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2023.07.13

「メタゲーム」とは?意味や注意点をわかりやすく解説!

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 カードゲーム界隈で誕生し、その後幅広いジャンルの対戦ゲームに広まっていった「メタゲーム」という概念をご存じでしょうか。ゲームの基本的なルールを超えた次元で、駆け引きを繰り広げるという意味の言葉です。メタゲームを通じて勝利につながる一手を考える、高い戦略性が求められるゲームでは、こうしたスキルを磨くことが大切です。

 今回は、「メタゲーム」というゲーム用語の意味や具体例について解説するとともに、さまざまなジャンルにおけるメタゲームのあり方をご紹介します。少々複雑な内容ですが、カードゲームやMOBAなどのジャンルのタイトルをプレーなら知っておいて損はないかもしれません。

「メタゲーム」とは

 英単語のmetaから由来する「メタ」という言葉には、「超える」・「高次元」というような意味があります。「メタゲーム」とは、“ゲームを超えた次元で展開されている別のゲーム”を示す用語です。もともとはカードゲームにおいて誕生した用語であることをなぞって、対戦ゲームを具体例として見ていきましょう。

 デッキを組んで対戦する形式のゲームでは、実際にプレーヤーが向かい合って対戦を始める前にも準備が必要です。使用するデッキの構成を考える時点から「このキャラクターはよく使われているから、その対策にこのキャラクターを入れよう」というような読み合い・駆け引きが始まっています。これこそがメタゲームです。

 ゲームの中などにある仮想世界を示す言葉である「メタバース」も、我々が生きている現実世界とは別の次元で存在する、という意味で“メタ”の要素を持っています。

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 メタゲームという言葉が“お互いの手の内の読み合い”という意味で浸透するにつれ、「メタ」という単語は「(ゲームにおける対戦の)環境」や「流行りの型」、「流行りの型に対抗する策」というような多様な意味を持って用いられるようになりました。

ジャンル別メタゲームの例

 対戦ゲームで勝利をめざす上にはメタゲームに意識を向けることが重要ですが、対戦のどの段階でメタゲームが発生するかはジャンルごとに異なります。対戦に際してメタゲームが生まれる代表的な例を3つご紹介します。

カードゲーム(デジタルカードゲーム)

 「メタゲーム」という用語が生まれたきっかけとされるカードゲーム(デジタルカードゲーム)では、デッキを構築する段階ですでにお互いの手の内の読み合い・駆け引きがはじまっています。これがメタゲームにあたります。

 相手がどんなデッキを使ってくるかを予想して対抗策を用意し、仮に全体的な相性が悪かった場合でもどのようにして不利な状況を打開していくかを考えます。

MOBA

 MOBAでは、マッチングが完了してから試合が始まるまでの間に各プレーヤーが使用キャラクターを選択する時間があります。メンバーがそれぞれ選んだキャラクターやチームの構成を踏まえ、相手チームに対してどのように攻めていくか戦略を考える段階がMOBAにおけるメタゲームです。

格闘ゲーム

 格闘ゲームでは、相手が選んだキャラクターを見て立ち回りを推測するのではなく、相手プレーヤー自身の操作の傾向・癖を考察して対策を考えることがメタゲームにあたります。

 対戦する相手があらかじめわかっている、かつ見知った相手である場合にのみ起こりうるもので、ランダムのマッチングシステムを使う一般プレーヤーにとってはあまり縁がないものですが、顔や名前が知れているプロ同士の戦いではこのメタ読みが非常に重要なものとなります。

ゲームにおいてメタを読むのが重要な理由

 対戦ゲームで勝つためには、相手の手の内を読んでそれに対抗できる、相性の良い手を打つことが手っ取り早い手段であると言えます。

 そのゲームでもっとも強いとされ、多くのプレーヤーの間で流行した王道の構成をデッキAとすると、それに対抗することだけに特化したデッキBが生まれ、デッキAと同様に流行り始めます。今度はデッキBがデッキAを駆逐し環境で流行しはじめ、さらにBに対して有利なデッキCが生まれます。すると実は、デッキCは最初のデッキAには弱いことが発覚し再びデッキAを握る人が現れる…という三すくみの関係ができあがります。

 いずれも流行を読んでよく練られたデッキではあるものの、相性が悪い相手と当たってしまうと力を発揮できません。プレーヤー全員が流行に乗ったデッキだけを使っていると、デッキの相性で勝敗がほぼ決まり、実際に試合を行うまでもないじゃんけん大会のような状態になってしまいます。

 そこで生まれるのが「メタ外し」です。“強いデッキ”を作るための要素としてはあまり注目されていない手をあえて組み込み相手の意表を突くことで、研究し尽くされた相性の理論をひっくり返す勝ち筋をねらいます。

 流行りの構成だけにこだわる必要がないのが対戦ゲームの奥深さであり魅力ですが、メタ外しをするためにはまずメタを把握しなければなりません。日々変化していくメタを分析し、それを踏まえてどのような構成が生まれるのか、対抗するにはどうしたら良いかを常に考え続けることこそが重要なのです。

メタゲームを使った例文

 「メタゲーム」や、そこから派生した「メタ」、「メタる」などの用語は主に以下のように使われています。

・「このタイトルはメタゲームの要素が強い。」
・「現状のトップメタはあのデッキだ。」(トップメタ=もっとも流行っている型)
・「あのデッキにメタるならこのカードをサイドに入れるのがいいと思う。」(メタる=有利なポジションを取る)

【まとめ】メタゲームを意識して勝利への道をつかもう

 言葉の成り立ちからその意味を理解しようとすると複雑に感じてしまうかもしれませんが、簡単に言えば、対戦ゲームにおける「お互いの手の内の読み合い」のことを指す用語です。ここから派生し、「メタ」という言葉は「(ゲームにおける対戦の)環境」、「流行りの型」、「流行りの型に対抗する策」という意味でも使われています。

 カードをはじめとした対戦ゲームをプレーする際は、ぜひメタゲームを意識し、時にはあえて定石から外れたプレーを試みるなどして勝利につながる道をいろいろな形で探してみましょう。

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