大会レポート
2025.06.15
東京ヴェルディのホーム会場から大会をレポート JAF公認eモータースポーツ大会「UNIZONE」Round.3ハイライト 名古屋OJAがほぼ完全勝利
- 大会/イベント
日本eモータースポーツ機構(JeMO)は、6月14日18~21時、日本自動車連盟(JAF)公認eモータースポーツ大会「e-Motorsport League UNIZONE 2025」のRound.3を開催した。各選手が全国の異なる各チーム拠点から参戦し、オンラインで対戦を行った。今回は東京ヴェルディレーシングのホーム会場、e-Create Space AIM SASAZUKA supported by KEIOの模様を取材した。
東京ヴェルディ会場ではグッズ販売も好調 選手らが自らコメント&質問回答の豪華仕様
オンラインでは、山中智瑛さんが司会・実況、スオミアッキさんが解説を担当。東京会場でMCを務めたのは、オリエンタルラジオ藤森慎吾さん公認のものまね芸人MCしんごさん、レースイベントでのMC経験豊富な松下まゆみさんの2人。

オープニングでは、今回出場する木村偉織選手、兒島弘訓選手の両選手が登場。先日まで行われていた富士スピードウェイ24時間耐久の話をはじめ、最近のレース参戦状況についてトークが展開された。



さらに東京会場では、毎レース後に選手らが感想を述べたり、観客からの質問に答える時間も設けられていた。

国内最大級のレースシリーズSUPER GTでも活動する木村選手。そしてスーパーフォーミュラではエンジニアとしても活躍する兒島選手。会場では二人のボイスチャットも流れ、練習走行では話し合いながらマシンのセッティングを煮詰めていく様子も確認できた。

名古屋OJAを止めるチームは現れたのか…!?
さてレースの模様についても見て行こう。チームランキングでは、名古屋OJAが106ptでトップ、Saishunkan Sol熊本が43ptで2位に付けており、東京ヴェルディは27ptで5位に付けている。ドライバーランキングでは、名古屋OJAの武藤壮汰選手が1位、小出峻選手が2位につけており、ヴェルディは、木村選手が7位、兒島選手が9位に付けている。
予選タイムアタック SS熊本 黒沢和真選手が2位と好調
初戦はSuper Formula SF23による予選タイムアタック。コースはMobility Resort Motegi -Grand Prix。ここで出したタイムに応じてスターティンググリッドが決まる。なお、グリッドは、タイムの早い順で並ぶ通常グリッド、遅い順で決まるフルリバースグリッド、ハーフリバースグリッドの3方式をレース毎に抽選で決定。今回は通常グリッドでのスタートだ。
序盤から名古屋の武藤選手がトップ。2位にはSS熊本の黒沢和真選手、3位に名古屋の小出選手が付けた。ヴェルディは、木村選手が終盤にタイムを大幅に更新し5位に順位を上げ、兒島選手は9位だった。
スプリントレース(1) ヴェルディの両選手は順位を上げ存在感を見せる
スプリントレース(1)では、スタート直後にタイムアタックで好成績だったSS熊本黒沢選手が、木村選手と接触しスピンするなど、なかなか波に乗れない。スプリント(1)は、武藤選手1位、小出選手2位、遠州ハママツモータースの百瀬翔選手3位。木村選手は4位、兒島選手は6位だった。それぞれ5番グリッド、9番グリッドからのスタートだったが、ヴェルディは両選手ともに順位を上げた。なお、黒沢選手は途中ファステストラップを記録するなどし、序盤のミスを取り返す。終わってみれば5位という結果となった。

スプリントレース(2)GT3得意なダイヤモンドペガサス浅賀選手が躍動
スプリントレース(2)では、車種が変わりGT3マシンに。さらにコースも抽選の結果「Autodromo Internazionale del Mugello -Grand Prix」に変更となった。iRacingのアップデートを受けて、東京ヴェルディはフェラーリ296からホンダNSXにチェンジ。
スタート直後は、1位・2位・3位は武藤選手、小出選手、黒沢選手の並び。木村選手はスタートダッシュを成功させ4位につけるも、単独スピンで7位に後退。さらに、SS熊本荒川麟選手がスピンしたところに遠州ハママツモータースの瀬田凜選手が衝突するなど、波乱の展開に。ただ、こうした混乱の中でも、GT3車両を得意とする群馬タイヤモンドペガサスの浅賀颯太選手が着々と順位を上げ4位につける。そのまま4位までの順位は変動することなくフィニッシュ。兒島選手は6位、木村選手は7位だった。



