コラム
2025.01.29
LIXILとSCARZの特別授業レポート、元パイロットとプロゲーマーが語る「夢中の大切さ」 共栄学園中学高等学校
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LIXILとSCARZは12月11日に、共栄学園中学高等学校で、中学2年生を対象とした特別授業「FIND YOUR CRAZY~夢中をみつけよう~」を開催しました。LIXILは2019年9月からeスポーツチームSCARZのスポンサーになり、5年以上もeスポーツ事業を続けてきました。今回はその一環としてeスポーツを題材に、何かに夢中になることの大切さを伝えるための授業となっています。
元パイロットが語る「“夢中”の探し方」
授業はLIXIL 平田知明さんの「子どもの頃になりたかった職業に就けている人は6.5%しかいない」という衝撃的な事実の発表からスタートしました。とはいえ、子どもの頃に抱いた将来の夢は時間が経つと変わることもあり、大それた数字ではないかもしれません。なりたい職業ランキングの結果も年代別で変化しており、その時のはやり廃りでも大きく変わってきます。
しかし、「実際に就いた職が好きなコト・モノであるか」というアンケートの結果も、28.4%と決して高くはありません。ほとんどの人が「好きなこと」以外の理由、報酬の高さや安定性などを基準に職業を選んでいるわけです。
平田さんも学生時代は建築士を目指し、そのための大学を選びましたが、学んでいるうちに思ったものとの相違を感じて建築士を諦めたとのこと。そこから渡米し、パイロットの資格を得て働き始めたものの、これも想像との乖離があり、スタートアップに転職。そこから現在のLIXILに移り、商品開発の部署で働き続けています。
賞品開発の部署では泡がでるシャワー「キヌアミ」を開発。美容目的で開発した商品でしたが、それ以外の層からも評価があったことを受けて多目的使用で展開したところ、これまでの10倍も売れました。
平田さんにとって、自身が開発した商品で市場動向が変化していく部分が夢中になれるところで、面白いところだと言います。LIXILの前職であるスタートアップと同様に、新しいことをする、新しい場所に飛び込むのが好きだとわかり、今に至っています。いろいろ試してみて、それが明確に分かるようになりました。
夢中になれるものはどこにあるかわからないので、気になったものはとりあえず試してみて、それが自分に合っていると感じたら、それを言語化しておくことが重要だと語りました。
“夢中”を仕事にするには?
次に登壇したのは、SCARZに所属しているストリーマーのPyonさんとプロ選手のあしも選手。Pyonさんは「レインボーシックス シージ」のプロ選手として活動したのちストリーマーに転向。あしも選手は「大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル」の現役プレイヤーとして活躍しています。どちらも好きなこと、夢中になることを職業にできている数少ない側の人たちですが、どうやって夢中になれることを職業にできたのでしょうか。
Pyonさんは当初、ゲーム好きでしたがプロ志向はなく、趣味としてして楽しんでいました。学生時代は陸上、サッカー、野球、バスケなどスポーツに傾倒し、大学は体育大学を選んでいます。何かしらの競技でオリンピックなどの国際大会に出場するのが夢でしたが、フィジカル面からそこまでの活躍は見込めず、諦めかけていたところ、アジア競技大会でeスポーツがメダル競技として採用されることを知り、eスポーツが気になるようになりました。
大学卒業後はプロチームと契約し、プロ選手として3年間活動。eスポーツはプレーするだけでなく観戦することも好きだったことが高じて、戦術や作戦などにも興味を持っていきました。競技シーンでの活躍と同時に教師になる夢も抱いていたので、eスポーツのコーチングについても興味が沸いたとのこと。さまざまな形でeスポーツに関わることで、夢中が継続していると話します。
あしも選手も最初からプロを目指していたわけではありませんでしたが、憧れは持っていたと言います。大学に進学してから「スマブラ」の大会に出場するようになり、数を重ねるごとに結果を残せるようになり、実力がついてきたのを実感。そこから将来のことを考えるようになり、プロの道を選びました。
親に相談したところ、「若いうちにやりたいことに挑戦してみるのも良いのではないか」後押ししてくれたそうです。周りには反対する人も居ましたが、いろんな意見を聞いて熟慮した結果、プロ選手として活動することに決めました。
