解説
2022.08.08
オンラインゲームを快適に遊ぶための回線速度の目安は? 測り方も解説
- 解説
オンラインゲームをプレーするためには、ゲーム側が求める基準をクリアする高速で安定したインターネット環境が必要です。たとえスペックの高いデバイスを用意しても、通信の品質が悪ければ快適なプレーはできません。本稿では、オンラインゲームを快適に遊ぶために必要な回線速度の目安や、現在使っている回線の速度の測り方について解説します。
オンラインゲームを快適に遊ぶための回線速度の目安は「最低でも下り30Mbps以上」!
オンラインゲームをプレーするなら、最低でも「下り30Mbps以上」の速度が安定して出るインターネット環境が必要です。まずは、自分が現在使っている回線はどのくらいの速度が出ているのか、通信の品質はゲームのプレーに対応できるレベルなのかをチェックしましょう。
回線速度の測り方
現在使っているインターネット回線の速度は、スピードテストができるサイトなどで計測できます。速度を測りたい回線に接続した状態で、PCやスマホから以下のサイトへアクセスしてください。
・Fast.com
https://fast.com/ja/
・USEN GATE 02
https://speedtest.gate02.ne.jp/
・SPEEDTEST
https://www.speedtest.net/ja
計測完了後に”bps”の単位で表示される回線速度によって、自分が使っている回線がオンラインゲームのプレーに適しているかを確認できます。求められる通信速度の目安はゲームジャンルによっても大きく異なるので、自分がプレーしたいジャンルに対応できる速度であることが重要です。
FPS/TPSのようにリアルタイム性が高く、小さなラグがプレー成績に影響してしまうようなジャンルのゲームでは特に高速で安定した回線が必要です。これからインターネット回線の契約を考えている人は、さまざまなジャンルのゲームをプレーする可能性を考えて、安定して100Mbps以上で利用できる環境を整えるのがおすすめです。
ポケットWiFiやホームルーターなどのモバイル回線では100Mbps以上の速度は出ないことが多いですが、光回線なら下り・上りともに安定して500Mbps以上が出ることも珍しくありません。開通工事が可能な環境であれば、迷わず光回線を選びましょう。
回線速度の「上り」と「下り」とは
回線速度を計測したときに表示される「上り速度」は「アップロード速度」を、「下り速度」は「ダウンロード速度」を表しています。
インターネット通信はアップロードとダウンロードを繰り返す流れで行われていますが、SNSやWebサイトの閲覧、動画の視聴といった受け身の用途ならアップロード速度はそこまで重要ではありません。
しかし、データの送信の機会も多いオンラインゲームをプレーするなら、下り速度だけでなく上り速度にもある程度こだわりたいところです。上り速度は、ゲームジャンルにかかわらず以下を目安にしてください。
使う回線によっては、下り速度が速くても上り速度はそれよりも大きく下がることがある点に注意が必要です。下りほどの速度が出ていなくても問題ありませんが、オンラインゲームのプレーを想定するなら上り速度にも注目しましょう。
回線速度の「bps」とは
回線の速度は「bps」という単位で表されます。bps(bits per second)はデータ転送の速度を表す単位で、1秒あたりに何ビットのデータが伝送されるかを示しています。1秒間に1ビットのデータを伝送することができるのが”1bps”です。
インターネット回線の速度を表す単位としては、kbps(キロbps)、Mbps(メガbps)、Gbps(ギガbps)がメインです。1024bps=1kbps、1024kbps=1Mbps、1024Mbps=1Gbpsとなり、数字が大きいほど伝送できるデータ量が多いことを表します。一般家庭向けの光回線は、最大通信速度が1Gbpsとされていることが多いです。
オンラインゲームを遊ぶなら回線速度と一緒に「Ping値」も確認しよう
オンラインゲームのプレーのために回線速度をチェックしたら、同時に「Ping値」も確認しましょう。回線速度が同じでも、Ping値が違えばゲームの動作が大きく変わります!
「Ping値」とは
「Ping値」は、データの送受信にかかる時間(応答速度)を示しています。”ms”の単位で表され、数字が少ないほど応答が速く通信の質が高いです。ゲームサーバーとのデータのやりとりがどのくらいの速さで行われるかによって動作の快適性・ラグの有無が変わるため、ゲーマーの人にとっては回線速度とともに注目したい重要なポイントです!
オンラインゲームを快適に遊ぶためのPing値の目安は「最低でも50ms以下」!
