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2024.05.06

ゲーミング向けのマザーボードとは?役割やハイエンドモデルを紹介!

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 マザーボードはPCの主要なパーツを組み付ける基盤。マザーボードの選択は、ゲーミングPCの性能決定に大きく影響します。とはいえ、一般的にはマザーボードを選択する機会は少ないので、「適切な機種の選び方がわからない」という人も少なくないでしょう。

 そこで今回は、マザーボードの概要や構成要素を紹介した上で、選ぶときにチェックすべきポイントを解説します。ゲーミングPC向けのハイエンドマザーボードも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

マザーボードとは

 マザーボードとは、CPUやメモリ、電源ユニットやストレージ、グラフィックボードなど、PCの重要な部品を接続する基盤のことです。

 マザーボードの種類によって接続できるパーツが異なるので、PCを自作するときなどは、注意して選択する必要があります。また、物理的な大きさから交換しにくいパーツなので、将来的な拡張性を考えておくことも重要です。

マザーボードのチップセットの種類

 チップセットとは、マザーボードに組み込まれる集積回路で、メモリやCPUの制御や管理を担当します。CPUとその他のパーツの橋渡しとして機能することから、ブリッジと呼ばれることもあります。

 チップセットにはIntel社製とAMD社製があり、それぞれが複数の種類を出しています。Intel製には、PCへの負荷が低くエントリーモデルに適したHシリーズ、ビジネス用途に適したBシリーズ、ゲーミングPCやクリエイティブな作業に適したZシリーズなどがあります。

 一方AMDは、エントリーモデル向きのAシリーズ、動画視聴に適したBシリーズ、ハイスペック機向けのXシリーズなどを出しています。

 IntelでもAMDでも上記のアルファベットのあとに数字が付与され、数字が大きいほど新しい世代のCPUに対応ていることを示します。例えばZ590は第10、11世代のCoreプロセッサに対応しますが、Z690は第12世代に対応します。

マザーボードの性能差

 マザーボードは、チップセットが同じでもかなりの性能差が出てくるのが一般的です。

 例えば、CPUの選択肢はマザーボードのCPUソケットによって限定され、メモリ性能もマザーボードに左右されます。また、ディスプレイ出力やオーディオ関連、LANの有線/無線の違いなどもマザーボードの選択で決まります。

 そのほか、冷却性能もマザーボードのグレードで差が出ます。ゲーミングPCはCPUやGPUなどにハイスペックなものを使うこと、高負荷で稼働することなどから発熱量が大きく、PCの内部が高温になりがちです。プレー中に高負荷を受けていれば、CPUは90℃にも達すると言われていますから、ゲーミングPCの構成を考えるときに、冷却性能は重視しておきたいポイントになります。

 つまり、マザーボードの性能差はゲーミングPCのスペックを決定づけると言っても過言ではありません。

マザーボードを選ぶタイミング

 PCにあまりこだわりがなく、既に組み上がったものを購入する人はマザーボードのことを気にする必要はないでしょう。しかし、eスポーツプレイヤーなら「より多く勝ちたい」「もっとパフォーマンスを上げたい」という気持ちから、PCを構成するパーツにも目を向けるようになり、結局マザーボードの選定から始まるという人は多いです。

 そんな人がPCを買い替えようと思い立てば、BTO PC(受注生産PC)を発注したり、PCを自作したりすることも選択肢に入ってくるでしょう。マザーボードを選ぶタイミングはおそらくそのときです。

 前述したように、どのようなマザーボードを選択するかでゲーミングPCのスペックもある程度決まってしまうので、eスポーツプレイヤーにとってマザーボードの選定は大変重要なものになります。しかし、それだけに「選ぶのが楽しい」と考えるPC自作ユーザーも多いようです。

マザーボードを選ぶ際のチェックポイント5つ


 この項目では、マザーボードを選ぶ際に、事前に知っておくと便利なポイント五つをそれぞれ解説します。

(1)CPUソケットの種類

 マザーボードにはCPUソケットという部分があります。CPUはPCの頭脳に当たる箇所なので、CPUソケットの選択も同じく重要です。

 例えばLGA1151というソケットはIntelの第6~7世代のCPUに対応しています。第12~14世代のCPUを使うならLGA1700、第11世代ならLGA1200というように、CPUソケットの選択によって使用可能なCPUの世代が決まります。

 この点はIntel、AMD、どちらのCPUでも同じです。ソケットの選択によってPCの性能の大部分が固まってきます。

(2)サイズ(フォームファクタ)

 フォームファクタとは、マザーボードの大きさや構成を示す規格です。デスクトップPCであれば一般的に、大きい方から、E-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ATXの4種類があります。

 ATXはフルタワーPCやミドルタワーPCに用いられるフォームファクタで、他
より端子数が多いのが特徴です。そのため、将来的に拡張を考えている人にはATXがおすすめです。また、価格的にもリーズナブルなのがATXの魅力です。E-ATX は、Extended-ATXの略称で、ATXよりさらに大きいサイズです。ちなみにE-ATXとATXの最大拡張スロット数は7個となっています。

 MicroATXはATXより少し小さく、ミドルタワーPCのマザーボードとしてよく用いられます。Mini-ATXは最も小さいので、小型のPC用という位置づけです。最大拡張スロット数は、MicroATXが4個、Mini-ATXが1個です。

