コラム

2022.02.04

eスポーツ高等学院へ潜入取材! オープンスクールで語られた生徒と保護者への熱いメッセージ

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 eスポーツ高等学院は1月23日、生徒に向けたオープンスクールを実施しました。会場にはeスポーツの将来を志す生徒たちが集結。未来の恩師になりうるプロ講師や学校自体を支えるキーパーソン達の言葉に耳を傾けました。

 eスポーツ高等学院は、通信制高等学校やサポート校を運営するディー・エヌ・ケー(DNK)によるeスポーツ専門学校です。「eスポーツを通じて、社会で活躍できる人間を育てる学校」を理念としており、eスポーツを主軸に、プロゲーマーやストリーマー、Vtuber、ゲーム実況者、プログラマー、ゲームアナリスト、ゲームライターといった多種多様な職業を目指すことができると言います。

グリーンの照明が特長的な内装

 渋谷に誕生したeスポーツ施設「シブヤeスタジアム」を校舎とし、校内には40台のハイスペックゲーミングPCや周辺機器といった高性能設備を用意。NTTe-SportsやTokyo Verdy e-Sportsによるサポートのもと、専門性の高いカリキュラムや現役で活躍するプロゲーマー講師の指導を提供します。

渋谷スクランブル交差点から徒歩5分程度の好立地
高性能マシンと周辺機器で充実したゲーミング環境

eスポーツの展望と親子の関係

 入場前のPCR検査や十分なソーシャルディスタンスの確保といった徹底した感染対策を施して実施された今回のオープンスクール。「もし体調など優れないことがございましたら遠慮なくお近くのスタッフにお声がけください。本日のオープンスクールを通して、親子共通のeスポーツの話題や本学院に対する意識・理解が生まれることを楽しみにしています」という石原マネージャーの挨拶で幕が上がりました。

影澤副代表

 まずステージに登壇したのは、NTTe-Sportsの影澤副代表です。プライベートで格闘ゲームのeスポーツシーンに深く関わってきた同氏。eスポーツに関わるビジネスマンでありながら、二児の父という顔も持ちます。eスポーツ業界の歴史や市場規模、親としてゲームに対してどう接することが大切かが語られました。

 ビデオゲームを使った対戦を競技と捉えるeスポーツですが、影澤副代表によれば1980年代ごろからその潮流は続いてきたと言いい、2018年頃から全国的に各自治体や企業、学校がeスポーツに取り組むようになったとか。日本においてもeスポーツ経済の市場は大きく成長しているそうです。影澤副代表は「2020年代の新型コロナウイルスの影響は大きかったですが、やはりまだまだ右肩上がりの市場ということもありますし、大阪万博や名古屋アジア選手権大会と合わせて非常に期待されています」と指摘します。同時に「皆さんが仮にプレーヤーとしてゲーム一本で食べていけないとしても、その周辺でeスポーツやゲームに絡んだ仕事は期待できるでしょう」と強調しました。

 一方、保護者に対しては「ゲームは悪いものだというイメージをもたれるのはしょうがないなと思うんですが、やっぱりそのイメージを一回リセットしてみましょう」と語りかけます。その上で、バランスとコントロールが大切だとして、「無理にやめさせないこと」「ほかのスポーツと同じく子供がゲームで結果を残したらほめてあげること」「きちんとルールを作って守ってもらうこと」などを重要な点として挙げました。

熱いプロ講師陣による施設体験

 続いて登壇したのは、開校後に教師として生徒に授業を行うことになるプロ選手たちです。今回のオープンスクールに参加したのはTokyo Verdy e-Sportsのひゅーが選手とヨウジ選手、名古屋OJA BODY STARのオニキ選手です。いずれもeFootballシリーズやストリートファイター5といったタイトルで第一線の活躍をするトップ選手たちと言えます。教師を務めることになったことについてひゅーが選手は「現在はプロのeスポーツ選手として活動しながら、チームのマネジメントや運営、イベントの企画のようなこともやっています。裏方の仕事をしているとeスポーツのいいところ悪いところ、また学生のうちにしておいた方がいいところも見えてきています。皆さんにはそういった学生のうちにすべきいろんなことを伝えていければいいと思っています」と語りました。

ひゅーが選手
ヨウジ選手
オニキ選手

 三人の選手の紹介の後は待ちに待った体験の時間です。今回はフォートナイトのチームランブルモードで行われました。教師陣の指導を受けながら施設内のゲーミングPCや周辺機器を実際に触ることで入学後にどのような授業が実施されるかを体験できるプログラムとなっていました。

マイクを持ってコーチングするひゅーが選手。ヨウジ選手とオニキ選手は個別に生徒たちの質問に答えます

 学生の中にはこれまでゲーミングPCを触ったことがないという子もいましたが、ゲームが始まる前にプロ選手たちが優しく教えてセッティングしている様子が見られました。一方、ゲームが始まってからは、デジタルネイティブ世代ならではの順応性でスムーズにキャラクターを操作し始めます。これにはひゅーが選手も「さすがですね」と驚きのコメントです。

 体験中、ひゅーが選手は保護者に向けてもフォートナイトの簡単なルールやPCとコンソールの違いといった解説も実施。子どもたちが受けるであろう授業の一端を垣間見ることができました。

学院の詳細と今後の展開

 オープンスクールの最後には再度石原マネージャーが登壇しeスポーツ高等学院の詳細について解説しました。日本初のeスポーツ専門の学校と謳う同校ですが、一番の特徴は「指導者も環境も設備も最高のスペック」であることでしょう。Tokyo Verdy e-Sportsのプロ選手が指導し、高性能マシンを使って練習ができることはもちろんですが、石原マネージャーは「このシブヤeスタジアムが皆さんの校舎であり教室になりますが、同時に東京ヴェルディeスポーツの本拠地でもあります。つまり皆さんが朝に登校したらプロの先生がそこにいる。こんな環境は中々ありません」と強調します。

石原マネージャー

 また、他のeスポーツコースを提供している学校との差異としては「ジャンルを問わず、好きなタイトルをとことんやっていいただく」という点。一般的な通信制学校のeスポーツコースでは限られたジャンルのeスポーツタイトルしかプレーできなかったり、自分の専門ではないタイトルをプレーするしかないといったケースがみられますが、同校では自分の好きなタイトルに応じて直接指導すると言います。

 そして、石原マネージャーが最後に言及したのが「プロeスポーツ選手だけでなくさまざまなeスポーツに関する職業や進学へのロードマップを敷いていること」です。石原マネージャーは「通信制高校を卒業するための勉強と進学の勉強は全く違う」と指摘します。「3年間ゲームに熱中できる環境の中で、将来IT産業やゲーム業界などで働きたいと考えるタイミングが来るかもしれません。そういうとき、一番の近道は理系の大学です」と言います。同校では勉強が得意でない生徒に向けて教育課程を遡って個別指導を行ったり、理系に特化した形のカリキュラムを用意していることから、将来を見据えた環境が整っていると語りました。

 数々のセミナーや体験コンテンツで大きく賑わった初回のオープンスクール。自分達が今後過ごすであろう生活を目前に、会場に集まった学生たちの目が輝いているようにも感じました。

 今年の4月から開校するeスポーツ高等学院は、通信制高校の卒業を支援するサポート校という位置づけです。通信制高校と一緒に入学することで通信制高校の卒業を助けていく他、プラスアルファでeスポーツに関連した専門知識を身につけられるとしています。4月の開校での第一期生は50人前後の入学を想定しているとか。以降も継続して50人前後の入学を予定しています。今後、生徒の拡大状況によってはシブヤeスタジアム以外の拠点も開設することを検討しています。

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