大会レポート
2024.06.14
有料となって初の「EVO Japan 2024」気になる反応は? 来場者インタビュー
- 大会/イベント
ついに来たぞ!EVOJapan!日本最大級の格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2024」が4月27日~29日の3日間、有明GYM-EXで開催されました。世界中から格ゲーファンが集った現地を取材し、ブースを楽しんでいた来場者へインタビューを実施しました。来場した目的や「EVO Japan 2024」の感想など、格ゲーや「EVO Japan」への愛を存分に語ってもらいました。(取材・文 / 小川 翔太、松永華佳)
「EVO Japan」 とは
「EVO Japan」とは、毎年ラスベガスで開催される格闘ゲームの世界大会「Evolution Championship Series(略称:EVO)」の理念を受け継ぐ、国内最大規模の格闘ゲームの祭典です。
今年のメイントーナメントは、以下の7タイトルで実施されました。
・Granblue Fantasy Versus: Rising
・Guilty Gear -Strive-
・THE KING OF FIGHTERS XV
・STREET FIGHTER III 3rd STRIKE: Fight for the Future
・STREET FIGHTER 6
・TEKKEN 8
・UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celes
メインの大会だけでなく、サイドイベントや物販、新作ゲームの試遊ブースも充実しています。筆者も、話題沸騰中の新作対戦格闘ゲーム「2XKO」を試遊させてもらいました。スタッフの方が丁寧に教えてくれたので、初めての体験ながらも楽しくゲームシステムを理解できました。
会場の外では、飲食ブースもあり、3日間に渡るお祭りのようなイベントです。
従来は、最終日を除いて出場者・来場者共に無料で参加できましたが、今年からは事前チケットの購入が必要となりました。ゴールデンウィーク初日、そして有料イベントにも関わらず、会場は国内外から多くの格ゲーファンが来場して大盛況でした。
来場者にインタビュー
参加者たちは「有料になったこと」についてどう考えているのでしょうか。4組にインタビューしました。
野生のプロ選手を待ち構えている最中にインタビュー
──本日の目的を教えてください。
Aさん 試合に出場するために来ました。まだ勝ち残っていて、次の試合は2時からです。
Bさん 僕はマネージャーという形で応援に来ました。今は、もしかしたら好きなプロの選手がここを通るんじゃないかと待ち構えていました(笑)。
Cさん 「EVO Japan」は僕たち3人とも今年が初参加です。
──本日のイベントの感想を教えてください。
Aさん 雰囲気がすごく良いですよね。オフラインでこれだけの人が集まること自体なかなかないことだと思うので、とても楽しいです。大画面で試合も中継されていて、家では絶対見ないようなタイトルでも、ここにいると合間につい見てしまいます。また、色々なブースもあるので試合に出ていない時間も楽しんでいます。
Bさん そもそも僕たちは格ゲーをゲームセンターで遊んできたので、やっぱりオフラインで集まる方が性に合っていて面白いですよね。最近はオンライン環境が整ってきたことで家で遊ぶことが増えていたので、こうやって集まるのは久しぶりです。オンラインはそれはそれで楽しいですが、オフラインでワイワイやるのも良いですね。
僕は大会には負けてしまいましたが、周りのプレイヤーの方々を見ていたら、またモチベーションが湧いてきたので、お金を払ってでも来た価値があったなと満足しています。
Cさん プレーしていないけど名前だけは一応知っている、というタイトルが多いので、こうやって大画面で戦っている姿を映し出してもらえると自然と目に入りますし、見ているだけでも楽しめますね。
「レジェンドラウンジ」のコーナーではときど選手やウメハラ選手といった有名な選手の対戦が行われていますが、これをもっと大規模でやったら面白そうだなと思いました。
ブースの豪華さが某遊園地並?
──本日の目的を教えてください。
Dさん 選手として試合に出場しに来ました。メインは終わってしまいましたが、僕はサイドトーナメントの方がまだ残っていて、このあと参加予定です。
Eさん 僕は応援や物販などを目当てに来ました。
──本日のイベントの感想を教えてください。
Dさん 「鉄拳」のブースが目当てでしたが、昨日の午前中のトーナメントが終わってから行ったらほとんど売り切れていて買えませんでした…。
去年出場した時は、メインのトーナメントが1個終わるのに4時間ぐらいかかっていましたが、今年は3~4台ぐらいで同時進行していたこともあり、スムーズになっていましたね。昨年からの改善点が運営面にちゃんと反映されている実感があったので、有料になって良かったと思います。
Eさん 物販はレバーを目当てにして来ました。ブースだと、「STREET FIGHTER 6」の組み手とか、「餓狼伝説 City of the Wolves」のあの辺り、並びがヤバいですよね。
某遊園地もびっくりなくらいの豪華な並びがすごいです(笑)。今年から有料になったことで、ブースが豪華になっているので、チラッと覗いて正直いらないものまでうっかり買っちゃうなんてこともありました。
当日キャンセルする人も少なくなった印象ですし、お金がネックで来場していない人も、絶対楽しめると思うので、ぜひ次は来てみてほしいですね。
好きな選手のサインをゲット!
