大会レポート

2023.06.02

韓国開催のVCT Pacific ローワー/グランドファイナル現地取材! Masters Tokyoへの道

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 『VALORANT』の世界大会「Masters Tokyo」が6月11日より開幕します。Masters Tokyoは、世界の4地域で行われている「VALORANT Championship Tour」のインターナショナルリーグの代表チーム12チームによって行われます。各リーグからの出場チームは確定しており、VCT PacificはDRX、Paper Rex(PRX)、T1の3チームが、VCT EMEAは、FNATIC、Team Liquid、FUT Esports、Natus Vincereの4チームが、VCT AmericaはLOUD、Evil Geniuses、NRG、中国からAttacking Soul Esports、Edward Gamingの2チームが出場します。

VCT Pacificの最終順位を争う、ローワーファイナルとグランドファイナルの会場となった奨忠体育館。歴史ある体育館でさまざまなスポーツやエンターテインメントで使用されている

 日本チームはVCT PacificにZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMeが参加していましたが、残念ながらMasters Tokyoへの出場権獲得には届きませんでした。つまり東京開催ながら日本チームが出場できない大会となります。

 VCT Pacificでのリーグ戦の結果により10チーム中、上位6チームのみがPlayoffsへの出場権を得ます。日本のZETA DIVISIONは4位でPlayoffs進出を決めましたが、ダブルエリミネーションの変則トーナメントで、初戦でフィリピンのTeam Secretに敗北し、ローワーサイドで韓国のT1にも敗北し、Masters Tokyoへの出場の道が絶たれました。

 今回は、このVCT Pacificの最終順位を争う、ローワーファイナルとグランドファイナルの試合を現地で取材してきました。3チームともMasters Tokyoへの出場権を獲得していますが、順位によってMasters Tokyoのグループ分けなどに影響するうえ、プロとして優勝を目指すことも当然であり、消化試合ではなく熱い戦いが繰り広げられることが予想されます。

 VCT Pacificのローワーファイナルとグランドファイナルは奨忠体育館で行われました。バスケットボールやボクシングの世界タイトルマッチ、プロバレーチームの本拠地としても使用されている会場です。東南アジア/韓国/日本/南アジアからトップチームが集まるVCT Pacificの最終決戦に相応しい場所と言えます。今回のPlayoffsでは座席の一部をステージとして使用しているので、観客のキャパシティは2200人。グランドファイナルでは満員となっていました。

会場内部。大きな4面スクリーンがステージ上に配置され、どの客席からも試合の様子がわかる

 ローワーファイナルとグランドファイナルが開催された両日は残念ながら天気には恵まれず、全日雨となりましたが、それでも多くの観客が詰めかけていました。会場の外にはVCT Pacificの全チームのグッズが購入できる物販ブースやeスポーツイベントではお馴染みのRed Bullのブース、PCブランドのOMENとVICTUSのブース、『VALORANT』を体験できるブースなどを用意。さらに会場内ではRiot Gamesのグッズ販売ブースや選手やチームの応援コメントやイラストが描けるパネルを配布しているコーナーなどを用意していました。会場がそこまで大きくないので、各チームのブースを建てることはできなかったと思いますが、ちょっとそこは残念な感じでした。

会場の外にいろいろなブースを展開。お馴染みのRed Bullも
コスプレイヤーが集結していたフォトスポット
『VALORANT』が体験できるRiot Gamesブース
会場内にはRiot Storeがあり、『VALORANT』だけでなく『League of Legends』のグッズも販売していた
応援パネルを作成できるコーナーも
作成したパネルは会場で使用
VCT Pacificに参加した10チームを代表する選手10名と撮影ができるスポット
OMENとVICTUSが展示されたブース

 初日は、ストリーマーによるエキシビションマッチと、Playoffs ローワーファイナルの2試合が行われました。ローワーファイナルはBO5で行われT1とDRXの韓国ダービー。リーグ戦では8勝1敗で1位抜けしたDRXと6勝3敗で3位抜けしたT1による対戦です。リーグ戦の対戦成績は2-0でDRXが勝利しており、Playoffsのアッパーブラケットでは対戦していません。

ローワーブラケットから勝ち上がってきたT1

 マップのピックとバンは以下の通り。DRXはロータスをバン、T1がスプリットをバンします。ピックはアセント(DRX)、フラクチャー(T1)、ヘイブン(DRX)、バインド(T1)と順に選び、最後のディサイダーマップはパールとなりました。

 1、2マップ目はお互いにピックしたチームが敗北すると言う波乱の展開。3、4マップではお互いにピックしたマップで勝利し最終ゲームまでもつれ込みます。序盤攻撃側となったDRXが猛攻を仕掛け、勝利ラウンド数を稼ぎます。8-4で攻守逆転の折り返しを迎えます。T1は巻き返したいところですが、後半は5勝ずつを取り合い、13-9でDRXが勝利しました。これにより、DRXはグランドファイナルへ進出します。

ローワーファイナルを制したDRX

 翌日に開催されたグランドファイナルは、DRXとPRXとの一戦となりました。リーグ戦ではDRXが2-0で勝利しており、PlayoffsのアッパーブラケットではPRXが2-0で勝利しています。グランドファイナルで優勝と共に、2チームによる対戦成績の決着もつけられます。

 マップのピックとバンは以下の通り。Playoffsで無敗のPRXが2マップ分のバンの権利を持っており、ヘイブンとスプリットをバンします。ピックはフラクチャー(PRX)、アセント(DRX)、ロータス(PRX)、パール(DRX)、ディサイダーマップはバインドとなりました。PRXが2番目にピックしたロータスは、リーグ戦、PlayoffsとDRXが頑なにバンしたマップ。一度も対戦をしたことがないマップなので、かなり不得意なマップと言えます。今回のBO5という試合数とバンの権利のない状態により、DRXはロータスで戦わざるを得なくなったわけです。

グランドファイナルは満員御礼
グランドファイナルに相応しい超豪華で超ハデな演出で大会を盛り立てる

 1マップ目はPRXがピックした得意なフラクチャーでしたがDRXが勝利。続く2マップ目もDRXが勝利し、早くも優勝にリーチをかけます。3マップ目はDRXが初めて対戦するロータス。やはり苦手であったか、大差でPRXが勝利します。4マップ目はDRXピックのパールでしたが序盤で勝利数を伸ばしたPRXがそのまま勝ちきりゲームカウントは2-2で最終ゲームに突入しました。最終マップのバインドをPRXが制し、2連敗からの逆3タテで優勝を決めました。

優勝したPaper Rex

 先述した通り、ローワーファイナルとグランドファイナルに出場した3チームは、Masters Tokyoに進出します。勝ったチームも負けたチームもこれで終わりではなく、むしろ、これからが本番と言えます。Masters Tokyoは6月11日より開始されるので、負けたチームは巻き返しをはかるべく再調整を、勝ったチームはさらに調子を上げるための施策に取り組まなければなりません。そしてすべてのチームが最高の状態でMasters Tokyoにやってくることでしょう。

 すでにMasters Tokyoのチケットは完売していますが、チケットの購入できた人は現地で最高のプレーを楽しみに、残念ながら購入できなかった人は動画配信で応援し、史上最大の盛り上がりとなるMastersの実現を目指していきたいと思います。そうすれば、日本チームの進出が叶うMastersがやってきたときにも大いに盛り上がる大会になるはずです。(ライター・岡安 学)

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■外部リンク

VALORANT
https://valorantesports.com/

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