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2023.11.28

UPS(無停電電源装置)とは?ゲーミングPCと相性が良い理由も紹介

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 ゲーマーやeスポーツプレイヤーの中には、突然の停電に備えてUPS(無停電電源装置)という設備を導入している人が少なくありません。

 UPSは、短時間ではありますが停電時にも電力を供給し、突然電源が落ちてしまってもデータの消失やPCのトラブルを防いでくれる、緊急時に役立つアイテムです。

 ですが、「UPSを知らない」という人や「名前は知っているが、詳しくはわからない」という人も少なくないでしょう。そこでこのコラムでは、UPSを導入する意味やメリット、選定時の注意点などをわかりやすく解説します。

UPS(無停電電源装置)とは

 UPSとは「Uninterruptible Power Supply」の略語で、日本語では無停電電源装置と呼ばれています。PCなどの電気機器のコンセント側にUPSを設置すれば、電源が落ちても、ある程度の時間は電力を供給できるようになります。停電が起きたときやブレーカーが落ちたときなど、電気が突然流れなくなったことで生じるデータの消失など、トラブルを未然に防ぐことができます。

 しかし例えUPSといっても何時間も電源を供給できるわけではありません。時間は機種によって異なりますが、UPSが給電できるのは一般的に数分程度と言われています。UPSの目的はあくまでも突然の停電などによるトラブル発生を防ぐことです。

 UPSを設置していれば、ユーザーはデータの保存やアプリのログアウトなどを行い、PCをシャットダウンする時間を確保できます。

 UPSはPCとコンセント間に設置しておくだけで常に蓄電し続けてくれるので、日常のなかでは何らかの操作をしたり、電源のオンオフをしたりする必要はありません。イメージとしては、蓄電機能がある延長コードのようなものと考えればわかりやすいでしょう。

UPS(無停電電源装置)を個人で導入するメリット


 UPSを導入する一般的なメリットは、突然電源供給が途絶えたことで、データが消えたり、PCとその周辺機器の故障を防止するという点にあります。

 ただし、ゲーマーやeスポーツプレイヤーたちは、少し違った理由でUPSを導入します。過去にPvP(オンラインでプレイヤー同士が対戦すること)で、負けそうになった人が回線落ちして敗北をなかったことにする行為が横行しました。これを受けて近年のPvPのゲームでは、対戦中に回線落ちするとランクを下げるなどの、ペナルティを自動的に科すシステムを導入しています。つまりこれは、故意ではない電源トラブルによる途中脱落でも同じ対応が取られるということです。このトラブルによる回線落ちを防ぐのにUPSが活躍します。UPSは落雷などによる停電への備えに加えて、PvPでのペナルティ回避にも役に立つのです。

UPS(無停電電源装置)を選ぶ際の注意点

 UPSを導入するメリットは理解できました。次にUPSをどのように選べばよいのか、給電方式や出力容量、給電時間や出力波などのパラメーターに着目して解説します。

給電方式に注意する

 UPSには3種類の給電方式があるので、購入時には各方式の違いを把握しておく必要があります。具体的には、ラインインタラクティブ方式、常時インバータ給電方式、常時商用給電方式という3タイプがあります。

 ラインインタラクティブ方式は、通常はコンセントからの電流供給を行いますが、停電が起こったときに瞬時にバッテリーからの給電を開始してくれます。その切り替えのタイミングで一瞬だけ電力が途絶える(瞬断)ものの安定性は高く、一般事務とeスポーツ用途の両方に適しているタイプです。電源の電圧を調整する変圧器を搭載し、場所や接続機器を選ばないのが特徴です。

 常時インバータ給電方式は、本体の内蔵バッテリーに蓄電した電気を常時PCに供給します。停電が起こっても運転を切り替える必要がなく瞬断も生じないので、高い給電品質を誇るとされています。ただしこのタイプは高価なものが多いので、予算にあうかどうかを確認してから検討しましょう。

 常時商用給電方式はラインインタラクティブ方式と同様に、通常はコンセントからの電流供給を行い、停電時にバッテリーへ切り替わり給電します。こちらも切り替え時に瞬断が起こります。ただしラインインタラクティブ方式と違って変圧器がないため、電源の電圧が常に安定していることが推奨されるなど制約があります。軽量コンパクトで、安価、消費電力が少ないというメリットがあります。

PCのスペックに見合った出力容量かどうかを確認する

 UPSは機種によって出力容量が異なります。一般的なデスクトップPC1台をカバーするなら出力容量300W程度のUPSでも良いでしょう。しかし、ゲーミングPCは500Wを超えるものも多いので、その場合300WのUPSでは不十分です。

 この点を踏まえて、UPSの選定に当たっては、まず対象となるPCをカバーできる出力容量があるかを確認しましょう。

バックアップに必要な時間から給電時間を逆算して選ぶ

 ゲーミングPCのデータをバックアップする時間は、一般的には10分程度と言われています。とはいえ、実際にどの程度のデータがあるか、という点で個人差が大きく、細かい予測は難しいのが実情です。

