というテストもあるため、特に英語でのコミュニケーション能力を身につけたいのなら、こちらもチェックしておきましょう。
まとめ
プロゲーマーに求められる主なスキルと、実力の指標となるライセンスについて解説しました。プロゲーマーになるために取得しなければならない資格や免許は存在しませんが、明確な基準がない分、より高くて広範囲なスキルを身につけてプロとしての実力をアピールすることが必要です。
これからプロゲーマーを目指すなら、ゲームのプレイだけでは養えない思考力や、コミュニケーションに欠かせない英語力など、さまざまな分野に目を向けて将来に備えるといいでしょう。
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■外部リンク
JeSU(日本eスポーツ連合)=https://jesu.or.jp/
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