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2021.05.31

MOBAとは?eスポーツでの代表的なタイトルも紹介

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 「リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)をはじめ、eスポーツ業界において主要な競技と言えるタイトルが数多くある「MOBA」。「MOBA」というゲームジャンルは具体的にどんな内容のものなのかご存知でしょうか?

 今回はMOBAについて、大まかなゲーム性と代表的なタイトルを紹介します。これまでMOBAをプレーしたことがない方も、本稿を参考に気になるタイトルを見つけてみてください。

MOBA(Multiplayer Online Battle Arena:マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)とは

 MOBA(Multiplayer Online Battle Arena:マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)は、プレイヤーがチームに分かれて陣地を争い、互いの本拠地の破壊を目指すゲームです。もともとはRTS(Real Time Strategy)というジャンルから派生して誕生したものですが、現在は一つのゲームジャンルとして確立し、eスポーツ業界でもMOBAタイトルの大会が多数開かれています。

 ゲームタイトルにもよりますが、多くのMOBAにはそれぞれ異なった特徴を持つ複数のキャラクターがおり、プレイヤーは好きなキャラクターを選択して試合に臨みます。キャラクターによって得意不得意があるので、チーム内で相談して自分がどのような役割を担うか考え、試合の進行状況によって立ち回りを変えつつチームメイトと連携しながら勝利を目指すチームプレーが醍醐味と言えるでしょう。また、敵の攻撃からの回避や範囲攻撃の指定などアクション要素は残しつつも、敵キャラクターに対する攻撃はオートエイムであることが多いため、シュータージャンルと比べて操作が易しい部分があります。そして、装備やアイテム、それらを購入するための資金、経験値によって上昇するキャラクターのレベルといったRPG(ロールプレイングゲーム)に似た概念があることが多いのも特徴の一つです。

RTS(Real Time Strategy:リアルタイムストラテジー)との違い

 MOBAの元となっているRTS(Real Time Strategy:リアルタイムストラテジー)とMOBAの違いは、「プレイヤーの人数」にあります。

 RTSでは1人のプレイヤーが自チームのキャラクターすべてを操作するのに対し、MOBAは複数のプレイヤーがチームを組み、1プレイヤーにつき1キャラクターを操作します。チーム競技であるMOBAは、メンバーとの協力・連携や、効果的な戦略を練ることがより重要となるゲームです。

MOBAで求められるスキル

 MOBAタイトルのプレイヤーに求められる、試合に勝利するために必要な3つのスキルについて解説します。

戦略性・状況判断能力(立ち回りの柔軟さ)

 MOBAでは、自身・チームメイト・敵チームの選択するキャラクターやチームが目指す戦略によって、試合ごとの展開がまったく異なります。そのため、その場の状況から適切な判断を下し、より効果的な行動をとることが勝敗を左右します。直感的なひらめきも重要ではありますが、囲碁や将棋のように「こういったときはこう動くべき」という定石のようなものも存在するため、試合を繰り返してそれらを身に着けることが大切です。一見これらは自身の行動を狭めるようにも思えますが、相手の目的や戦略の理解にもつながるため、より深みのある動きを取れるようになるでしょう。

チームワーク

 プレイヤーがチームを組んで戦うMOBAでは、チームメンバー同士の連携なしに勝利をつかむことはできません。多くのタイトルではチーム内で同じキャラクターや同じロール(攻撃や防御などキャラクター毎が持つ得意分野や役割のこと)を選択することはできないため、自分の不得意な領域はチームメイトに補ってもらう必要があります。チームメイトとしっかりコミュニケーションを取り、協力してプレーする能力がとても重要なのです。

 基本的にはVC(ボイスチャット)で会話することになるかと思いますが、声を出すことが難しければ、チャットやゲーム内のシグナルでコミュニケーションをとりましょう。どんな形であれ、積極的に状況報告と意思表示をしていくことが大切です。きっと味方はそれに応じた行動をとってくれるでしょう。また、味方からのコミュニケーションが少ないこともあるので、余裕があればマップやゲーム内のログを確認する癖を付けておくと事故を防げるようになります。

各ユニットの能力などのシステム面の把握と経験

 試合中に効果的な戦略を立てるためには、自分のチームや敵チームのキャラクター(ユニット)能力やゲームシステムについて深く理解している必要があります。MOBAのゲームタイトルには膨大な数のキャラクターがいることが多いほか、バフ・デバフ(キャラクターが得られるメリットとデメリット)や装備品・アイテムの種類もさまざまです。知識として吸収することはもちろん、試合を繰り返して体で記憶していくことで磨かれるスキルなので、長くプレーを重ねて多くの経験を積みましょう。

eスポーツで代表的なMOBAタイトル

 eスポーツ業界で多数の大会が開催されているMOBAの代表的なタイトルを3つご紹介します。

リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)

