解説
2025.01.01
程よく高画質で扱いやすい!ディスプレイの「WQHD」とは?FHD・4Kとの違いや強みを解説 オススメモニターも紹介
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ディスプレイの解像度を表す言葉のひとつに「WQHD」があります。しかし、WQHDがどのような位置づけなのかがよくわからない人や、FHDや4Kとの違いなどを把握していない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、WQHDについて解説していきます。ぜひディスプレイを選択する際の参考にしてください。
ディスプレイの「WQHD」とは?
冒頭でも紹介の通り、「WQHD」とはモニターの解像度を示す言葉です。
2024年現在、最も一般化していると言われているのはフルHD(1920×1080ピクセル)で、WQHDはその一つ上の位置付けです。ピクセル数としては2560×1440と表されます。また、高解像度を表す言葉として知られている4Kは、WQHDよりも一つ上で、ピクセル数は3840×2160で表されます。
ピクセルとは、デジタル画像を構成する最小単位のこと。PCの画面表示を近くでよく見てみると、細かいドットの集合が特定の色を発しています。何らかの画像をモニター上に描画するときに、少数の大きなドットで表す画像より、同じ画面サイズの中に多数の小さなドットで表現する方が細かい描画ができます。
つまり、フルHDよりピクセル数が多いWQHDの方が、同一の画面サイズに対して細やかな画像を描くことができるのです。
一般的なモニターの解像度の種類と普及率
ここでは、一般的なモニターの解像度の種類と日本国内での普及率を記載します。
※2023年9月の日本国内普及率は、アメリカのWeb統計調査会社「statcounter」 の発表を参照しました。
statcounter 2023年9月のモニター解像度別日本国内普及率
ただし上記の調査では4Kと8Kは「Other」に含まれているため、「個別の数値発表なし」と表記しています。
上記の表で分かるように、2023年9月現在の日本国内で、最も普及率が高いディスプレイはフルHDで、全体の1/4を超える状況です。これは、PCのモニターだけでなくテレビにも利用されていることが関係しています。
一方WQHDは全体の約4%なので、決して普及率が高いとは言えない状態です。とはいえ、WQHDがフルHDより機能的に劣っているわけではありません。ゲームプレイヤーにとっては注目すべき特徴が複数あります。
次の項目ではFHDや4Kと比較しながら、WQHDの特徴やメリットを解説していきます。
FHD・4Kと比較したWQHDのメリット
この項目では、WQHDをFHDや4Kと比較しつつ、メリットを紹介します。
4KよりもGPUの負荷が少ない
4KはWQHDよりも高解像度なディスプレイとして知られています。ただし、解像度が高いということは、映像処理を行うGPU(PCの画像処理を受け持つユニット)にも負荷をかけることになります。言い換えると、4Kのポテンシャルを生かして綺麗な画像を描画するためには、ハイクラスなグラフィックボードが必要ということになります。
また、仮に解像度が4KのディスプレイをノートPCに搭載した場合、ディスプレイによるGPUへの負荷をカバーするためにPC自体のスペックを高くする必要も出てきます。PCそのものが高価になりますから、誰もが購入するには難しいハイエンドな商品としてリリースされることになるでしょう。
一方WQHDであれば、フルHDより解像度が高くても、4KほどGPUに大きな負荷をかけません。そのため、メモリのスペックも一般的な範囲で済み、PCの価格もそれほど上がりません。つまり、WQHDはフルHDより美しい画像を、4Kよりも気軽に楽しめる点で優れています。
人によっては4Kよりも日常生活における実用性が高い
4Kは大画面で美しい映像表現が魅力ですが、PCのディスプレイとして選択されがちな27インチ以下のサイズでは、文字が非常に小さく描画されます。そのため、テキストデータを多く扱う仕事や、文字の表示が多いゲームでは、文字を判読しにくいデメリットも出てきます。
この問題に対処するためには、解像度を下げて文字を大きく表示させる方法がありますが、そうなると4Kを導入した意味が薄れます。
その点WQHDは、4Kほど文字判別が難しくなることは少なく、FHDより美しい画像を楽しめます。この点を踏まえてPC用のディスプレイについて考えると、WQHDは人によっては4Kより実用性が高いと言えます。
FHDよりも綺麗に映像を楽しめる
WQHDは、FHDの約1.8倍の解像度を有しており、FHDよりも画像が綺麗です。それでいて、4Kほど画像描画時の負荷を要求しないため、例えば、リフレッシュレート144Hz程度でも、ゲーム中の映像の荒さが気にならない程度でかつ、PCに負荷がかかりにくいメリットがあります。
FHDよりも表示範囲が広い
WQHDがFHDの約1.8倍の解像度であると同時に、デスクトップ領域を広く利用することができるという利点もあります。これによって、複数のアプリを同時に開いても、画面上に並べて見やすく配置できます。
つまり、WQHDはゲームや画像関連だけでなく、オフィスワークでも作業効率の向上が期待できます。
WQHDのモニターを選ぶ5ポイント
ここからは、WQHDのモニターを選ぶ際に注意したい5つのポイントを紹介します。
(1)パネルの種類
ディスプレイの液晶パネルには、TN、IPS、VA、OLEDの4種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、適性を知ったうえでニーズに合ったものを選びましょう。