──本日の目的を教えてください。
Fさん 4人とも試合に出るために来場しました。すでに終わった人も、これからの人もいます。
Gさん 僕はプレイヤーとしての試合はもう残っていないので、今日は楽しむことを目的に来ていて、選手の方にサインをいただいたりしています。
──本日のイベントの感想を教えてください。
Hさん 「Victrix」のブースでアケコンにレーザーで刻印をしてもらえるサービスがあって、マイコントローラーに好きなキャラを入れてもらいました。いい思い出になりました。
今年から有料になりましたが、その参加料をイベント自体に還元できるということでプラスに捉えています。僕らは、このようなイベントや格ゲーファンが集まる場を自分でつくることができないので、有料開催になったことでさらにイベントが発展していったら嬉しいです。
Iさん 僕は参加するのはこれで3回目です。今回は有料になった分サービスやブースが充実していて、楽しく過ごせています。他のゲームのイベントでも5000円くらいが一般的な価格ですし、それで3日間楽しめるのは良心的な価格だと思いますね。
Gさん むしろ今まで無料だったのがおかしかったんじゃないかってくらい楽しませてもらってるよね(笑)。
Fさん これぐらいの規模感の大会が年に何回もあったら嬉しいです。これほどまでに大きな会場を使った大規模な格ゲーの大会はなかなかないので、同じようなイベントが今後増えてくれたらもっと格ゲー界隈が盛り上がりそうですね。
僕らは都内に住んでいるので、こういうイベントにも行きやすいですが、普段は地方の方に東京に来てもらうことが多いので、逆に地方開催があれば僕らも行ってみたいです!
一番楽しかったのは「テトリス」!?
──本日の目的を教えてください。
Jさん 鉄拳の試合に参戦しに来ました。
Kさん 僕たちはゲーム繋がりの友人で、応援も兼ねてイベントを楽しんでいます。
Lさん Evo Japanは初回からずっと参加しています。参加人数が多いので、色々な人に会えるのと、大きな大会だからこそ気合いが入るのが魅力ですね。
──本日のイベントの感想を教えてください。
Kさん 鉄拳のショップで色々Tシャツとかが買えてよかったです。
Jさん 僕もTシャツを買って、それを着て大会に出てきました。無料の時だと、当日になって来るのをやめる方も結構いましたが、有料になったことでみんながしっかり参加するようになったのは良いことですよね。
Kさん 物販がとにかく人気で、友達から色々頼まれたりもしましたが、初日の昼には売り切れてるなんてことも多くて、なかなか買えなかったですね…。
あとは、外には色々ありますが、フードコートが室内にもあったら嬉しいですね!中だと食べられるものがないので…。会場がかなり大きくて、歩き回ったら足が疲れてしまったので、休めるようなブースもあるとありがたいかな(笑)。
Lさん 僕は一周回って「テトリス」がすごく楽しかったです(笑)。こんな大規模な格ゲーの大会で、テトリスがあるというギャップが逆に新鮮で面白かったです。
Mさん それ言われちゃうと僕も一番楽しかったのは、テトリスになります(笑)。一番印象に残ってますし、意外と人も多かったんですよね。
Evo Japanが無料だった頃は、大会に出場する人数が少なくて不完全燃焼のまま終わっちゃうこともありましたが、有料になったことでそれがなくなりました。
Lさん 僕は、前回出た時、本来は10人ぐらいのブロックだったんですが、結局来たのは3人しかいなかったなんてこともありました。それで、1試合だけして解散となってしまって…ですが、今日はちゃんと3試合くらいできたので満足です。
日本だけでなく世界中からたくさん人が来ているので、フリーマッチのような形で、国際交流ができたら楽しそうですよね。今も「鉄拳」だったり、自由に遊べる台はあるものの、なかなかこれだけの人数がいると台数が足りない。もう少し他の来場者の方とも交流できたらよりもっと良いイベントになると思います。
有料化はイベントの発展のために必要なこと
今回から参加が有料となったEvo Japan。インタビューしていると有料になったことをネガティブに捉えている方は見受けられず、逆に「イベントの発展のためには必要なこと」と肯定的な意見が多く寄せられました。
また、会場にはキャラクターのコスプレをしている方や、好きなタイトルのTシャツを着てイベントを楽しむ方々がたくさんいました。参加者一人ひとりがイベントの素晴らしい空気感を生み出すのに一役買っている。その光景には今の格ゲー界隈に溢れる活気を感じました。
しかしこうして熱気を肌で感じられるイベントになっていた反面、昨年の東京ビッグサイトの「EVO Japan 2023」と比較すると、会場のキャパ的にはゆとりが少ない感じもしました。そのせいか、昨年の会場レポートのような「幅広い格ゲーファン」や「子ども連れ」「女性」が来場しやすい雰囲気は影を潜め、今回は「熱狂的な格ゲー好き」が数多く集まっているように見受けられました。
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外部リンク
EVO Japan 2024
https://evojapan.gg/
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