コラム
2023.06.23
部活設立サポートから練習試合の募集までできるNASEF JAPAN加盟校向けサイトを覗いてみた
- 高校eスポーツ
高校でeスポーツに取り組むためには何から始めればいいのか──。その答えを持っているのが北米教育eスポーツ連盟 日本支部(NASEF JAPAN)です。同団体は、eスポーツに取り組むことの意義や部活の作り方、指導方法、運営する際のポイントなど、eスポーツ部に関する幅広いノウハウを備えています。さらに加盟校として登録した学校には、練習試合の募集掲示板や授業でのゲームの扱い方などを提供しているとのこと。加盟校専用のページは何ができるのか、少しだけのぞいてみました。
NASEF JAPANのHPには、eスポーツや部活動に関わるあらゆる情報が掲載されています。代表的なものは「eスポーツ部運営マニュアル(準備編)」。新たにeスポーツを設立する場合に必要な要素を先生向けに解説しています。このほか、同団体と大学の共同研究やeスポーツの教育的な活用事例などを掲載しています。
一通りサイトを閲覧するだけでも得難い情報であふれていますが、加盟校向けの特典に真価があります。NASEF JAPANの広報を担当している日高さんの案内で、その内側を垣間見ることしました。
加盟校になると?
NASEF JAPANの加盟校ページでは、大きく分けて、「教育コンテンツ」「主催イベントや大会、アーカイブ」「フェロー教員限定ページ」の三つのコンテンツを用意しています。
eスポーツを活用した教育コンテンツ
教育コンテンツのコーナーは加盟校限定ページの中核ともいえるページです。学校でいえば、先生のような役割でしょう。実際の指導を通して培った経験に基づくカリキュラムの指導案や年間のシラバス、eスポーツ部の運営に役立つ部活マニュアル、使用した教材、部活の運営体制、行動規範、さらに部活動レポートなど、すぐにでも参考にできる情報を公開しています。
eスポーツをきっかけにICT人材の育成にも力を注ぐため、プログラミング学習の教材も用意。セガが提供するぷよぷよを使ったプログラミング教材「ぷよぷよプログラミング」は“先生用”と“生徒用”の2種類があります。実際の教育の現場で使用された教材も保管しています。
高校eスポーツ部のコミュニティを活性化させるため、加盟校同士で交流する掲示板を用意しています。練習試合の募集や日々の悩み事などを共有する場として運用していく予定です。
今後の施策として、フェロー教員によるeスポーツを題材にした授業の様子を動画として公開することも検討しています。カリキュラムを具体的にどのように使うのか解説するには、文字だけより動画のほうが分かりやすいという考えです。
共同研究のタブでは、大学の研究機関と共同で実施した調査や研究の結果を公開しています。現在公開している「『日本の高校教育におけるeスポーツ活動の実態と課題』からみるスポーツ活動の実態と課題と解決方法とは」も大変興味深い内容です。他校の部活がどのようなタイトルに取り組んでいるのかといったアンケート結果の集計や、グループインタビューの結果など、eスポーツ部に関するリアルな声が集まっています。
高校生の活躍の場
主催イベント・大会のコーナーは、学校でお知らせやチラシが貼ってある掲示板のような場所です。名称の通りNASEF JAPANが主催する「eスポーツ国際教育サミット」などのイベントや「全国高校eスポーツ選手権」「NASEF JAPAN MAJOR」といった大会の情報にアクセスすることができます。これにあわせて先々の予定を立てたり、練習内容を見直したりと活用できそうです。
これら以外にも、過去のイベントや大会の結果、試合の様子を記録した動画も公開しています。全国高校eスポーツ選手権やNASEF JAPAN MAJORの様子を見れば、eスポーツの大会がどのようなものなのか垣間見ることができるほか、eスポーツ国際教育サミットを見ればeスポーツを通して生徒がどのように成長するのかが分かるはずです。
フェロー教員限定
フェロー教員の限定ページには、掲示板や海外の教材を翻訳したものなどがあります。翻訳された教材を日本の教育現場で活用できるよう調整したり、eスポーツを教材として使おうと考えている先生に、使い方を伝える資料を共有していたりと、“先生の先生”のための職員室のようなページです。
高校eスポーツで迷ったらに駆け込むサイト
NASEF JAPANの加盟校向けポータルサイトは、これだけのものが揃っていながら、登録さえすれば無料で利用することができます。「高校でeスポーツに取り組みたい」「eスポーツに取り組み始めたけど何をどうしたらいいのかわからない」などの悩みがある場合は、NASEF JAPANのポータルサイトで解決方法が見つかるはずです。
見つけるのが難しい場合でも、掲示板でたずねることができます。eスポーツの活用方法について議論するのも一つの使い方です。サイトの情報を集めれば、eスポーツに反対意見を持つ先生・保護者の説得材料にもなるでしょう。
eスポーツ部を運営するにあたって担当する先生に求められるのは、ゲームの腕前や知識ではありません。部員がeスポーツを通じてコミュニケーションの取り方や目標に向けた取り組み、そして“青春”を謳歌できる場を用意することが先生の役割です。ゲームの指導役に悩む場合は掲示板で相談すれば、なんらかの解決手段は見つかりますが、部員の生活や取り組む姿勢の指導は先生にしかできません。
NASEF JAPANの加盟校向けポータルサイトは、引き続き、先生の声を取り入れながらデザインや内容を更新していくとのこと。ゲームに情熱を傾ける生徒のかけがえのない居場所をつくるためにも、活用したいサイトです。
■関連記事
■外部リンク
NASEF JAPAN
https://nasef.jp/
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