コラム

2024.10.29

注目コーナーを振り返る 東京ゲームショウ2024 ゲームアカデミーコーナーにも昨年上回る55校が出展!

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 今年も幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2024。

 ホール1に設けられたゲームアカデミーコーナーには、東京情報大学、ルネサンス高校グループ、アーツカレッジヨコハマなど、昨年を上回る55校が出展。全国の専門学校や大学から参加した学生たちが、自身の力作を披露しました。

東京実業高等学校の生徒たちと先生


 海外からの来場客も多数見られ、学生たちが作ったクリエイティビティ溢れる作品を楽しんでいる様子が印象的でした。

(取材・文/小川翔太)

「東京ゲームショウ2024」

 「東京ゲームショウ2024」は、9月26日~29日まで(26日~27日はビジネスデイ、28日~29日は一般公開日)の4日間、幕張メッセにて開催されました。

 今年は、ビジネスデイの初日2日間だけで8万7000人以上が来場し、昨年の6万9815人を大きく上回る結果となりました。

 また、今回のTGS2024では、出展社数が985社、出展小間数が3252と、いずれも過去最多を更新。

 今回取材したアカデミーブースも大盛況で、最新技術やコンテンツの発表を一目見ようと、多くの学生や業界関係者が足を運んでいました。各アカデミーが特色ある展示を行っており、来場者たちは次世代のゲームクリエイターたちの熱意や斬新なアイデアに触れ、貴重な機会を楽しんでいました。

ゲームアカデミーコーナーの注目ブースをピックアップ!

 昨年に引き続き、今年もユース世代を応援すべく、ゲームアカデミーコーナーを取材。

 各ブースの担当者や生徒に話を聞きました。

学校法人 岩崎学園

創業者岩崎春子を現代版にしたキャラクター
HARUKOに扮するコスプレイヤーのミンミコさん


 学校法人 岩崎学園は、情報科学専門学校と横浜デジタルアーツ専門学校を運営しており、ゲームクリエイターやeスポーツのイベントに携わる学生を育成しています。今回のブースでは、学生によるゲーム作品の展示や、横浜を拠点とするeスポーツチーム「VARREL」との連携イベントが行われ、多くの来場者が集まりました。

 ブースでは、学生たちが制作したゲームが展示されており、来場者に対しての説明も学生自らが担当します。さらに、今年は海外からの来場客も目立ちましたが、言葉の壁がありながらも頑張って対応していました。ブースにいた学生に将来の夢について聞いてみたところ、ゲームプランナーとしてプロジェクトを支えたいとのことでした。ゲーム制作の核となる部分でのキャリアを目指しているそうです。

横須賀の名物「スカジャン」も展示


 また、岩崎学園は「横浜GGプロジェクト」や「Yokosuka e-sports Partners」など、地域のeスポーツ活性化プロジェクトにも積極的に参画しています。学生たちはイベントの運営サポートや演出に携わりながら、実践的な経験を積んでいます。

尚美学園大学

入学時と入学後で専攻を柔軟にシフトできるのが尚美学園大学の強みだそう


 尚美学園大学のブースでは、マルチメディア分野における総合的な教育プログラムが紹介されました。同校では、音楽や映像制作だけでなく、CGやAIを活用した新技術や、様々な分野でのトータルマルチメディア制作に力を入れているそうです。

 特筆すべきは、一つの作品を単独で制作するのではなく、学生がそれぞれ異なる専門分野で協力し、コンテンツを応用・発展させる点です。このアプローチにより、学生は専門分野の技術だけでなく、「作品を世の中に広める方法」まで幅広く学ぶことができます。

自身が制作したVR作品を紹介してくれている学生たち


 尚美学園大学の教育スタイルのもう一つの特徴は、制作からプロモーションまで一貫して指導を行うこと。学生がただ作品を制作するだけではなく、完成した作品をどのように社会に広め、評価を受けるかまで、実践的に学ぶ環境が整っています。例えば、ポートフォリオの作成においても、同校は最新の技術を取り入れ、学生がインパクトのある方法で自己アピールできるよう支援しています。

 また、「クロスオーバー学習制」により、入学時に選択した専攻分野を途中で変更したり、ミックスしたりして学ぶこともできます。例えば、会場でインタビューした学生は、当初は音響と映像を学びたくて入学したものの、現在はSNSについても学んでいるそうです。

専門学校 東京クールジャパン・アカデミー


 渋谷区千駄ヶ谷に位置する専門学校 東京クールジャパン・アカデミーは、ゲーム業界で活躍するプロを育成しており、昨年40周年を迎えた伝統ある専門学校です。

 1999年から25年連続で東京ゲームショウに出展しており、今年も学生たちが手掛けたオリジナルゲーム作品を展示し、多くの来場者の注目を集めました。

 同校では、ゲームプランナー、プログラマー、デザイナー、サウンドクリエイターなど、ゲーム制作に関わる全ての要素を学べる環境が整っています。学生は、ゲームの企画からプログラミング、音楽や声優の発注まで、制作の全過程を学内で体験でき、まるで実際のゲーム制作現場で働いているかのような実践的な経験を積むことができるそうです。

自身が制作したVR作品を紹介してくれている学生たち


 担当者の方からは、学生が1からオリジナルゲームを作り上げることができる東京クールジャパン・アカデミー独自の教育方針を紹介してもらいました。

 チーム制作を通じてコミュニケーション力やビジネス感覚も身につけられるとのことです。こうした経験を経た卒業生は、ゲーム業界のみならず、アニメや映像業界など、幅広い分野で活躍しています。

バンタンゲームアカデミー 

普段は異なる地域で学んでおり、
東京ゲームショウの会場で初対面を果たした生徒たち


 バンタンゲームアカデミーのブースは、生徒たちが制作したVRゲームを中心に、多彩な作品が展示されていました。同校の最大の特徴は、講師が全員現役のクリエイターで、最前線の技術をリアルタイムで学べる点です。

 常に最新のトレンドをカリキュラムに反映させることができ、生徒たちは実社会で求められるスキルを即座に習得できる点が同校の強みだそうです。

生徒とクリエイターが共同で制作した本格的なVRゲーム


 今回の展示では、企業と連携して制作した多種多様なゲームが紹介されており、生徒たちはプロのクリエイターからの監修を受けながら、本格的な作品を完成させていました。

 単なる技術習得にとどまらず、チームでのコミュニケーションやプロジェクト管理など、ビジネススキルも身につける環境が整っているので、卒業後は即戦力として活躍できます。

 バンタンゲームアカデミーは、特に豊かな想像力とクリエイティブな発想を持ち、自分の手で楽しいゲームを作り上げたいという生徒にとって、理想的な学びの場だそうです。

多様化が進む各校の出展ブース

 今年の「東京ゲームショウ2024」では、各専門学校や大学のブースがさらに個性を発揮し、学生たちが手掛けた作品や教育方針が一層際立つ内容となっていました。

 ゲームアカデミーコーナーでは、単なる作品展示に留まらず、AIやVR技術を駆使した体験型コンテンツなど、新しいアプローチを取り入れたブースが目立ちました。

 来年はどのような展示が見られるのか、今から楽しみです。

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外部リンク)

東京ゲームショウ2024
https://tgs.nikkeibp.co.jp/tgs/2024/jp/

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