解説
2024.05.02
「ゲーミングキーボード」とは?普通のキーボードとの違いやおすすめモデルを紹介
- 解説
ゲームをプレーするための専用キーボード、ゲーミングキーボードについて解説します。ゲーミングキーボードを使用すると、通常のキーボードとは比べものにならないほどプレーが快適になることも少なくありません。
今回はゲーミングキーボードに興味がある人に向けて、ゲーミングキーボードの種類や構造、おすすめのモデルなどをわかりやすく紹介します。
「ゲーミングキーボード」とは
ゲーミングキーボードとは、ゲームプレーに特化したゲーム専用のキーボードです。一般的なキーボードとは押し心地が異なったり、特殊な機能が付いていたりするほか、長時間使用しても疲れにくい仕様となっているのが特徴です。
また、種類も非常に多く、好みに合ったゲーミングキーボードを選べるのもポイントです。
ゲーミングキーボードと普通のキーボードの違い
ゲーミングキーボードと普通のキーボードとでは構造や機能が異なります。具体的には、キーボードとはキー入力構造が違っていたり、普通のキーボードにはない便利な機能が搭載されていたりします。
もちろん、ゲームをプレーするのは普通のキーボードでも可能です。しかしながら、多くのゲームでは瞬間的かつ細やかなキー入力を求められることが多く、普通のキーボードではそのような素早い入力には対応できません。
対して、ゲーミングキーボードはキーの押し心地が軽やかで、入力の反応速度を上げるための機能がいろいろと搭載されています。そのため、とっさのキー入力にも素早く反応してくれます。
自分に合ったゲーミングキーボードを選ぶポイント
自分に合ったゲーミングキーボードを選ぶためのポイントとして、「サイズ」「接続方法」「構造/軸」「機能」の4つについて解説します。
ゲーミングキーボード自体のサイズ
ゲーミングキーボードのサイズはモデルによって異なりますが、現在では以下の三つが主流です。
・フルサイズキーボード
ファンクションキーやテンキーがついている一般的なキーボード
・テンキーレスキーボード
テンキーが省略されたキーボード
・60%キーボード
テンキーだけでなくファンクションキーやナビゲーションキーも省略されたキーボード
一般的には、キーボードの数が多ければ多いほど使い勝手はよくなりますが、その分大きくなるため、置き場所が必要になります。十分なスペースを確保できる人にはフルサイズ、キーボードのスペースを抑えたい人であればテンキーレスや60%キーボードがおすすめです。
ゲーミングキーボードの接続方法
ゲーミングキーボードの接続方法は一般的なキーボードと同じく「有線タイプ」と「無線タイプ」の二つがあります。ここではゲームプレーにおけるそれぞれのメリット・デメリットについて簡単に解説します。
有線
有線のキーボードはPCとコードでつながっているため、ゲームの遅延や電池切れを気にすることなくゲームを楽しめます。また、送信データ量も多く打鍵時の反応速度も速いため、遅延も少ない傾向なので安心感があります。
コード類が邪魔に感じるときがあるのがデメリットです。
無線(ワイヤレス)
ワイヤレスのキーボードなら、置き場所を気にする必要はありません。コードがない分、しまうのも簡単です。、コンパクトなゲーム環境をつくりたい人やこまめにキーボードの周辺を掃除したい人にはおすすめです。
しかし、無線タイプのキーボードは入力の遅延やプレー中に電池切れになる心配があります。
どちらを選ぶかは最終的には好みの問題です。突き詰めてゲームをプレーする人には有線タイプ、気軽にゲームを楽しみたい人には無線タイプが向いているでしょう。
無線タイプは、ゲームをやりこめばやりこむほど、遅延(ラグ)が気になります。特にFPSなどの対戦ゲームではコンマ数秒の差で勝敗が分かれてしまうことも珍しくありません。
コンマ数秒を争うようなスピード感のあるゲームをプレーしないなら気軽に取り出せて、すぐにしまえる無線タイプの方が扱いやすいです。最近の無線キーボードは非常にコンパクトなモデルが多く、引き出しや隙間に保管しておけば、スペースも取らないので邪魔にはならないでしょう。
キーボードの構造
一般的なキーボードの構造には主に「メンブレン」「メカニカル」「静電容量無接点方式」の3種類に分けられます。ここからは各キーボードの特徴について解説します。
メンブレン
シートスイッチという基板を使用しているキーボードで、一般的に最も普及しているのがメンブレン式のキーボードです。ラバーカップが使用され、打鍵時の押し心地はゴムを押しているような感触です。