 「リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends、LoL)」は、ライアットゲームズが開発し2009年に配信が開始されたPC向けタイトルです。プレイヤーは150種類を超える豊富なチャンピオン(操作キャラクター)の中から好きなものを選択し、5対5のチームに分かれて敵本拠地(ネクサス)の破壊を目指します。12年には1日のアクティブプレイヤー数が1200万人を超え、同時接続数が300万に達したことで「世界でもっともプレイヤー数の多いPCゲーム」となりました。17年には日本でも正式サービスが開始され、MOBAの代表的タイトルとして国内外で絶大な人気を誇っています。

 LoLの特徴はやはり圧倒的なチャンピオンの数にあります。MOBAでは操作キャラクターの数だけ戦略と対応策が生まれますが、現在150以上のチャンピオンが揃っているLoLはその選択肢の広さが人気の一つと言えるでしょう。どのチャンピオンも魅力的で、彼らを着飾るスキンも豊富に用意されています。きっと自分のお気に入りが見つかるはずです。

 また、eスポーツとしてのLoLは、歴史の深いゲームでありながら、いまだに活気のある状況が続いているタイトルです。全世界の各地域で大会が開催されているほか、世界一を決める「League of Legends World Championship」では賞金総額が約7億円にまで達する年もありました。今後もこの流れが継続することが期待されます。

ドータ2(Dota 2)

 「ドータ2(Dota 2)」は、Valve Corporationが開発し2013年に発売されたPC向けタイトルです。冒頭、MOBAはRTSから派生したジャンルだと説明しましたが、まさにValve Corporation が開発したRTS「Warcraft III」のMOD(拡張コンテンツに似た改造ツール)がMOBAの元祖ともいえる「Defense of the Ancients(Dota)」でした。Dota 2はその後継作です。毎年8月に開催されているドータ2の世界選手権「The International」は、世界最高の賞金総額を誇るeスポーツ大会として有名で、30億円を超えることも珍しくありません。その理由は、ゲーム内で販売されるスキンなどの課金収入から賞金が捻出されるというシステムにあり、この賞金総額の高さはそのままプレイヤー人口の多さと熱量に比例していると言えるでしょう。

 基本のシステムは、10人のプレイヤーが5対5に分かれて対戦し、敵チームの本陣(エンシェント)を先に破壊したチームの勝利という王道MOBAです。操作キャラクターも約120と多め。しかし、他作品との大きな違いはアイテムや装備品周りのシステムが特徴的なこと。単純にそれらの種類が多く一つのキャラクターをさまざまな方向へ成長させられるほか、購入したものを配達してくれる「クーリエ」という機能があります。LoLではアイテムを購入する際に自陣に戻ってショップを開く必要がありますが、Dota 2ではいちいち戦場から離れる必要がなく、戦闘のストレスが少ないことも特徴でしょう。

伝説対決(Arena of Valor)

 「伝説対決(Arena of Valor)」は、TiMi Studiosが開発し、テンセントゲームズによって2015年に配信開始された本格MOBAジャンルのモバイルタイトルです。18年にはNintendo Switch版のサービスも始まりました。

 これまでもモバイル版MOBAはありましたが、LoLライクな本格MOBAで売れた作品は、同作が代表的です。その特徴は、eスポーツ競技としてメジャーな5v5モードの他にもさまざまなルールが用意されていること。3v3の短時間なマッチや、パーティーゲーム的なモードも実装されています。また、他作品とのコラボが多くいことも魅力の一つで、アメコミキャラや三国志などで登場する代表的なキャラクターを操作できます。100種類を超えるヒーロー(操作キャラクター)から好きなものを選びましょう。スマホゲームであるだけに気軽にプレーできるので初心者もとっつきやすいかもしれません。

 ちなみに、eスポーツとしては18年に開催された初の世界大会「Arena of Valor World Cup」が賞金総額約5500万という規模の大きさで話題となり、現在もeスポーツ業界における主要な競技タイトルとして名を連ねています。

まとめ

 eスポーツ業界において大きな盛り上がりを見せているゲームジャンル「MOBA」について紹介しました。”PCでやるゲーム”という認識がやや強かったMOBAですが、2020年にはリーグ・オブ・レジェンドのスマホ版にリメイクした『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』が配信開始されるなど、スマホでも気軽にプレーできる環境が整ってきています。

 チームプレーが基本であるMOBAは、個人よりも仲間との協力を楽しみたいゲーマーに人気のジャンルです。本記事で紹介した人気タイトルを参考に、友人や仲間と一緒に楽しんでみてください。

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