(3)メモリスロット

 メモリスロットはメモリを差し込む場所のことで、スロットが多いほどメモリモジュールを多く装着できます。スロット数は2~4本程度が一般的ですが、ゲーミングPCなどのハイスペック機なら、6本以上用意されていることも珍しくありません。

 メモリには専用の規格「DDR」という物があります。現在の主流はDDR5なので困ったらDDR5に対応したスロットを選択しましょう。さらに、動作クロックというMHzで示す数値が大きいほどデータの転送速度が速いので、可能であれば動作クロック値が大きいものを選びましょう。

(4)インターフェース

 ゲーミングPCを組むならグラフィック性能では妥協したくはありません。そこで気にしてほしいのが、データの伝送速度が早いPCI Expressというインターフェースです。ハイスペックなグラフィックボードを使いたい人はPCI Express×16と記載のあるものがおすすめです。

(5)ゲーミング目的のマザーボードは「ハイエンドマザーボード」を選ぼう

 マザーボードの選び方は用途によっても変わります。ゲーミングPCの場合、一般的なマザーボードでは動作に遅れが生じる可能性があります。グラフィックを含めてかなり重い処理に長時間耐えうる設計が必要となるほか、冷却性能も重視しておきたいところです。

 このため、ゲーミングPC用のマザーボードなら、ハイエンドマザーボードと呼ばれる物を探してみましょう。

ゲーミングPC向けのマザーボード


 この項目では、ゲーミングPCに適したマザーボードを、Intel用とAMD用に分けて紹介します。(おすすめ製品は、2024年5月現在のものです)
※紹介する商品はゲーミングPC用に用途を限定しているわけではなく、あくまで当サイトでゲーミングPCに適したスペックと判断した製品になります。

Intel用ハイエンドマザーボード

 ここではIntel用のハイエンドマザーボードを3点紹介します。

ASUS TUF GAMING Z790-PRO WIFI

画像は製品ページから引用、以下同


・商品名:TUF GAMING Z790-PRO WIFI
・メーカー:ASUS

・公式商品URL:https://www.asus.com/jp/motherboards-components/motherboards/tuf-gaming/tuf-gaming-z790-pro-wifi/

・概要:フォームファクタはATX、チップセットはIntel Z790、CPUソケットはLGA1700。耐久性や冷却性にも配慮されており、組み立てやすさ、ノイズキャンセリングなど多数の工夫が盛り込まれています。

MSI MAG Z790 TOMAHAWK WIFI


・商品名:MPG Z590 GAMING CARBON WIFI
・メーカー:MSI

・公式商品URL:https://jp.msi.com/Motherboard/MAG-Z790-TOMAHAWK-WIFI

・概要:フォームファクタはATX、チップセットはIntel Z790、CPUソケットはLGA1700。冷却性能が高いので、長時間の高負荷でも安定動作を維持します。また、音質の良さも売りにしており、ゲームプレーの臨場感を高められます。

ASRock マザーボード Z790 LiveMixer


・商品名:90-MXBK10-A0UAYZ
・メーカー:ASRock

・公式商品URL:https://www.asrock.com/mb/Intel/Z790%20LiveMixer/index.jp.html

・概要:フォームファクタはATX、チップセットはIntel Z790、CPUソケットはLGA1700。動作クロック数3600MHz以上で高速転送が可能です。レイテンシの低減に配慮した設計でマウスやキーボードの低遅延を実現しています。

AMD用ハイエンドマザーボード

 ここでは、AMD用のハイエンドマザーボード2点を紹介します。

MSI MEG X670E GODLIKE


・商品名:MEG X670E GODLIKE
・メーカー:MSI
・公式商品URL:https://jp.msi.com/Motherboard/MEG-X670E-GODLIKE

・概要:フォームファクタはE-ATX、チップセットはAMD X670E、CPUソケットはAM5。X670Eで高負荷のオーバークロックに対応、DDR5でメモリの高速化にも対応します。六つの冷却機構を搭載し、効率的な冷却が可能です。

ASUS ProArt X670E-CREATOR WIFI


・商品名:ProArt X670E-CREATOR WIFI
・メーカー:ASUS

・公式商品URL:https://www.asus.com/jp/motherboards-components/motherboards/proart/proart-x670e-creator-wifi/

・概要:フォームファクタはATX、チップセットはAMD X670E、CPUソケットはAM5。DDR5を強化してメモリのパフォーマンスを上げています。PCIe5.0の拡張スロットがあるので複数のグラフィックスカードに対応可能です。

【まとめ】マザーボード選びから妥協しないことで満足のいくゲーミングPCを組み立てよう

 マザーボードはCPUやメモリ、電源ユニットやストレージなどを組み付けるために必要な、いわば建物の基礎のようなもの。そのためゲーミングPCを自作する際や、BTO PCを発注する際には、マザーボードの選択が重要な意味を持ちます。

 マザーボードの構成要素や仕様を決定する基準などは耳慣れないものも多く、初めてマザーボードを選ぶ人にとってはわかりにくい点もあるかと思います。ぜひこの記事を参考にして、自分の思い描くPCにぴったりなマザーボードを選びましょう。

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