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2024.08.14

ゲーミングPCの電源ユニットの選び方とは?電力目安や電気代なども解説!

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 電源ユニットはPC全体の使用電力量を決定づけ、ゲーミングPCの安定動作を実現するためにはしっかりと選定する必要がある大切なパーツです。ゲーミングPCのランニングコストを大きく左右する重要なポイントでもあるのですが、意外と選び方を知らないという人も少なくありません。

 そこで今回は、PCの電源ユニットの重要性や役割を解説し、ゲーミングPCに必要な電源容量の考え方も紹介します。またワット数ごとのおすすめ電源ユニットも紹介するので、ぜひ最後まで読んで適切な電源ユニット選びの参考にしてください。

PCの電源ユニットとは


 PCの電源ユニットには、コンセントから供給される交流の電力を、PCで使用できるように直流に変換し、安定的に電力供給を行う役割があります。

 PCの構成パーツは直流でなければ動作しません。また、パーツによっては12V、5V、3Vと電圧も異なり、それぞれに適した電力を供給しなければPCは正しく動作できません。仮に不適切な電源ユニットを搭載してしまうと、それが原因で故障を引き起こすこともあります。

電源容量が十分でない電源ユニットを選ぶデメリット

 PCの電源ユニットを選ぶ際には、「電源容量」という項目を重視する必要があります。

 電源ユニットは最大消費電力の2倍を目安として電源容量を選ぶことが基本とされています。電源容量が不足した状態で動作を続けていると、フリーズや電源落ちなどが増えて、適切な動作ができないうえに、機器の故障につながります。高価なゲーミングPCを使っている場合、故障によって修理費も高くつく可能性があります。

 また、修理中にはプレーができなくなる。ここもeスポーツプレイヤーにとっては大きな痛手です。さらに、フリーズなどのトラブルが対戦中に起きた場合は戦績にも響き、チームプレー中だった場合は仲間に迷惑をかけることになります。

 動画配信中にPCの不具合が起きると、せっかくの視聴者も動画を見てくれなくなってしまうかもしれません。

 こうした可能性を考えると、安定的に電源を供給できる電源ユニットを選択するのは、eスポーツプレイヤーや配信を行うクリエイターにとっては特に重要だと言えます。

じゃあどう選ぶ?電源ユニットは「80 PLUS」認証に注目!

 ではどのように電源ユニットを選べばよいのか。そんな時に便利なのが「80 PLUS」認証です。これは、電源ユニットの電源変換効率の良さを示す指標の一つ。国際的に定められた「80 PLUS」プログラムによって基準が定められているので、日本国内だけでなく世界各国で利用されており、信頼できるものと言えます。

 「80 PLUS」は、PCを動作して20~100%の負荷がかかったときに、電源変換効率80%以上を維持できる製品に対して認証されています。また、認証の中にもスタンダード、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタニウムの6段階のランクが用意されています。スタンダードであれば各負荷の段階で電源変換効率80%ですが、ゴールドなら50%負荷の際に90%、チタニウムであれば負荷数値によらず90%以上の効率を維持するとされています。

 電源変換効率が良いと、電源ユニットが発する熱量が少なくなるので、結果的に周辺のパーツの劣化を抑えてPCの寿命を長くすることができます。また、PC内部の温度を低く保つことができれば、その分冷却ファンの稼働も少なくできるので、省エネと静音に貢献します。

 これらの点を踏まえて、電源ユニットを選ぶ際は、80 PLUS認証を受けている製品を選んでみましょう。

BTO PCや自作PCを組むなら電源ユニットを選べる

 一般的にPCを購入するユーザーは完成品を購入することが多く、電源ユニットを選ぶという経験をする人はむしろ少ないかもしれません。

 一方でBTO PC(受注生産PC)を発注したり、PCの自作を考えたりする人は電源ユニットの選び方にある程度の心得があるのではないでしょうか。さらに言えば、「eスポーツの勝率を少しでも上げたい」「プレー中の快適性をもっと向上したい」と考えている人も、パーツ一つひとつに何らかのこだわりをもっているはず。eスポーツプレイヤーの中には、電源ユニットまでしっかり考えたい、と思う人が少なからず存在しているのです。

ゲーミングPCに必要な電源ユニットの電源容量目安

 

 この項目では、ゲーミングPCに必要な電源ユニットの電力容量について解説します。

基本はシステム最大消費電力の2倍が目安

 PCの電源ユニットは、最大消費電力の2倍を目安として選ぶのがセオリーとなっている、というのは前述の通りです。もう少し詳しく説明してきましょう。

 例えば、最大消費電力が250Wであれば、500W以上の電源容量を持つ電源ユニットが適切な製品となります。2倍を目安とする理由は、電源ユニットの多くが50%程度の負荷を負った際に、最も効率よく動作するように設計されているためです。

 そのため、各パーツに必要な電力量に対して余裕がない電源ユニットを使用していると、常に高い負荷を受けながらPCが動作することになり、各部品の寿命を縮めてしまうことになるのです。

 なお、電源容量が不足したままPCを動作させると、動作が不安定になります。場合によっては起動しているアプリケーションが落ち、PCそのものがフリーズしたり電源が落ちたりもします。そもそもPCが起動できなくなることもあるので、電源ユニットのW数が少ないとeスポーツを十分に楽しむことができません。特にゲーミングPCは一般的なPCよりも大きな負荷を受けやすいので、電源容量に余裕を持っておいた方が良いでしょう。