オンラインゲームのプレーするなら、Ping値は最低でも「50ms以下」で安定している必要があります。この目安はゲームジャンルによって大きく異なる部分なので、あらゆるゲームを快適にプレーしたいなら「15?30ms以下」が良いでしょう。
ジャンルによって求められるPing値は異なる
通信速度と同様に、求められるPing値の目安もゲームジャンルごとに異なります。
これからオンラインゲームのためにインターネット環境を整えるなら、どのジャンルでもおおむね快適にプレーできる15?30ms以下で安定している回線を選ぶのがおすすめです。
Ping値はゲーム側のサーバーの影響を受ける
Ping値は使用回線の問題だけでなく、ゲーム側のサーバーの影響を受けて変動することもあるものです。ゲームサーバーがある地域から離れた場所に住んでいる場合には、回線の良し悪しにかかわらずPing値が高くなってしまいます。ゲームサーバーになんらかの不具合が起きている場合にもPing値に影響するので、微妙な変動にはこだわりすぎずあくまでひとつの目安としてください。
回線速度・Ping値が不安定な時にまずチェックしたいポイント
利用中の回線の速度やPing値に不満を感じたら、まずは以下の3つのポイントに注目して改善を試みましょう。
?有線接続を利用しているか
より高速で安定した通信を求めるなら、LANケーブルを用いてルーターと接続機器を物理的につなぐ有線接続の利用が必須です。同じ回線・同じ機器を使っていても、無線接続から有線接続に切り替えるだけで通信の品質が格段に上がることが期待できます! LANケーブルは比較的安価に購入できるので、有線の導入が可能な環境であればぜひ検討してみてください。
?LANケーブルが適したものを使っているか
LANケーブルは製品ごとに規格が異なり、古いものでは最新の回線やルーターに対応できないことがあります。手持ちのケーブルの規格が古い場合は、「CAT6A」・「CAT7」・「CAT8」のいずれかを選んで買い替えましょう。これらの規格は通信速度が10Gbpsを超えているため高性能な回線やルーターのパフォーマンスの邪魔をせず、ノイズの発生も大きく抑えられますよ。
?ルーターを電波の届きやすいところに置いているか
無線接続を利用している場合、ルーターと接続機器の距離が遠すぎたり、間に障害物があったりすると電波が届きにくくなって通信の品質が低下してしまうことがあります。ルーターか接続機器の置き場所を見直し、2つをできるだけ近づけて間に障害物がない状態にしましょう。
どうしても回線速度・Ping値が不安定な時に変更を見直したいポイント
ここまで解説したポイントに注目し対処してもなお回線速度が遅い、Ping値が不安定などインターネット環境に不安がある場合に注目したいポイントを紹介します。これから紹介する内容は、高額なお金がかかったり、回線の契約にかかわったりと、学生だけでは取り組みにくい部分です。必要に応じて保護者に相談しながら検討してみてください。
?ルーターの中継機の導入を検討する
無線接続を利用しており、どうしてもルーターと接続機器を離れた場所にしか置けない場合には、ルーターの中継器の導入がおすすめです。コンセントに挿して簡単な設定をするだけで仲介して電波をより遠くへ届けてくれるので、距離の遠さや障害物が原因での通信トラブルが大幅に改善することが見込めます。
?ルーターそのものの買い替えを検討する
LANケーブルと同様にルーターにも規格があり、古いものでは回線の性能をフルに活かせません。規格は新しいものであっても経年劣化で性能が落ちることもあります。「IEEE 802.11ac」(11ac)の規格のものを探し、ルーターそのものの買い替えを検討しましょう。
?回線そのものの変更を検討する
機器やその周辺の環境がいくら整っていても、回線そのものの品質が良くなければ快適な通信はできません。最終手段として、回線の変更(乗り換え)を検討しましょう。オンラインゲームのプレーに適した環境を求めるなら、ポケットWi-Fiやホームルーターなどのモバイル回線では不安があります。モバイル回線は時間帯による混雑の影響も受けやすいので、コストはかかりますが自宅で開通工事のうえ光回線を導入するのがベストです。オンラインゲームのプレーにおすすめの光回線サービスについては、以下で詳しく解説しています!
「プロゲーマーを目指す人におすすめの高速ネット回線5選! 選び方、速度の上げ方も伝授」
https://esports.bcnretail.com/news/210717_000268.html
まとめ
オンラインゲームを快適にプレーするために必要なインターネット回線に関する情報を解説しました。通信の品質は主に「通信速度」と「Ping値」で測ることができ、オンラインゲームには以下の通信速度とPing値の基準を満たす回線が必要です。
プレーしたいゲームに対して通信速度が遅すぎたり、Ping値が高すぎたりすると、動作不良やラグ発生の原因になりプレーに大きく影響します。デバイスのスペックと同様に、インターネット回線の品質にもこだわって快適なゲーム環境を目指しましょう!
■関連記事
おすすめ関連記事
新着記事
-
コラム
“学生×eスポーツで何か絡みたい社会人” 配信技研 取締役 アユハさん主催の交流イベント「ULPA(ウルパ)」 潜入レポート
2024.11.01
-
新製品
スナドラ8 Gen3 LV搭載 REDMAGIC 独自冷却システムと大容量バッテリーで長時間プレーも安心な12インチゲーミングタブレットをグローバル展開
2024.10.31
-
新製品
35ms低遅延モード・ハイブリッドANC搭載 finalがゲームからエンタメまでこれ一台なワイヤレスイヤホンをREBブランドから発売
2024.10.31
-
大会情報
岡山ではブランド牛を無料提供、徳島にかげっちさんのスト6対戦会が初進出などなど 直近開催のeスポーツ・ゲームイベント特集(10月5週版)
2024.10.31
高校eスポーツ探訪
-
2024.08.02
eスポーツが学校生活の活力に 立正大淞南eスポーツ部「GEEK JAM」 ランクイモータルのプロ志望も入部!? 部員インタビュー
-
仙台城南高等学校
2023.08.12
部活動を通じて磨かれた指導力、知識量、分析力 仙台城南高等学校eスポーツ部 後編
記事ランキング
-
1
サービス
2024.10.25
使うのはドライビングシミュレーター 大阪電通大 eスポーツ競技者の疲労緩和や環境改善サポートへ研究開始
-
2
大会情報
2024.10.29
Riot Games ONE 2024 オフラインイベント内容公開!DFM、ZETA、Fnatic、LEVIATANによるエキシビションなど3プログラム 先行チケット販売中
-
3
解説
2023.04.15
VALORANTの戦績トラッカー「Tracker.gg」、使い方を日本語で解説
-
4
解説
2021.09.28
FPSでよく使われる用語(スラング)一覧|意味や使い方を紹介!
-
5
eスポーツ団体
2024.10.28
鳥取・北栄町がeスポーツで地域活性化 企業版ふるさと納税活用で図書館にeスポーツ設備導入へ まずは高校生を中心とした活動展開を目指す