解説

2025.01.02

PCゲームには欠かせない 「ディスプレイポート」とは?HDMIとどっちがゲームに向いているかなどを解説!

記事をシェア
エックス
フェイスブック
ライン

 映像転送ケーブルの種類として代表的なものに、「ディスプレイポート」があります。ディスプレイポートはPCやゲームの分野では広く利用されていますが、家電などの分野では利用頻度が低いため、「用途やメリットがわからない」という人も多いのではないでしょうか

 そこで今回は、ディスプレイポートの概要や特徴について解説し、HDMIとの比較も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ディスプレイポートのイメージ

ディスプレイポート (DisplayPort・DP)とは?

 「ディスプレイポート(DisplayPort)」とは、PCとディスプレイを接続して映像や音声を伝達するためのインタフェース規格の名称です。略して「DP」と記載されることもあります。

  ディスプレイポートの規格を設計したのは、アメリカのVESA(Video Electronics Standards Association)というインタフェース関連の業界標準化団体です。ディスプレイポートは比較的新しい規格とされていますが、リリースされたのは2005年。そのため、2024年現在で、すでに20年近く利用されてきた実績があります。

 同様のディスプレイケーブルに用いられる規格である「DVI」や「HDMI」、「VGA」より性能が高いことや、そもそもPC関連のニーズに向けて開発されたことなどから、ゲーム関連の用途でも幅広く利用されています。

 ディスプレイポートは、信号を転送する際に「マイクロパケット方式」と呼ばれる手法を利用しています。HDMIやVGAはデータを映像信号として分解しながら転送しますが、ディスプレイポートは分解せず、むしろまとめながら転送することで高画質への対応を実現しています。

 ちなみに、ディスプレイポートの規格には1.2、1.4、2.0、2.1という主に4種類があります。1.2は最大解像度が4K@60Hz対応最大リフレッシュレート240Hzですが、1.4は8K@60Hzで最大リフレッシュレート360Hz、2.0にいたっては8K@120Hzで最大リフレッシュレートは540Hzです。この高リフレッシュレートが実現できているのもマイクロパケット方式で転送していることによります。

 リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に何回画面を書き換えるかを指す指標です。一般的なディスプレイはリフレッシュレート60Hzがほとんどなので、ディスプレイポート1.2の240Hzでも4倍も早いことになります。もちろん実際の画面描画はケーブル以外のハードウェアのスペックも関連するので、ディスプレイポートケーブルを使うだけで高速描画できるわけではありませんが、リフレッシュレートで、少なくともディスプレイポート規格の性能差がわかりやすくなるでしょう。

ディスプレイポートのメリット

 ディスプレイポートを使用するメリットは、リフレッシュレートが高く、大容量のデータを早く送ることが可能な点にあります。これによって、高解像度の画面表示に対応できます。

 また、DVIケーブルは映像の伝送だけに特化しており、音声を伝送することができないので、オーディオケーブルとセットで使用する必要があります。一方、ディスプレイポートは映像と音声を同時に転送できるため、省配線に役立ちます。

 さらに、PCのポートに接続するコネクタに物理的な突起があることで、コードの抜けが起こりにくい点もディスプレイポートのメリットです。

ディスプレイポートの注意点

 前の項目でディスプレイポートは画像と音声を同時に転送できると書きましたが、接続対象によっては音声を送れない場合があります。そのため、ディスプレイポートの使用を前提とするのであれば、ディスプレイなどもディスプレイポート対応の機器を選びましょう
 また、ディスプレイによっては、電源を切ったあとやスリープモードになったあと、解像度設定が変わってしまうことがあります。この点もディスプレイの仕様によるので、音声の件とあわせて購入時に確認しましょう。

ディスプレイポートとHDMIの違いとは? 

HDMIのイメージ


 この項目では、ディスプレイポートとHDMIの違いについて、性能、価格、形状、ライセンスの四つの視点から解説します。

・性能
 基本的にディスプレイポートはHDMIよりリフレッシュレートが高く、最大解像度も上です。そのため性能が高いのはディスプレイポートです。とはいえ、HDMIも4Kまで対応できるケースもあるのでで、8K以上の出力を行う場合には、HDMIとディスプレイポートの性能差が大きく出てきます。

・価格
 ケーブルの価格はメーカーや商品によって異なるので一概に比較はしにくいのが実情です。2024年12月現在、平均的にはHDMIのケーブルよりディスプレイポートのケーブルの方が高価な傾向です。

・形状
 ディスプレイポートは接続部に突起があり抜けにくく、安定性が高いことが特徴の一つと言えます。一方、コネクタ部分を押して外す必要があるため、HDMIコネクタの方が抜き差ししやすいと考える人もいるでしょう。

・ライセンス
 ディスプレイなどを製造している企業は、HDMI規格の端子を利用する際にライセンス料を払う取り決めがあります。一方、ディスプレイポートはライセンス料を払わなくても済むように作られたため、企業はディスプレイポート規格の端子を利用してもライセンス料を払う必要はありません。

 この点はエンドユーザーにはあまり関係ないようですが、PC関連でディスプレイポートが広まったことにはライセンス料が関係しているとも言えます。

ディスプレイポートとHDMI以外の映像伝送用インタフェース

DVI-Dのイメージ


 この項目では、DVI-DやDVI-I、D-Subなどの映像伝送用インタフェースについて解説します。

DVI-D・DVI-I

 「DVI」はDigital Visual Interfaceの略で、PCからディスプレイに映像信号を送るためのインタフェースです。DVIの登場以前はアナログ信号しか伝送できないVGAが主流でしたが、1999年にDVIが規格化されたことで、デジタル伝送が可能となりました。また、DVIはVGAより電気的なノイズが乗りにくく、画質や解像度の向上に貢献しています。

