解説
2022.12.29
「RTA」とは? 意味や人気の理由などを徹底解説、ゲームに新たな楽しみを!
- 解説
「RTA(リアルタイムアタック)」は、ゲームをプレーし始めてからクリアにたどり着くまでのタイムを競う、独特なゲームの楽しみ方の一種です。ジャンルを問わず多くのタイトルでRTAに挑戦するプレーヤーがいて、大規模なイベントも開催されるほど多くの人に注目されています。
今回は、RTAというプレースタイルの概要や人気の理由、挑戦する方法などを紹介します。他者のプレーを鑑賞して楽しむもよし、自身で挑戦し好記録を目指すのもまたよしのRTAの魅力に触れてみましょう。
「RTA(リアルタイムアタック)」とは
「RTA(リアルタイムアタック)」とは、ゲームをはじめからプレーしてクリアするまでの時間を計測し、より速いタイムを目指すというプレースタイルです。その性質から、RTAの挑戦者は「走者」と呼ばれます。
一般的なプレーとは大きく異なる”時間効率を重視したプレー”の面白さや、自由に挑戦できる手軽さから、ゲームの楽しみ方のひとつとして親しまれています。
RTAと混同しやすい「TA(タイムアタック)」との違いは、プレー時間の計測方法です。TAはゲーム内でのプレー時間の情報を記録タイムとするのに対し、RTAはゲーム中に発生するローディングにかかる時間、ポーズをしている最中の時間などすべてを含んだ”リアルの所要時間”を記録タイムとします。
「RTA」と「TAS」の違い
「RTA」は実機の仕様の中で早くゲームをクリアすることを目指すのに対し、「TAS(ツールアシステッドスピードラン)」はゲームエミュレーターの機能である動作のコマ送りやスロー化を駆使しし、無駄のない最適な動きのみを追求して速いタイムを叩き出します。
TASによって出たタイムは理論値に極めて近く、再現不可というわけではないものの実質的に人間の手ではできない超効率プレーの様子を楽しめるのが醍醐味です。タイムを競うものではなく、超高度な操作を再現してスーパープレー映像を作るタイプのものは「TAS(ツールアシステッドスーパープレー)」と呼ばれています。
RTAの特徴とレギュレーション
RTAはどのようにして行われているのか、挑戦の方法やルールの概要を紹介します。
RTAに必要なもの
RTAに挑戦するために最低限必要なのは、ゲーム機・ゲームソフト・カメラ・タイマーの四つです。実機でゲームをプレーしている様子をスマホなどのカメラで撮影して内容の確認ができれば、きれいな映像ではなくてもタイム記録が認められます。
より高品質なプレー動画を作ることも意識するなら、カメラでの直撮り映像ではなくゲーム画面のキャプチャ映像を使いましょう。PCとキャプチャーボードを用意し、ゲーム画面をPC上に表示して画面録画を行うことで、プレー画面をそのまま動画化できます。
RTAの記録として認められるための条件
RTAは個人的に行って楽しむこともできますが、記録として一般に認められるためには他者が確認できる形で公開する必要があります。実際のプレーの様子を全編にわたって確認できる動画を証拠として添え、「Speedrun.com」などをはじめとする集積サイトに登録する形式が主流です。
タイム記録とプレーの様子をまとめて動画サイトに投稿したり、挑戦の様子を生配信してそのまま配信サイトのアーカイブに残したりすることでも記録を公開できます。
なお、走者全員が平等な環境でタイムを競うため、RTAの正式タイムとして認められるのは基本的に実機でプレーした場合のみです。エミュレーター独自の機能を一切使っていない場合でも、実機と異なる環境でプレーしたものは”参考タイム”として取り扱われる点に注意してください。
RTAのレギュレーション
RTAにはレギュレーションがさまざまあり、他のプレーヤーとタイムを競う際はいずれかのレギュレーションに則って計測を行うことが求められます。
中でも代表的なのは、ゲーム中のすべての要素を回収した上でのクリアを目指す「100%」と、達成度は問わずにクリアタイムの速さだけを競う「any%」の2種類のカテゴリです。各タイトルの特性を踏まえた独特なレギュレーションが存在する場合もあるので、興味のあるレギュレーションを探してみてください。
RTAの魅力
RTAにはどんな魅力があるのか、なぜ人気があるのか。考えられる三つのポイントを解説します。
遊んだことのあるゲームの別の一面が見える
多くの人は、「早くクリアしなくては」と常に意識しながらゲームをプレーする機会はあまりないでしょう。それだけに、過去に遊んだことのあるゲームのRTAを見ると、自分ではまったく見えていなかった別の一面が見えてきます。
クリアタイムの速さを何より重視した上でのプレーの様子は、一般的なプレーとは大きく異なる動きを見せていることが多いです。崖スレスレの全力疾走やあえて敵からダメージを受けるなど、一見奇怪な動きも見どころです。他者のプレー映像を楽しむのはもちろんのこと、自分でもRTAに挑戦してみると新たなやりがいが見つかるかもしれません。
eスポーツのような競技性・エンタメ性がある
より速いクリアタイムを目指すというRTAの性質は、本来他のプレーヤーと争う要素が薄いゲームにも高い競技性を生み出しています。eスポーツとして取り扱われることはないタイトルがRTAの種目として大きく注目されている例もあります。
また近年では、ネット上での生配信を利用し、複数人のプレーヤーが同時にRTAに挑戦している様子をリアルタイムで視聴できるイベントも増えています。スポーツの試合を観戦するような感覚でRTAを楽しむ人々が増えており、RTAがひとつのエンタメとして成立しているのです。
RTAコミュニティによる界隈の盛り上がりが顕著
RTAを楽しむ人々のコミュニティは年々規模が拡大しており、日頃のプレーやイベントをより楽しもうとする盛り上がりが顕著に表れています。
日本におけるRTA関連のイベントの中でも特に高い注目度を誇るのが「RTA in Japan」。例年数日間の会期を設けて開催されており(最近で規模が大きいものは夏季と年末開催が多い)、ジャンルを問わず数多くのタイトルのRTAが行われます。イベントの模様はネット上で生配信されており、人気タイトルの配信中には同時視聴者数が6万人を超えることもあるほど大きな盛り上がりを見せるイベントです。
あらゆるゲームが“競技”に
本来他者と争う要素が薄いゲームにも高い競技性を与えるRTAは、ジャンルを問わずさまざまなタイトルで挑戦され幅広い層のゲーマーに愛されている文化です。全走者が平等な環境でタイムを競うため、RTAには明確なレギュレーションが設けられており、正式にタイムとして認められるためには実機でプレーした上でレギュレーションを守る必要があります。また、自分で挑戦はせず、他者のプレーの様子を見ることでRTAを楽しんでいる人も多くいます。これまで触れたことがない方はぜひ好きなタイトルのRTAの様子をチェックしてみてください。
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