解説
2021.07.23
eスポーツの「定義」とは? 選ばれるタイトルの基準などもわかりやすく紹介
- 解説

eスポーツ大会やゲーム配信サイトなどでのプロゲーマーの活躍によって、「eスポーツ」の知名度は近年飛躍的に上昇していますが、eスポーツの明確な定義をしっかり理解している方は少ないのが現状です。
今回は、eスポーツの定義や、いわゆる「スポーツ」との関係性について解説します。eスポーツ競技として選ばれやすいゲームのジャンルについても具体的にご紹介するので、より深くeスポーツについて理解することができますよ。
「eスポーツ」の定義
そもそも、「eスポーツ」とはどのようなものなのでしょうか。JeSU(日本eスポーツ連合)は、eスポーツを以下のように定義づけています。
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「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
-JeSU公式Webサイト(https://jesu.or.jp/contents/about_esports/)より引用
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「eスポーツ」と「スポーツ」の関係性
「スポーツ」といえば、野球やサッカー、バスケットボールといった体を動かす競技を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
スポーツの定義は「一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする」という部分にあるので、eスポーツもスポーツの一種であるといえます。eスポーツにように、体を動かす競技以外の形も徐々に認められてきているのです。
とはいえ、現代においては”スポーツ=身体的な運動”という認識が強く根付いています。eスポーツは、将棋やチェスのような「マインドスポーツ」と並べて解説したほうが抵抗や衝突が少ないのかもしれません。
eスポーツに選ばれるゲームタイトルの基準

eスポーツの競技のひとつとして大会が開催され、盛り上がりを見せているゲームタイトルは数多くあります。しかし、すべてのタイトルがeスポーツの競技となっているわけではありません。JeSUは、競技タイトルの公認にあたって以下のような基準を設けています。
1.ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)。
2.ゲームとして3か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)。
3.今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)。
4.eスポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)。
ゲームのジャンルとしては、プレイヤーが競うことによって勝敗が明確になるルールのものがeスポーツの競技として選ばれる傾向にあります。
eスポーツに選ばれるゲームタイトルはPCゲームが多い
JeSUの公認タイトル選定基準にもあるような”競技性”や”大会の興行性”という要素を持つゲームはPC向けゲームに多いため、おのずとeスポーツの競技種目に選ばれるタイトルもPC向けゲームが多いですが、競技性がある・競技人口が多いなどの要素を満たしていればスマホ向けタイトルがeスポーツ競技に選ばれることもあります。
今後選ばれる可能性のあるゲームタイトルの傾向
基本的には、FPS(TPS)や格闘対戦ゲーム、スポーツ・レースゲーム、RTS(MOBA)、デジタルカードゲームなど、戦略性や反射神経を伴う対戦ゲームが今後もeスポーツタイトルとして選ばれる傾向として続くでしょう。
しかし、スマホ向けのゲームがeスポーツ競技となることが増えていることで、競技として選ばれるタイトルのジャンルも広がりつつあります。例えばスマホ向けリズムアクションゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』は、2020年にリリースされ、同年12月には賞金つきの公式大会が開催されました。
スマホ向けゲームとしてはメジャーな存在であるリズムアクションは、今後eスポーツの競技としても主要なものとなり得るかもしれません。
選ばれない傾向にあるゲームタイトル
一方で、eスポーツ競技としては選ばれにくい傾向にあるゲームジャンルも存在します。暴力的なコンテンツや性的なコンテンツが含まれているなど、一部の年齢層のプレイヤーに適さない要素を持つタイトルがeスポーツ競技に選ばれることはあまりありません。
ただし前者の暴力的なコンテンツについては、大規模な大会も開催されているため、一概に「一部の年齢層のプレイヤーに適さない要素を持つから、絶対に選ばれない」ということでもありません。例えばFPSで人気を博している「エーペックスレジェンズ(Apex Legends)」は、CERO(ゲームソフトの年齢別レーティング制度)上ではD(17才以上対象)となっているものの、「RAGE PARTY 2021 powered by SHARP」といった国内大会のタイトルに選ばれています。
まとめ
「eスポーツ」という言葉の定義から、eスポーツ競技としてメジャーなゲームジャンル、今後メジャーになっていく可能性を秘めているゲームジャンルについてご紹介しました。
スマホ向けゲームの開発技術向上によって、ここ数年ではスマホ向けのゲームタイトルが対象のeスポーツ大会が開催されることも増えてきています。PCに向かってキーボードやマウスを操作するイメージが強いプロゲーマーという職業にも、今後さまざまなスタイルが広まっていくといえるでしょう。
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