 DVI-DのコネクタはDVI24pinとも言われており、デジタル信号だけに対応します。一方のDVI-IのコネクタはDVI29pinと言われ、デジタルとアナログの両方に対応しています。

D-Sub

 「D-Sub」とはD型subminatureの略語で、「超小型」という意味をもっています。1952年にアメリカで開発された規格で、1969年にはアメリカのMILという規格に登録されています。それによって広く利用されるようになり、その後国際電気標準規格(IEC)で標準化されて世界の各地で利用されるようになっていきました。

 D型という名称は、コネクタのシールド部がアルファベットの「D」に似ていることから名付けられたとされています。

 D-Subはアナログ接続用の規格なので、世の中にデジタル転送のニーズが増えて以降はDVIやHDMIに主流の座を明け渡しましたが、価格的にリーズナブルなことから、2024年現在でも多くの場面で使用されています。

ゲームをするならディスプレイポートとHDMI、どちらを選ぶべき?

 ゲームをプレーする人やeスポーツをプレーする人には、HDMIよりもディスプレイポートの方がおすすめです。

 PCやゲームの分野でディスプレイポートの規格が利用されることが多いこともそうですが、ゲームプレー時に恩恵があるのがディスプレイポートである、というが主な理由です。
 

 たとえば一部のゲーミングモニターには「G-Sync」と呼ばれる機能が搭載されており、G-Syncはディスプレイポートのケーブルでないと対応できません。G-Syncは、グラフィックボードの世界的シェアを持つNVIDIAが開発した機能で、ゲーム中の激しい動きでも画面のカクつきや遅れが起きにくくなる効果をもたらします。これはPC用途に特化したディスプレイポートだから対応できる機能と言えます。

メインモニターにはディスプレイポートとHDMI、どちらを選ぶべき?

 240Hzに対応可能なゲーミングモニターをメインに採用しているのであれば、ディスプレイポートがおすすめです。リフレッシュレートが高いとゲーム中の高速動作でも動きが滑らかになり、視認性も高まります。相手をいち早く補足する必要があるFPSや、1フレームが勝敗を分ける格闘ゲームなどスピード重視のゲームをプレーする人なら、ディスプレイポートのポテンシャルを有効活用できるでしょう。

 一方、一般的なモニターの対応リフレッシュレートは60Hzなので、この場合ディスプレイポートを使うメリットは特にありません。ディスプレイポートのケーブルは平均的にほかの規格のケーブルより高価なので無理をして購入する必要もないでしょう。

おすすめのディスプレイポートケーブル (2024年12月時点)

ディスプレイポートのイメージ

サンワサプライ:KC-DP15K

・商品名:KC-DP15K
・参考価格(2024年12月時点):3850円
・公式商品URL:https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=KC-DP15K

・概要:ディスプレイポート規格Ver.1.2対応。ケーブル長1.5m。伝送速度最大21.6Gbps。最大4K(3840×2160)の解像度表示可能。ノイズ対策としてツイストペア線(芯線を2本ずつよりあわせたもの)を採用。

エレコム:CAC-DP1430BK

・商品名:CAC-DP1430BK
・参考価格(2024年12月時点):3278円
・公式商品URL:https://www.elecom.co.jp/products/CAC-DP1430BK.html

・概要:ディスプレイポート規格Ver1.4対応。ケーブル長3m。伝送速度最大32.4Gbps。8K映像出力に対応。PCのひとつの端子から、複数のディスプレイに映像出力可能なマルチストリーム機能に対応。デジタルコンテンツの不正コピー防止に役立つDPCP、HDCPに対応。立体感があり、明暗差が生えるHDR対応。ピンとプラグに金メッキを採用して、劣化を防止。3種シールドケーブル採用。

Amazonベーシック:DP1.2-6FT-1P

・商品名:DP1.2-6FT-1P
・参考価格(2024年12月時点):843円
・公式商品URL:https://www.amazon.co.jp/dp/B01J8S6X2I?tag=rviews02-22&linkCode=ogi&th=1

・概要:ディスプレイポート規格Ver.1.2対応。ケーブル長1.8m。4K画像に対応。コネクタへの金メッキや銅製の導体にフォイルシールドとブレード被覆しており信号伝達と耐久性を重視。

ホーリック:DP20-698BB

・商品名:DP20-698BB
・参考価格(2024年12月時点):1100円 
・公式商品URL:https://www.horic.co.jp/products/dp-cbl-std-new

・概要:ディスプレイポート規格Ver.1.2対応。ケーブル長2m。伝送速度最大21.6Gbps。4K/60p対応。3重シールド構造。端子に金メッキ採用。HDCP/DPCP対応。保証期間1年。

【まとめ】ディスプレイポートの優れた性能をゲームでも体感しよう!

 ディスプレイポートは高解像度、高リフレッシュレートに対応した映像伝送規格で、eスポーツをプレーする人にとっては大きなメリットがあります。

 場面によってはHDMIの方が適している、事足りるケースもあるので、それぞれのメリット・デメリット、特性などを知って、上手に使い分けましょう。

関連記事

外付けSSDでゲームをより快適に!増設や商品選びのポイントを紹介

プレースタイル「キーマウ(キーボード&マウス)」とは?意味をわかりやすく解説!

PC(パソコン)の熱対策、原因や対処法をデスクトップ・ノート別に解説!

部活紹介

おすすめ関連記事

eスポーツ部の活動日誌

新着記事

ゲーミングデバイス情報

  

ゲーミングデバイス情報

新製品 レビュー 部活紹介 eスポーツ部の活動日誌