学生時代は陸上部で長距離走に打ち込んでいたので、30分ほど孤独に戦うことには慣れていました。スマブラの個人戦では陸上で培われた経験が役立っているそうです。ほかにも将棋で学んだ、「当日慌てたところで仕方ないので、直前まで落ち着いて試合に向けて準備すること」を大切にしています。特に体調についてはしっかりと管理することで不測の事態を避けられるケースが多いと感じていて、それを怠っている人を見るともったいなく思うほどストイックです。
紆余曲折は夢中への近道
3人とも最初から決めた道筋で一直線にゴールを目指し、そこに到達したわけではありませんでした。紆余曲折がありながら、夢中になるものを見つけています。また、途中で経験したことは、夢中になるものを探すきっかけになったり、夢中になるものを活かすためのものになったりと、さまざまなことを経験する重要性を説いていました。
トークショウの後はいよいよプロゲーマーあしも選手に生徒が挑戦する「スマブラ対戦会」です。対戦は1対1と1対3の試合を用意。1試合目は1対1となります。もちろん、プロゲーマーと生徒では実力差がありすぎるので、ハンデ戦とします。ハンデは生徒が3ストックの状態であしも選手は1ストック。一度でも吹き飛ばされてしまうと負けになるあしも選手は、生徒が相手とは言え気が抜けない対戦です。しかも、対戦相手の生徒はオンラインでかなりやりこんでおり強敵です。
生徒はカズヤを選択し、あしも選手はリュウを選択。まずは3ストックずつの対戦開始となるので、あしも選手はわざと2回落下し、ストックを1の状態にします。そこから真剣勝負の開始です。
いざ始まってみると、序盤からカズヤが猛攻を仕掛けダメージを稼ぐ展開。これは予想外でしたが、あしも選手はプロの意地を見せ反撃し、順調に相手のストックを削ってイーブンの状態に。しかし、この時点でリュウのダメージは110%。カズヤの吹き飛ばし攻撃がヒットすれば、敗北もあり得る状態です。そんな緊張状態のなか、カズヤの技ありの攻撃がヒット。あしも選手の操るリュウは大きく吹き飛び、そのままステージに戻ってくることはありませんでした。
2戦目はあしも選手1人対、生徒3人の対戦です。本来であれば1試合目を勝ったあしも選手により厳しいハンデを突きつけて生徒のリベンジを促す予定でしたが、あしも選手がリベンジする立場になってしまいました。
肝心の試合はまさに多勢に無勢と言った様相。あしも選手はひとりずつ相手取り人数を減らしていく作戦でしたが、生徒3人がうまく連携し1対1になる状況を作らせず、数的有利を保ち続けました。結局、あしも選手はひとりも倒せずに敗北。かなり悔しい表情を浮かべていましたが、生徒にとっては人前でのプレーやプロの仕事を間近で見ることができたので、夢中を見つけるきっかけになったのかもしれません。
LIXILとSCARZの懸け橋とは
最後にLIXILスポンサーシップマーケティングチーム シニアアドバイザー 大矢尚史さんにLIXILがSCARZもしくはeスポーツを支援する理由と目的について聞いてきました。
大矢尚史さん LIXILは住まいの水回り製品やドア、窓などを手がけるメーカーです。家の設備を気にする方々がターゲットとなるため、ユーザーの年齢は自然と高くなり、若年層にリーチできるポイントが少ないと言えます。一方、eスポーツは新しいカテゴリーであり、競技シーンとしても男女差もなく、先に言った課題を補完するものだと考えています。そこで2020年から本格的に支援をさせていただきました。SCARZを選んだ理由はオーナーと知り合いだったことや、「FIFA」でチャンピオンになったSCARZの選手が鹿島アントラーズのファンだったことがきっかけですね。そこで鹿島アントラーズと関わりがあるLIXILとして、鹿島アントラーズと絡めて支援を始めることになりました。
大矢さん SCARZを支援するようになってから、SNSのアカウントを通じて、多くの人にLIXILを知ってもらうことができました。目的としていた若い世代にも知ってもらえました。現状、LIXILと若い世代が直接関わることは少ないと思いますが、将来的にLIXILが必要となったときに少しでも思い出して貰えれば良いかなと思っています。もちろん、家族へのフィードバックから親世代がLIXILに興味を持って貰えれば、それも嬉しいことです。
今後もSCARZが川崎市とイベントを開催するようなことや、何か施策を行うことがあった場合は、そこに協力していきたいと思います。ゆくゆくはLIXILのショウルームとかでゲームイベントをやってSCARZの選手にも来て貰えるようになると良いですね。
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外部リンク
LIXIL
https://www.lixil.co.jp/
SCARZ
https://www.scarz.net/
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