 ただし、電源ユニットの電力容量は、大きいほど良いというわけでもありません。前述したように、電源ユニットは50%程度の負荷で使用するときに最適な効率で動作するように設計されているからです。常に低い負荷で動くように電源容量に余裕をもたせるとフリーズなどが起こりにくく安定感はありますが、電力の無駄が生じるので、極端に余裕を持たせることはおすすめできません。

搭載しているCPUとGPUのTDPから逆算できる

 なお、電源ユニットの電源容量は、CPU(中央演算処理装置)とGPU(グラフィックボード)のTDP(Thermal Design Power:熱設計電力)から算出することができます。

 ただし、計算するには各CPUやGPUのTDP値を確認しなければなりません。PC周辺機器を販売しているサイトでは、それらが表記されている他、電源ユニットの推奨ワット数を算出してくれるシミュレータを掲載しているところもあります。上手く活用してみましょう。

ゲーミングPCは月にどれぐらいの電気代がかかる?

 次に、ゲーミングPCにかかる毎月の電気代を、電源ユニットのクラス別に算出してみましょう。まず1時間当たりの電気代は、以下の式で概算できます。

ゲーミングPCの1時間当たりの電気代 = 電源ユニットの電源容量 × 時間とkWh当たりの単位料金 × 補正値

・時間とkWh当たりの単位料金には目安単価とされている31円/kwhをいれます。
・電源ユニットは最大消費電力の2倍を目安にすると仮定して、補正値として0.5をかけます。

 ロースペックのゲーミングPCなら電源容量は500W程度が一般的。ハイエンド機なら1000W程度の電源ユニットを搭載しています。この最小、最大値に加えて、その中間である600W、750W、850Wも含めて5種類の電源ユニットを搭載したゲーミングPCの電気代について以下に表でまとめてみました。


 上記を見ると、ハイスペックになるほど電源容量が大きいので、その分電気代もかかることがわかります。つまり、スペックが高いゲーミングPCはパフォーマンスが高い一方で、使用電力も大きくなることを踏まえておきましょう。

ゲーミングPC向けの電源ユニット


 最後にこの項目では、電源容量ごとにおすすめの電源ユニットを紹介します。(商品の価格は、2024年8月現在のものです)
※紹介する商品はゲーミングPC用に用途を限定しているわけではなく、あくまで当サイトにてゲーミングPC用途でも使用できると判断したものも含まれています。

~600Wのおすすめ電源ユニット

・商品名:CX550
・メーカー:CORSAIR
・価格(2024年8月時点):6760円前後
・公式商品URL:https://www.corsair.com/jp/ja/p/psu/cp-9020277-jp/cx-series-cx550-550-watt-80-plus-bronze-atx-power-supply-jp-cp-9020277-jp

・概要:電源容量550Wで、80PLUS認証でブロンズを取得。5年メーカー保証が付くなどサポートも充実しています。熱コントロール式の120mm静音ファンを搭載し、低ノイズでの冷却を可能にしています。

600W~700Wのおすすめ電源ユニット

・商品名:KRPW-BK650W/85+
・メーカー:玄人志向
・価格(2024年8月時点):8564円前後
・公式商品URL:https://www.kuroutoshikou.com/product/detail/krpw-bk650w-85-.html

・概要:電源容量650Wで、80PLUS認証でブロンズを取得。フラットケーブルなどを使ったプラグイン仕様で、配線がスッキリと収まります。本体がコンパクトなので組み立て時の配線作業がしやすい点もメリットです。また、静音ファンを搭載しているのでPC起動時の騒音を低減できます。

700W~800Wのおすすめ電源ユニット

・商品名:MAG A750GL PCIE5
・メーカー:MSI
・価格(2024年8月時点):12980円前後
・公式商品URL:https://jp.msi.com/Power-Supply/MAG-A750GL-PCIE5

・概要:電源容量750Wで、80PLUS認証でゴールドを取得。ATX3.1(3.0)に対応し、システム全体の2倍の電力に対応できるなど許容量が大きいです。さらにモジュラーケーブル設計により、システムに必要なケーブルのみを使用する事が可能です。使用しないケーブルを保管するためのケーブルバッグが付属します。保護機能も豊富に搭載されているなど、安心して利用できます。

800W~のおすすめ電源ユニット

・商品名:Hydro g pro atx3.0(pcie5.0) 1000w
・メーカー:FSP
・価格(2024年8月時点):24970円前後
・公式商品URL:https://www.fsplifestyle.com/jp/product/HYDROGPRO1000W_GEN5.html

・概要:電源容量1000Wで、80PLUS認証でゴールドを取得。変換効率が90%以上という高水準です。日本メーカー製のコンデンサーを使用しており、高品質です。切替スイッチによって、電源負荷が30%以下になったときにファンを停止して、省エネと静音性を高めています。

【まとめ】電源ユニット選びはPCの起動に関わる大事なポイント!

 電源容量に余裕がないと、フリーズなどの不具合が起きやすくなります。電源ユニットを選ぶ際には、電源容量に余裕を持たせて購入し、安定したPCの動作を目指してみましょう。

 また、極端に安い電源ユニットを使用すると、正しく組み上げたのにPCが起動しないということもあります。そんなときは、すぐに飛びつかず、レビューなどを参考にしながら、しっかりと検討してみましょう。

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