・TN
安価でありながら応答が早いのでFPS向きですが、美しい映像表現を求めるのには不向きです。
・IPS
TNより応答速度が劣りますが、それ以外はバランス良くまとまっており「迷ったらIPS」と考えてもOKです。
・VA
描画力には自信がありますが、応答速度は他に劣るので、FPSや格闘ゲームなどの速度勝負のゲームには向きません。
・OLED
応答速度が高いながらも美しい映像表現を得意とします。ただし価格が高いので、予算的に可能なら検討しましょう。
(2)応答速度とリフレッシュレート
応答速度とリフレッシュレートは画面の描画速度を左右するので、ゲームプレイヤーにとっては重要なファクターです。特にFPSプレイヤーにとって、応答速度の理想は1ms以下です。
リフレッシュレートは1秒間に何回画像を表示できるかを示す値です。解像度をWQHDで固定するなら120Hz以上が目安です。また、ゲームプレーに重点を置くなら、できれば144Hz以上あると良いです。
(3)モニターのサイズ
WQHDを仕事で使うなら27インチがおすすめです。27インチなら文字が見やすく、ラインアップも豊富なので選択しやすいサイズです。
ただし、机上に置けるほどの余裕がない場合、1ランク落として24インチを選択するか、モニターアームなどを利用して、画面を設置できる方法を探してみましょう。
(4)各種調整機能(高さや角度など)
目の疲労軽減などを考えるなら、モニターの高さや角度の調整機能にも着目すると良いでしょう。また、ピボット機能があればモニターの縦長使いができるので、縦スクロール回数を少なくして業務効率を上げることもできます。さらに、スマートフォンとPCで連動している縦長のゲームプレーでも高価を発揮します。
(5)その他の機能
モニターを選ぶ際にはインタフェースが何かを確認しましょう。WDHDなら多くの場合HDMIかディスプレイポート、あるいはUSBです。
ほかにも、ゲームをプレーする前提で、暗所補正や鮮やかさ補正、残像やカクツキの低減などを機能として備えている機種もあるので、プレー環境を整えるためにもぜひ着目してください。
暗所補正は暗い部分を明るく表示することで、ゲームプレーを円滑にする機能です。多くのモニター製造企業が取り入れていますが、視認性は会社ごとに大きく変わります。そのため、実機を見るなどして補正のレベルを確認してみましょう。
残像の低減は、特にFPSをプレーする人にとって重視される機能です。「黒挿入」という技術で画像のくっきり感を増して残像を防ぐのですが、応答速度が速くなったように錯覚することもあるほど、効果を感じられることもあります。
WQHDのおすすめモニター(2024年4月時点)
ここからは、2024年12月現在のおすすめWQHDモニターを紹介していきます(画像はいずれも製品ページから引用)。
3万円以下のおすすめWQHDモニター
・商品名:JAPANNEXT JN-27IPSG165WQHDR
・参考価格(2024年12月時点):2万9300円
・公式商品URL:https://jp.japannext.com/products/jn-27ipsg165wqhdr?srsltid=AfmBOooN_IsLFyN4tgB6p1mbBdN_6rAC_nTtqP-oX9f82M31kdiHFUbd
・概要:27インチ/応答速度1ms/リフレッシュレート165Hz/パネルタイプ:IPS。2W x2のスピーカーを内蔵。
3万円~5万円のおすすめWQHDモニター
・商品名:アイ・オー・データ:GigaCrysta EX-GDQ271JA
・参考価格(2024年12月時点):4万3122円
・公式商品URL:https://www.iodata.jp/product/lcd/gaming/ex-gdq271ja/index.htm
・概要:27インチ/応答速度0.2ms/最大リフレッシュレート180Hz/パネルタイプTFT。Clear AIM機能でブレを低減、NVIDIA G-Syncで画像のズレを防止。
5万円以上のおすすめWQHDモニター
・商品名:ASUSゲーミングモニター TUF Gaming VG27AQL3A
・参考価格(2024年12月時点):7万2574円
・公式商品URL:https://www.asus.com/jp/displays-desktops/monitors/tuf-gaming/tuf-gaming-vg27aql3a/techspec/
・概要:27インチ/応答速度1ms/最大リフレッシュレート180Hz/パネルタイプ:IPS。リフレッシュレート180Hz、応答速度1msでFPSやレーシングゲームにも対応。G-Sync搭載で画像のブレやちらつきを除去。
【まとめ】WQHDモニターは用途によっては良いところ取りのおすすめ解像度!
解像度WQHDのモニターについての概要やFHD、4Kとの比較などを行いました。また、WQHDモニターを選ぶ際のポイントや、2024年12月時点のおすすめモニターを紹介しました。
WQHDはFHDより高画質でありながら4Kほど高価ではなく、4Kの欠点である文字の判別しにくさもほとんど問題になりません。またゲームの画像の描画速度を重視しても4KのようにGPUに負荷をかけないので、仕事用としてもゲーミングモニターとしても「良いところ取り」とも言える位置づけと言えます。
モニターの買い替えを検討中であれば、ぜひWQHDも検討してみてはいかがでしょうか。
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