安価なタイプが多く、学校や会社で使っていたという人も多いでしょう。また、値段による性能差が大きいのも特徴で、性能の悪いメンブレンキーボードは「ゴムが詰まるような押し心地の悪さ」と表現されることもあります。スピードを要するタイピングやタッチタイピングには不向きです。
性能の良いそれなりのメンブレンキーボードであれば、後述するメカニカル式よりも打鍵音が小さく、使い勝手も悪くありません。
メカニカル
各キーの内部に軸があり、キースイッチが独立しているのがメカニカルキーボードです。軸の色によって押し心地やキーの重さ、打鍵音が変わるのが特徴で、好みによって調節できる余地があるのが特徴です。また、メンブレン式に比べると耐久性に優れ、長く使用できるキーボードともいわれています。
強いて難点を述べるとすれば、軸の種類によっては打鍵音が大きくなるので、職場など、静音性が求められる環境には不向きになることがある点です。
静電容量無接点方式
キー内部の電極同士の距離が変化したときに発生する静電容量によってキー入力を検知するキーボードです。
通常のキーボードは電極が物理的に接触してキー入力を検知しますが、静電容量無接点方式のキーボードでは物理的な電極の接触がありません。そのため、タイピング時の打鍵音が他タイプのキーボードに比べてはるかに小さく、高速タイピングなどにも適しています。また、押し心地が軽いため長時間の使用でも疲れにくく、接触不良などのエラーも発生しにくいです。
非常に高性能なキーボードなので、他タイプのキーボードに比べて値段は高めです。
キーの軸の種類
先ほど紹介した三つのキーボードのうち、メカニカルキーボードには熱狂的なファンが多いと言われています。その理由は、キー内部の軸によって押し心地が大きく変わり、好みに合ったキーボードを選べるからです。
そのメカニカルキーボードのキーの軸として広く出回っているのは、ドイツのCHERRY社製のスイッチ。1983年の開発以来、多くのキーボードにはCHERRY社の軸(メカニカルスイッチ)が使用されてきました。ここでは、そんな長く愛されているCHERRY社の各軸について特徴を解説します。
青軸
青軸は押し心地が軽めで、押したときにカチッとしたクリック音が鳴ります。他軸に比べてキーを押した実感が湧きやすく、独特の入力感を味わえます。音の出るキーボードが好きな人、軽い押し心地が好きな人におすすめです。
ただし、静かな職場で使用してしまうとクリック音が部屋中に響き渡るので注意が必要です。
赤軸
赤軸も押し心地が軽く、長時間の使用でも疲れにくい軸です。初めてメカニカルキーボードを使う人におすすめすることの多いバランス型の軸で、ゲームだけでなく幅広い用途に適しています。押したときのクリック音はなく、静かな環境でも使いやすいです。
とりあえずメカニカルキーボードを使ってみたい、そんな人にはエントリーモデルとして赤軸をおすすめします。
茶軸
茶軸も赤軸と同じく幅広い用途に適しています。赤軸との違いをあげるとすれば、茶軸はキー入力時のクリック感が大きく、入力した感が強く出ます。
このあたりは個人によって好みの分かれるポイントです。確実にキーを入力したという感覚が好きな人には茶軸がおすすめです。
銀軸
銀軸は軸の中では比較的新しいタイプで、昔からメカニカルスイッチを使っている人にはなじみがないかもしれません。赤軸を高速入力に対応させたような仕様と言われており、キーの反応速度がかなり速くなっています。また、他の軸に比べて銀軸はキーストロークが短く、素早い入力を要するゲームをプレーする人に向いています。
ただし、使いこなすには若干の慣れが必要です。はじめてメカニカルキーボードを使う人であれば、実店舗などで実物をさわってから購入を検討するとよいでしょう。
ちなみに、キーボードのスイッチ特性には「リニア」「タクタイル」という種類があります。
・リニア
キー入力時に引っかかりがなく、滑らかな入力感のスイッチ特性
・タクタイル
キー入力時に引っかかりがあり、確かなクリック感のあるスイッチ特性
上記4つの軸であれば赤軸/銀軸がリニア、青軸/茶軸がタクタイルという分類になります。
ゲームジャンルに沿った性能を有しているか
ではキーボードの話に戻りましょう。ゲームのジャンル次第では、ゲーミングキーボードに搭載されている各機能がしっかり実装されているかを確認しておく必要があります。ここでは、ゲーミングキーボードに必要となる主な機能について解説します。
キーロールオーバー
キーロールオーバーは異なるキーを同時に入力したときに、何個まで認識できるのかを示す指標です。ゲームによってはキーを複数同時に入力することは珍しくないため、キーロールオーバーは最低限備えておきたい機能です。