 そのためUPSの購入を検討する際には、データのバックアップをするのにどの程度時間がかかるかを、事前に試しておきましょう。

 UPSの給電時間は数分程度と考えると、バックアップに数十分かかる場合、全てをバックアップするのは難しくなります。その場合、データのバックアップをあらかじめ用意しておき、UPSを使うような緊急時には数分程度で正常にシャットダウンできる状態を作っておくのが現実的です。

 バックアップの必要性については、次の項目で詳しく解説します。

【注意】バックアップは定期的に取ろう

 バックアップとは、PCやスマートフォンのデータを別のメディアに保存しておくことです。今回は停電などの電源消失に対応するUPSを解説していますが、天災などでPCがダメージを受けることもあり得ます。

 そもそもUPSもバックアップも不測の事態に備えるための対策です。大切なデータを失わないためには、曜日や時間を決めてこまめにバックアップを行い、停電時に備えて万全な状態を整えておきましょう。

 バックアップの重要性や方法などをわかりやすく解説したコラムもありますので、こちらも合わせて読んでおきましょう。

→「大事な「バックアップ」とは?PCやスマホなどでデータをバックアップする方法」
https://esports.bcnretail.com/column-interview/commentary/230621_001181.html

出力波に注意する

 UPSは、電力を正弦波で出力するタイプと矩形波で出力するタイプに分類されます。正弦波タイプは波のような波形で電力供給を行い、矩形波はブロック状に電力を供給します。

 矩形波タイプは正弦波タイプより価格が安いので検討要素にあげたいところですが、Active PFC搭載の電源ユニットを使ったPCの場合、機能しないことがあります。PFCとは電源ユニットの高性能化や省電力化を可能にする回路の一種で、ゲーミングPCに利用されていることが多いです。

 そのため確実にUPSを機能させたいなら正弦波タイプを選びましょう。矩形波を検討する場合、使用しているPCの電源ユニットが対応可能かどうかを必ず確認してください。

個人でUPS(無停電電源装置)を導入する際におすすめの商品


 この項目では、個人でUPSを導入する際におすすめしたい機種3選を紹介し、価格や概要、商品としての強みなどを解説します。

おすすめ①CyberPower SL550UJP

SL550UJP(商品ページから引用)


メーカー:CyberPower
商品:SL550UJP

公式商品URL:https://www.cyberpower.com/jp/ja/product/sku/sl550u_jp

550VA/330W 矩形波 常時商用

 電源消失時の対策として役立つだけでなく、サージ保護によってPCを守ることにも貢献します。サージ保護とは、雷などで起こる異常な高電圧や高電流からPCなどの機器を守る機能のことです。

おすすめ②APC SMT750J E

SMT750J E(商品ページから引用)


メーカー:APC(シュナイダーエレクトリック)
商品名:SMT750J

公式商品URL:
https://www.apc.com/jp/ja/product/SMT750J/apc-smartups%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96750va%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC100v6x-nema-515r-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88smartslotavrlcd/

750VA/500W ラインインタラクティブ給電 正弦波

 グリーンモード搭載で消費電力を押さえられる上に、電圧をオートコントロールすることでバッテリの劣化も防ぎます。そのため製品寿命も4~6年程度と長めです。また、ディスプレイの表示がカタカナにできるので、英語表記のみの機種より見やすいメリットもあります。

おすすめ③APC Smart-UPS 1500J E

Smart-UPS 1500J E


メーカー名:APC(シュナイダーエレクトリック)
商品名:SMT1500J

公式商品URL:
https://www.apc.com/jp/ja/product/SMT1500J/apc-smartups%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%961500va%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC100v8x-nema-515r-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88smartslotavrlcd/

ラインインタラクティブ給電方式、正弦波、最大出力容量1500VA/980W

 1500VA/980Wと最大出力容量が大きいので、大容量の電源ユニットを組み込んだゲーミングPCへの対応も可能です。コンセント数が8個あるので、出力に余裕があれば他の機器も接続できます。さらに、高効率グリーンモードもあるので、消費電力が少ない点も魅力です。

個人でもデータ消失を避けるならUPSの導入を検討しよう!

 UPSを導入すれば、突然の停電にも対応できるだけでなく、大切なデータを守り、PCとその周辺機器の故障も防ぐことができます。

 eスポーツプレイヤーなら、対戦中の回線落ちによるペナルティ回避にも役立ちます。さらにサージ保護機能がついたUPSなら、落雷による故障リスクも低減してくれます。
 
 万が一に備えておきたいというプレイヤーは、この記事を参考に導入を検討してみましょう。そして、この機会にデータのバックアップの重要性を認識し、日頃から定期的にバックアップを取る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

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