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2023.10.04

ゲームにおける「ヘイト」とは?意味や使い方を解説!

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 ゲームをしているなかで、「ヘイト」という言葉を聞くことがあると思います。ゲーム内で使われるヘイトという言葉には、一般社会で言うヘイトとはやや異なる意味や使い方があります。

 そこで今回は、ゲームにおけるヘイトについてわかりやすく解説していきます。

ゲームにおける「ヘイト」とは

 ゲーム内のヘイトとは、主に敵から攻撃対象として認識されることを指します。

 ゲームのジャンルによって細かい点は異なりますが、ヘイトが集まったキャラクターには敵の攻撃が集中します。そのため、HPや防御力が高い特定のキャラクターに意図的に攻撃を集中させれば、ターゲットが分散して防御力が低いキャラクターに致命傷がいくリスクを下げ、パーティーの勝率を上げることができるのです。

 このように、意図してヘイトを集めることを「ヘイトコントロール」と呼びます。特に、複数のプレイヤーが参加して強力なモンスターと戦うMMORPGなどではヘイトコントロールが鍵を握るので、パーティー内での役割分担がより一層重要になります。

ヘイトが上がる行動

 MMORPGのように「敵」がシステム(NPC)の場合、意図的にヘイト値を上げて自分自身に攻撃を集中させることができます。ゲームの仕様によるところがありますが、基本的には、敵への強力な攻撃や大規模な回復、特殊なアクションを行うとヘイト値が高まるタイプが多いです。

 一方、FPSをはじめとするPvP(プレイヤー対プレイヤー)形式のゲームでは、行動によってヘイト値を上げるのではなく、囮(おとり)として敵プレイヤーの目を引くようなプレースタイルが要求されます。

ヘイトシステムと関連が深いロールとは

 ヘイトを集める役のプレイヤーは、ある程度敵の攻撃に耐えられる必要があります。そのため、HPの高いタンクや、敵の攻撃をかわしたり止めたりするスキルを持つキャラクターが、ヘイト値を高めて敵の攻撃をひきつける役割を担うことが一般的です。

 ただし、タンクでも敵の攻撃を無限に耐え続けることはできません。基本的には、ヒーラーがタンクのHP回復を担当して時間を稼ぎながら、DPS(1秒間の攻撃力)が高いアタッカーがメインとなって敵にダメージを与える、といった役割分担が重視されます。

 とはいえ攻撃や回復もヘイト値を高める行動としてシステムに組み込まれていることがほとんど。そのためパーティーは、アタッカーやヒーラーがタンクよりもヘイトを貯めないよう、立ち回りに気を配る必要があります。自分勝手に強力な攻撃を連発したり、必要以上のヒールを繰り返したりすると、タンクが上手く敵を引き付けられなくなります。

英単語「hate」の意味と派生語

 「ヘイト(hate)」という英単語には、「憎む」「嫌う」といった意味合いがあります。「I hate carrots.(私はニンジンが大嫌い)」という具合に食べ物の好みを示すときにも使う単語です。

 ヘイトという言葉を使った熟語でよく耳にするのは、ヘイトスピーチやヘイトクライムなどでしょう。ヘイトスピーチは単に「〇〇が嫌い」という意見表明ではなく、人種や宗教などに対する偏見に基づいて攻撃的な発言をすることを指します。また、ヘイトクライムは、人種や宗教への偏見に起因して行われる犯罪です。

 ゲームの世界では「ヘイトを集める」行動はパーティーの勝利に貢献しますが、リアル社会のヘイトスピーチやヘイトクライムといった言葉にはプラスの意味はないので混同しないよう注意してください。

ヘイトという言葉が使われる代表的なゲームジャンル

 ここからは、ヘイトという言葉が使われる代表的なゲームをジャンルに分けて解説します。

RPG(MO・MMORPG)

