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2023.09.01

ゲームにおける「理論値」とは?意味や使い方を解説!

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 ゲームをプレーしていると、「理論値」という言葉を聞くことがあると思います。例えば、音楽ゲームでは「理論値を目指す」といった風に使われます。実は、この理論値という言葉、ゲームジャンルによって意味が異なります。

 ここでは、ゲームにおける理論値という言葉について、ジャンルごとの違いなどを分かりやすく解説します。


ゲームにおける「理論値」とは

 ゲームにおける理論値とは、主に上手くプレーができれば獲得できるスコアの最高値を意味します。例えば音楽ゲームの理論値は、一切ミス(甘い判定を含む)することなくプレーすれば、難しくはあっても実現可能な数値という意味です。つまり音楽ゲームで理論値を実現できる人は、かなりスキルが高いと言えるでしょう。

 ただし、ゲームのジャンルによって異なる意味があるので、詳細は後述の「理論値という言葉が使われるゲームジャンル」の項目で解説します。

 一方、科学や物理の実験で理論値という言葉を使う場合、ゲームの理論値とは意味が違います。例えば物体の移動速度を考える場合に、摩擦や空気抵抗などを考慮しない計算値を理論値と呼びます。しかし実際には、風の吹き方や温度などの微小な要素に影響を受けるので、理論値と実験値が異なることは一般的です、またゲームのような勝敗はないので、「目指す」ものでもありません。

理論値とカンストの違い

 理論値もカンストという言葉もゲームの中ではスコアの最大値を指すことが多いので、会話の中では同じ意味で使っている人もいます。ただし、本来の意味は少し異なるので以下で説明していきます。

・カンストの意味①
 プレーによるスコアが一定値を超えたときにカウンター表示に「9」が並ぶことで最大級のスコアであることを示す言葉です。例えばカウンターの表示桁数が4桁の場合、その表示の最大値は「9,999」です。

 シューティングゲームで仮にその5桁を超えるスコアを出した場合、表示できないのでいったん「0」に戻ってそこにスコアを足していく方法もあります。例えば、実際に1万1000点を出していた場合、表示は「11,000-9,999=1,001」となります。しかしハイスコアランキング上では、上限に到達したとしても表示通りの「1,001」、ランキング圏外となってしまいます。こうした事態を防ぐためなのか、開発者が意図して「9,999」で「カウンターストップ」をして、「最高得点」であることを示す事例も出てきました。これが略語になって広まったのがカンストという言葉です。

 カンストとは、文字通りカウントが止まってしまったという意味です。一方理論値は、必ずしもカンストしたスコアを示すわけではありません。この点が一番大きな違いです。またカンストには「9」が並ぶことの偉大さや大変さというニュアンスが含まれることがあります。

・カンストの意味②
 育成値などの上限を示す数値にカンストという言葉を使うこともあります。実現可能な最高値であることは理論値と変わりませんが、この「カンスト」は1回のプレーでトライするものではありません。むしろ育成を頑張っていけば誰もが達成できる数値なので、目指す数値ではあってもニュアンスがかなり異なります。

理論値という言葉が使われるゲームジャンル

 ここからは、理論値という言葉が比較的使われやすいゲームジャンルを紹介し、それぞれのジャンルで異なる部分を解説します。

音楽ゲーム

 音楽ゲームで言う「理論値」は、流れてくるノーツ(※)をすべて完璧に処理したときに獲得できる最高スコアを指します。そのため、音楽ゲームで「理論値」を出すことは技能の高さの証明でもあります。

 例えば、押すタイミングによって評価がPERFECT、GREAT、GOOD…と続き、ミスがMISSと表示されるとします。全てのノーツをMISSがないように処理した場合はノーミスもしくはフルコンボとなりますが、1つでもGREAT以下が混ざっていたら理論値ではありません。全てのノーツを最高評価であるPERFECTで処理したときのみ、理論値と呼ばれます。

 なお、理論値は分かりやすい目標になるため、ゲームタイトルによっては達成時に特別な演出が加わったり、華々しいマークでリザルトに残ったりします。

※音楽ゲームで言うノーツ(またはノート)とは、画面上に現れるリズムアイコンのことを示します。表示としては矢印(↑→↓←)や〇、△、◇、×などがあり、ゲームによっては異なる場合もあります。

シューティング、アクションゲームなど

 シューティングゲームや、アクションゲームなどで理論値という言葉を使う場合、武器やキャラクターの性能から導き出されるダメージの最高値を示すことが多いです。実際のプレー中には攻撃対象の防御力や相性などさまざまな条件が加味されるので、理論値より高い数値が出ることもあれば、低い数値にとどまることもあります。

 また、キャラクターや武装を組み合わせて理論値的に最強になったとしても、それを使えば必ず強くなれるとは限りません。あくまで理論上は強いというだけで、こうしたジャンルはプレイヤー自身の技能が大きく関わってくるからです。

その他ジャンル

 例えばRTA(リアルタイムアタック)で理論値という言葉を使う場合、エミュレーターを用いて理想的なコース取りなどを検証し、ツールなども使って導き出した最高のタイムを指すことが多いです(ツールを使うタイムアタックのことをTASと呼びます)。

 ただしRTAで使用される理論値は変動が大きい値です。プレイヤーが最適なルートや動作、裏技、バグ技などを発見すれば理論値も変化します。各プレイヤーが出しうる区間ごとの最速値を合計した数値を理論値と呼ぶ場合もありますが、もちろんこの場合の理論値もプレイヤーごとに異なりますし、プレーが上達するたびに変化していきます。

 そのため、RTAにおける理論値は、音楽ゲームやシューティングゲームのように固定値ではないと考えた方がわかりやすいでしょう。

【まとめ】ジャンルなどで違った意味を持つ理論値 話の流れに注目してみよう!

 理論値という言葉の多くは、それぞれゲーム内で理論上実現可能な「最高スコア」という意味で使用されていますが、ジャンルによって意味が異なるので使い方に注意が必要です。

 そしてRTAとなると理論値は、ルートの開拓などによって変化する値になるので、音楽ゲームやシューティングゲームとはかなり意味が違います。理論値という言葉を使ったり、聞いたりするときは、前後の話の流れなどに注目してみると良いでしょう。

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