ミニ耐久レース 名古屋OJAはやはり盤石 熊本SSも驚異の追い上げ見せる
ミニ耐久レースもGT3マシンを使用し、コースはAutodromo Internazionale del Mugello -Grand Prix。レース時間は20分。チームでドライバー交代を挟みながらレースを行う。
まず、スタート直後抜け出したのはまたしても名古屋OJA。武藤選手を終盤まで引っ張り小出選手にスイッチする戦法だ。
そして、開始2分ほどで、ヴェルディ木村選手とSS熊本黒沢選手が接触。黒沢選手がスピンし出遅れる。難を逃れたかに見えたヴェルディだったが、レース開始から6分。ラップタイムが軒並み1分47秒台の中、ヴェルディのみ1分50秒台と明らかな差が現れる。

4位に付けていた東京ヴェルディ、接触により最下位に沈んだSS熊本にもついには追い抜かれてしまう。解説のスオミアッキさんも「これはアップデートの影響でNSXが一番割を食ったのかも…」と分析。マシンチェンジが裏目に出る展開となってしまった。
一方、2位争いでは群馬の浅賀選手と遠州ハママツの瀬田選手がバトルを繰り広げる。

開始11分で、東京ヴェルディ、SS熊本がピットインし、それぞれドライバーを兒島選手、荒川麟選手にスイッチ。その後続々と他の3チームもピットインしてドライバーをチェンジする。しかしここでも波乱が。同時に入ったはずの群馬と遠州ハママツだったが、数秒のピットタイムの差で遠州ハママツが2位に躍り出る。

さらに開始15分、これまでハイペースを維持してきたSS熊本が10秒ほどあった差を埋め、ついに3位をとらえる。2分後にはさらにその差を詰め、3位に躍り出た。

このように、2位以降では順位の入れ替わりがあったものの終始1位でペースを崩さなかったのはやはり名古屋OJA。最終的には、後ろに15秒ほどの差をつけて小出選手がチェッカーフラッグを受けた。予選を除く、スプリント(1)(2)、耐久レース、すべてワンツーフィニッシュで、名古屋OJAはラウンド3でほぼ完全勝利だった。

耐久レース1位以降の順位は、2位が遠州ハママツモータース、3位がSaishunkan Sol熊本、4位が東京ヴェルディ、5位が群馬ダイヤモンドペガサス。開始から18分の終盤、ヴェルディは前を走る群馬の小山美姫選手がスピンしてコースアウトした隙を見逃さず、順位を一つ上げた。
名古屋OJAは予選を除いてワンツーフィニッシュ アップデートから短期間でのマシン選びが勝敗を分けた

今回も圧倒的な走りを見せた名古屋OJA。武藤壮汰選手、小出峻選手のコメントは以下の通り。
武藤選手 今回ほぼ完全勝利。スーパーフォーミュラでのレースから白熱して、GT3でも小出選手と互いに協力しながら後続を引き離す作戦が上手くいきました。とりあえずしっかりと結果を残せてよかったです。GT3マシンとしてマスタングを選んだのは3人で話し合った結果。かなりアドバンテージになったのかなと思います。
小出選手 3連勝はめっちゃうれしいですね。武藤選手とタッグを組んでいい成績を収められている。予選3位から本戦はワンツーフィニッシュ。良かったです。ただ、もう2番手は飽きたのでそろそろ武藤選手を下しに行こうかなと思っています(笑)。期待して見ていてください。
iRacingのアップデートが行われてから3日という短期間の中、各チームマシン選びに迷った様子が見て取れたが、GT3でマスタングを選択した名古屋OJA、SS熊本はかなり調子が良さそうだった。一方で、東京ヴェルディはそのマシン選びという点では課題が残る結果となった。イベントの最後に木村偉織選手、兒島弘訓選手は以下のように今後の意気込みを語った。
木村選手 今日は最後までありがとうございました。スーパーフォーミュラは良かったのですが、GT3は課題が残りました。次に向けてしっかり見直したいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。
兒島選手 車両選択など、見直す点は多かったですが、こんなにたくさんの方に集まっていただき、面白いレースも見せられたのかなとは思います。まだ戦いは続きますので、引き続き応援お願いいたします!
さらに、東京会場では、木村偉織選手の誕生日が6月22日とのことで少し早めのバースデーイベントも行われた。来場者全員でバースデーソングを歌い、木村選手にはバースデーケーキが贈られた。

なお、今回の詳細リザルトについてはUNIZONE公式ホームページにて後日公開。また、次回のUNIZONEの開催は8月19日の開催を予定しており、こちらの詳細も順次発表予定だ。
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外部リンク
UNIZONE
https://unizone-emotorsport.com/

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