このとき、「6キーロールオーバー」のようにキーロールオーバーできる個数が数字で示されている場合もあれば、「Nキーロールオーバー」といったように全キーの同時入力に対応している場合もあります。
ただし、従来の一般的なUSB接続では6キーロールオーバーが限界であったため、Nキーロールオーバーの場合はPS/2接続(古いキーボードなどでみかける丸い端子のコネクタでの接続)を行うタイプが多いです。一般的なゲームであれば6キーロールオーバーであっても十分すぎるスペックでしょう。
マクロ機能
ジャンルに問わず、多くのゲームでは複数のボタンを同時に押したり、一連の流れでコンボ入力したりすることが多いです。そのような場合に、複数の同時押しやコンボ入力を一つのキーに覚え込ませる機能のことをマクロ機能といいます。
非常に便利な機能で、使いこなすと入力に要する労力や時間が大幅に削減できます。ただし、非常に強力な機能なので、ゲームによっては使用が禁止されている場合もあります。マクロが禁止されているオンラインゲーム次第では、BANされることもあるので、プレーするゲームでマクロの使用が許可されているかどうかは事前にしっかりと確認しておきましょう。
アンチゴースト
アンチゴーストは複数のキーを同時入力したときに、意図していないキー入力の信号認識を防止する機能です。大抵は前述したNキーロールオーバーとセットで記述されていることが多く、「Nキーロールオーバー アンチゴースト機能」といった文言で書かれています。
ゲーミングキーボードでは最低限備えておきたい機能なので、購入時にはキーロールオーバーと一緒に確認しておくとよいでしょう。
ゲーミングキーボードの機能は、あればあるに越したことはないのですが、機能を加えていくほど値段も高くなり、その全てを使いこなせないことも多いです。最低限、「キーロールオーバー」と「アンチゴースト」の二つは押さえておきたい機能です。
外見が好みか
現在のゲーミングキーボードにはさまざまな見た目のモデルが販売されています。キーボードの薄さや外観、色を比較しながら、自分の好みに合ったキーボードを選びましょう。
キー内部のバックライトLEDによってキー全体が輝く「いかにもゲーミングキーボード」というタイプのモデルも根強い人気があります。このようなキーボードでは、専用ソフトをインストールすることによりバックライトLEDの配色を変えられるモデルもあります。
もちろん、バックライトLEDをOFFにして普通のキーボードとして使うこともできます。
それぞれの目的別おすすめゲーミングキーボード
ゲーミングキーボードには多くのモデルが存在するため、どれを選んでよいかわからない人も多いでしょう。ここでは、各目的別におすすめのゲーミングキーボードを紹介していきます。
どのゲーミングキーボードを選んでよいかわからない人は参考にしてください。
ゲーミングキーボードが初めての人におすすめ!高コスパモデル
商品名 Logicool G213 PRODIGY
価格(2024年5月時点) 7920円
URL https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/products/gaming-keyboards/g213-rgb-gaming-keyboard.920-009875.html
概要:メンブレン/フルサイズ/有線
強み:耐水/耐久性を備え、メンブレンでありながらメカニカルに匹敵するほどの上質な押し心地
コストパフォーマンスに優れており、とりあえずゲーミングキーボードを使ってみたい人におすすめのモデル。メンブレンながらメカニカルにも劣らない押し心地で、長時間のタイピングを行っても疲れにくい仕様です。
また、ゲーミングだけでなく普段使いにも適しており、バックライトLEDをOFFにして事務用のキーボードとして使用することもできます。
汎用性が高いゲーミングキーボード
商品名 Logicool G PRO リニア
価格(2024年5月時点) 1万6150~1万6830円
URL https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/products/gaming-keyboards/pro-mechanical-gaming-keyboard.html
概要:メカニカル/テンキーレス/有線
強み:GX REDリニアスイッチの軽い打鍵感。コンパクトであり高性能
赤軸リニアならではのスムーズな押し心地が人気のモデルです。世界のトップeスポーツアスリートと共同開発されたこともあり、ゲーム用途では汎用性の高いモデルです。テンキーレスのコンパクト仕様でUSBも着脱式のため、大会やイベントなどへの持ち運びも簡単です。
