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2023.03.28
eスポーツで健康寿命を延ばしたい! 国際eスポーツ医学会 設立
- eスポーツニュース
eスポーツが認知症予防や脳機能、コミュニケーションなどに与える有用性や影響、心身に対しての働きを究明し、eスポーツを活用した健康寿命延伸を目指す「一般社団法人国際eスポーツ医学会」(ISEM)が3月9日に設立されました。

ISEMでは、eスポーツを通じて習得することができる状況判断能力、問題解決能力、瞬発的対応能力、集中力、情報処理能力、戦略的思考力などの「精神・身体的な能力」と、他者間・グループ間での協調性、コミュニティ内での社会性、先読みや駆け引きのテクニックなどの「社会的な能力」の二つの側面に着目。eスポーツによる認知症予防の可能性や脳機能へもたらす影響、コミュニケーションでの量や質の変化と、その効果などに関する基礎・臨床研究を通じ、健康寿命の延伸を図ることを主な目的としています。
eスポーツがエンターテインメントや興行としてだけでなく、健康増進、認知機能の維持・改善などの医学的な有用性をもつというエビデンスを探り、医学や健康領域での新しい可能性を共創できるよう、医師はもちろん幅広い専門家やeスポーツアスリートとともに活動していきます。
ISEMの吉川敏一理事長(京都府立医科大学元学長、ルイ・パストゥール医学研究センター理事長)は、「20世紀後半から21世紀初頭にかけて、新たにeスポーツというものが生まれました。eスポーツは、一娯楽として始まったビデオゲームが技術革新と研鑽を経ることで、エンターテインメント性と競技性を高め、多くの人を熱狂させることで世界中に広がってきました。その発展は、eスポーツをエンターテインメントとしてだけではなく、脳の認知機能を高めるなど医学的な恩恵をも私たちに与えてくれています」とコメント。
続けて、「私たちは先人たちが築き上げた科学進歩のおかげで長寿となりましたが、それと同時に、いかにして健康でその生を全うするかという新しい問題を多く抱えるようになりました。その問題を解決するための新たな切り口として、eスポーツが脳機能に対して与える影響や心身に対しての働きを究明し、健やかな長寿のために邁進していきます」と述べています。

また、ISEMの成本迅理事(京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授)は、「精神医学の領域でも、eスポーツの精神的健康や認知機能への効果に関する知見が蓄積されつつあります。とくに、eスポーツを介した他者とのコミュニケーションによる孤独感の軽減効果が報告されており、孤独が問題となっている現代社会で、多くの人のウェルビーイングの向上に貢献できる可能性があります。われわれは、強い孤独感をもつ高齢者に海馬や視床の体積減少がみられることを明らかにしており、eスポーツによる孤独感の軽減効果と脳への影響について研究を進めたいと考えています。ISEMを通じて、このような研究の発信と研究ネットワークの形成、社会実装の推進に取り組んでいきます」とコメントしています。
■関連記事
■外部リンク
国際eスポーツ医学会
https://isem.jp/

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