大会レポート

2023.03.27

大阪開催の「VCJ 2023 Split1 -Playoff Finals」、来場者は3000人超え

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 タクティカルシューティングゲーム『VALORANT』の公式大会「VALORANT Challengers Japan(VCJ) 2023 Split1 -Playoff Finals」がインテックス大阪にて、3月18・19日に開催されました。

3000人超の来場者を集めたインテックス大阪


 今年から『VALORANT』の公式大会はリニューアルしており、「VALORANT Championship Tour」や「MASTERS」に加え、インターナショナルリーグの開催が決定しています。インターナショナルリーグは、北米地区のAMERICAS、ヨーロッパ・中東地区のEMEA、アジア圏を中心としたPACIFICの3地域で、各10チームによるリーグ戦を開催。日本はVCT PACIFICの地区に所属しており、日本からはZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMeが参戦しています。

 VCJはこのVCT PCIFICに参加する1チームを選抜する大会で、今回のVCJ Split1で上位2位まで入ったチームはVCJ Split2のPlayoffから、上位6位まで入ったチームは、VCJ Split2のメインステージからの参加となり、優位な状態でSplit2に挑めます。VCJ Split2で優勝するとVCT Ascension PACIFICへの参加権を得ることができます。

 VCT Ascension PACIFICは、VCT PACIFICに参加する各国の優勝チームが集まった大会です。この大会で優勝すると、VCT PCIFICへの参加ができるようになります。つまり、すでにVCT PCIFICに参加しているZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMeは参加しておらず、それ以外の日本チームが参加をしています。

 オープンクオリファイア、メインステージを勝ち抜いた6チームがPlayoff Finalsへ進出します。オンラインでの対戦により上位3チームが確定し、今回のインテックス大阪でのオフライン対戦となりました。1位抜けはCrazy Raccoon、2位抜けはSCARZ、3位抜けはFENNELです。18日のDAY1では2位と3位のチームが対戦し、19日のDAY2では1位とDay1を勝ち抜けたチームによる対戦となります。

 対戦はBO5(3勝で勝ち抜ける方式)で行われ、各マップで先に13ラウンド獲得した方が勝利となります。12ラウンドずつ獲得した場合は、オーバータイムという延長戦に突入し、2ラウンドの差が付くまで続きます。最大獲得ラウンドは25で、25ラウンドをとったほうが勝利となります。マップは試合前に使用禁止とするBAN、使用するマップを選ぶPickが行われ、攻守はマップを選ばなかった方のチームが選ぶことができます。攻守は12ラウンドを終了した時点で交代し、ストレート負けをしたとしても、攻守のどちら側も最低1ラウンドはプレーすることになります。

Day1、Day2ともにBO5で行われました


 Day1のSemi FinalsはSCARZ対FENNELの一戦。SCARZはメインステージでCrazy Raccoonに敗北したものの6勝1敗の好成績を残しています。かたやFENNELはSengoku Gaming、NORTHEPTIONと4勝3敗で並ぶ中、Playoff Finalsのオフライン大会で勝ち抜いて3位を確保しました。それらの結果から、SCARZ優勢かと思われましたが、BO5のフルセットのうえ3対2でFENNELが勝利しました。

 Semi FinalsはHAVENとICEBOXの2マップがBANされ使用禁止に。1、3マップをSCARZが、2、4マップをFENNELが選択。最後の5マップ目は大会側が指定します。選ばれたマップはPEARL、ASCENT、SPLIT、FRACTURE、LOTAS。


 2マップめまではお互いにPickしたチームが勝利し、1対1のイーブンで3マップめに突入します。3マップめのSPLITでは先行するSCARZに攻守が入れ替わってからFENNELが快進撃をみせ、12ラウンドを先取しリーチをかけます。SCARZはそこから追いすがり、なんとか12ラウンドを取り合うことに。オーバータイムに入ってからもFENNELが先行し、何度もセットポイントとなりますが、そこからが勝ちきれません。15ラウンドを取り合ったところからSCARZが勝利し、16ラウンドめを獲得します。そこから次のラウンドも勝利し、接戦を制しました。

 オーバータイムを繰り返した末の勝利にSCARZの勝利が見え始めてきました。しかし、FENNELのSyouTa選手が覚醒、リーダーのCLZ選手もマップMVPをとる活躍で逆転勝利を収め、2対2のイーブンに持ち込みます。最終マップのLOTASはFENNELの攻撃側で開始します。攻守交代までに9-3のスコアで大きくSCARZを突き放します。攻撃側に移ったSCARZは巻き返しを図りたいところですが、1ラウンドをとるのが精一杯でした。

Semi FinalsのSCARS対FENNEL


 Day2のGrand FinalsはCrazy Raccoon対FENNELの一戦。マップはICEBOXとLOTUSがBANされ使用禁止に。1、3マップをFENNELが、2、4マップをCrazy Raccoonが選択します。その結果、ASCENT、FRACTURE、SPLIT、PAERL、HAVENの順となりました。

 1マップめのASCENTは守備側から開始のCrazy Raccoonが攻守交代までに8-4と大きなリードで折り返します。しかし、一気に4ラウンド取り替えされ、ラウンド数はイーブンに。一度、Crazy Raccoonが引き離すも、FENNELはすぐに追いつき、そのまま逆転勝利を収めます。Day1の後半からギアを上げてきたSyouTa選手がキレッキレの動きをみせ、FENNELに勝利を呼び込みました。

GRAND FINALSのCrazy Raccoon対FENNEL


 2マップめのFRACTUREはFENNELの攻撃側でゲーム開始。攻守交代までは一進一退の攻防が続き、6?6のイーブンで折り返します。守備側にまわったFENNELが怒濤の強さを発揮。1ラウンドも落とすことなく、勝利しました。これでFENNELが優勝に王手をかけました。

 3マップめはFENNELがPickしたSPLIT。しかもCrazy RaccoonはSPRITでの対戦が今大会ではなく、得意不得意も未知数の状態。追い込まれたと言えます。SPLITはCrazy Raccoonが守備側を選択して開始となります。5?7で折り返すと、途中追い上げられるもリードを保ち、そのまま勝利を掴みました。GRAND FINALSは3勝ストレート勝ちです。

 何度もACEをとったSyouTa選手だけでなく、GRAND FINALSの3試合で2回のMVPを獲得したhiroronn選手、安定した戦いを見せたリーダーのCLZ選手など、メンバー全員が活躍して手にした勝利と言えます。JoxJo選手は2022年でNORTHEPTIONのメンバーとして参加しており、2022 VCT STAGE2ではCrazy Raccoonに勝利しています。Day1終了後のインタビューでは、Crazy Raccoon戦を得意としていると発言しており、その通りの結果も残しました。

劇的なFENNELの勝利により、インテックス大阪を大いに盛り上がった


 試合内容としては、FENNELは落としてもおかしくないようなラウンドもクラッチ(ひとり生存で複数の相手を倒して勝利すること)することでとっていました。FENNELのメンバーはおそらく実力以上の結果を残して勝利したのではないでしょうか。それが大会中に急成長したものなのか、調子が良かっただけだったのか、その判断はSplit2で示されることだと思います。

 GRAND FINALSに進出したFENNELとCrazy Raccoonは、Split2はPlayoffから参加となるので、約2カ月の休養ができますが、3月末からはOpen Qualifierが始まります。すでに次の戦いが間近に迫っているので、ファンとしては気を休めるヒマもありません。(ライター・岡安 学)

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https://valorantesports.com/

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