FPSプレイヤー向けのゲーミングキーボード
商品名 STRIX SCOPE TKL/SV/JP(X802)
価格(2024年5月時点) 18980円
URL https://jp.store.asus.com/store/asusjp/ja_JP/pd/ThemeID.4850018000/productID.5381101400
概要:メカニカル/テンキーレス/有線
強み:大きめのCtrlキーがFPSをプレーしているときに重宝。反応速度重視の銀軸
FPSプレイヤー向けに開発されたモデルで、マウスの動かしやすさを考慮したテンキーレス仕様が特徴です。使用頻度の高い左Shiftキーを大型化することで視認性を高め、他キーの誤入力を防止しています。
反応速度が速くストロークも短い銀軸仕様なので、一般向けというよりはゲーミングに特化したキーボードです。
MOBAプレイヤー向けのゲーミングキーボード
商品名 GX1 KEYBOARD / X1UC13
価格(2024年5月時点) 3万3000円
URL https://www.realforce.co.jp/products/X1UC13/
概要:静電容量無接点方式/テンキーレス/有線
強み:静電容量無接点方式と静音スイッチにより打鍵音が小さくゲームに集中できる仕様
静電容量無接点方式のキーボードとして有名なREALFORCE東プレシリーズのゲーミング特化版です。キーのオン位置を30段階に調整できるDual-APCが搭載され、専用アプリケーションを用いることでキーごとの個別設定も可能です。
REALFORCE東プレシリーズで最もキータッチが軽い仕様といわれており、長時間ゲームをプレーしても疲れにくい仕様となっています。
【まとめ】自分に合ったゲーミングキーボードを選ぼう
ゲーミングキーボードは実際に触ってみないと、使いやすいかどうかいまいちわかりにくいのが難しいところです。人によってプレースタイルや指の長さ、手の大きさも異なるので、「このモデルが最高」と断言することはできません。可能であれば店舗で実物に触れてみて、そのうえで相性がよいと感じたら購入を検討するのが得策と言えます。
近くにゲーミングキーボードの置いてある店舗がなければ、レビューなどをみながらじっくり検討してみましょう。相性の良いゲーミングキーボードと出会うことができれば、プレーの快適性も劇的に高まります。この記事の情報を参考に、一番使いやすい自分だけの「最高のキーボード」を探してみましょう。
関連記事
なぜPCゲームの移動は「WASD」?理由や操作性を向上させるポイントを解説
おすすめ関連記事
新着記事
-
コラム
“学生×eスポーツで何か絡みたい社会人” 配信技研 取締役 アユハさん主催の交流イベント「ULPA(ウルパ)」 潜入レポート
2024.11.01
-
新製品
スナドラ8 Gen3 LV搭載 REDMAGIC 独自冷却システムと大容量バッテリーで長時間プレーも安心な12インチゲーミングタブレットをグローバル展開
2024.10.31
-
新製品
35ms低遅延モード・ハイブリッドANC搭載 finalがゲームからエンタメまでこれ一台なワイヤレスイヤホンをREBブランドから発売
2024.10.31
-
大会情報
岡山ではブランド牛を無料提供、徳島にかげっちさんのスト6対戦会が初進出などなど 直近開催のeスポーツ・ゲームイベント特集(10月5週版)
2024.10.31
高校eスポーツ探訪
-
2024.08.02
eスポーツが学校生活の活力に 立正大淞南eスポーツ部「GEEK JAM」 ランクイモータルのプロ志望も入部!? 部員インタビュー
-
仙台城南高等学校
2023.08.12
部活動を通じて磨かれた指導力、知識量、分析力 仙台城南高等学校eスポーツ部 後編
記事ランキング
-
1
サービス
2024.10.25
使うのはドライビングシミュレーター 大阪電通大 eスポーツ競技者の疲労緩和や環境改善サポートへ研究開始
-
2
大会情報
2024.10.29
Riot Games ONE 2024 オフラインイベント内容公開!DFM、ZETA、Fnatic、LEVIATANによるエキシビションなど3プログラム 先行チケット販売中
-
3
解説
2023.04.15
VALORANTの戦績トラッカー「Tracker.gg」、使い方を日本語で解説
-
4
解説
2021.09.28
FPSでよく使われる用語(スラング)一覧|意味や使い方を紹介!
-
5
eスポーツ団体
2024.10.28
鳥取・北栄町がeスポーツで地域活性化 企業版ふるさと納税活用で図書館にeスポーツ設備導入へ まずは高校生を中心とした活動展開を目指す