 RPGでは、敵が攻撃目標を定めるパラメーターとして、「ヘイト値」がシステムに組み込まれているものが多数あります。

 プレイヤーはヘイト値を確認できませんが、特定の行動をすることでヘイト値が上がることを理解することは可能です。そのため、ヘイトコントロールは強敵への勝率を高める戦略のひとつとして有効になります。

エバークエスト

 「エバークエスト」は1993年にアメリカでリリースされたMMORPGで、「EQ」と表記されることもあります。ヘイトシステムを導入した草分け的存在として知られており、後述する「FINAL FANTASY XI」のヘイトシステムは「エバークエスト」の影響を受けていると言われています。

 ヘイトシステムは、敵NPCに不利となる行動をするとシステム上でヘイト値が増大し、NPCから優先的に攻撃されるように意図的にプログラムされているゲームシステムの総称です。エバークエストでは、アタッカーやヒーラーはNPCの攻撃で瞬殺されてしまうこともあるので、HPが高いタンクがヘイトを集めることが勝利に直結します。

FINAL FANTASY XI(XIV)

 「FINAL FANTASY XI」と「FINAL FANTASY XIV」は、大人気シリーズ、ファイナルファンタジーのMMORPGで、ヘイトのことを「敵視」や「敵対心」と表現しシステムに取り入れています。

 敵視は敵にダメージを与えたり、弱体化させたり、プレイヤー間で回復や強化がおこなわれたときに増大します。また挑発やスタンスなどの特殊アビリティでも上昇させることができます。

 敵視がどの程度なのか、プレイヤーは実数値を知ることができません(FINAL FANTASY XIVではヘイト量がゲージで可視化されています)。しかし、システムを理解していればある程度攻撃のターゲットをコントロールできるので、闘いを有利に進めやすくなります。

ドラゴンクエストX

 「ドラゴンクエストX」は2013年にリリースされたMMORPGです。この時期にはすでに、前述の「エバークエスト」のようなヘイトシステムを導入したMMORPGが多数出ています。しかし、「ドラゴンクエストX」は従来のヘイトシステムとは異なる「移動干渉」という仕組みを導入しました。

 「移動干渉」とは、ゲーム内で敵キャラを「押す」ことで足止めし、他のプレイヤーへの攻撃を防ぐ行動です。(その行動から「相撲システム」とも呼ばれています)

FPS

 RPGとは異なり、プレイヤー同士が対戦するPvP(プレイヤー対プレイヤー)前提のFPSでは「ヘイト」が数値として扱われることはありません。ただし、敵の注意を引き付けて戦闘を有利にする行動はあり、これを「ヘイトを買う」と表現します。また、タイトルによってはロールによる役割分担が重視される場合もあります。

オーバーウォッチシリーズ

 「オーバーウォッチ」はチーム対戦形式のFPSで、2016年にBlizzard Entertainment社からリリースされています。

 「オーバーウォッチ」にはタンク、オフェンス、ディフェンス、サポートという4種類のロールが存在します(「オーバーウォッチ2」ではタンク、ダメージ、サポートの3種類)。

 ヘイトに関してはHPが高くバリアなどをつかえるタンクが担当し、チームの盾となる役割を担います。また、サポートは回復やバフを担当して全体を支えるなど役割分担が明確なタイトルです。

【まとめ】ヘイトについて理解を深め、ゲームを楽しもう!

 ヘイトシステムが理解できれば、タンクのときにどのような装備をそろえるのか、どんなプレーをすればいいのかなど、自分の役割に応じた立ち回り方を明確に決められるはずです。またPvPのFPSでも、相手の「ヘイトを買う」ことでチームの勝利に貢献できるようになるでしょう。

 ジャンルやタイトルごとにヘイトシステムには若干の違いがありますが、全般的なヘイトの知識を付ければ、どんなゲームでも楽しくプレーでき、実力もついていきます。ぜひこの機会にヘイトについて理解し、ゲームを楽しみましょう。

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