解説

2021.05.21

TPS(Third Person Shooter)とは?eスポーツでの代表的なタイトルも紹介

記事をシェア
エックス
フェイスブック
ライン

 「フォートナイト(FORTNITE)」や「プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)」を筆頭に世界中で広く普及している「TPS(Third Person Shooter:サードパーソン・シューター)」。TPSは一種のゲームジャンルを示す言葉ですが、具体的にどんなゲームなのかご存じでしょうか?

 今回はTPSについて、そのゲーム性の解説や人気タイトルを紹介するとともに、並べて語られることの多いゲームジャンル「FPS(First Person Shooter:ファーストパーソン・シューター)」との違いをまとめました。

 TPSというジャンルにこれまで触れたことがない方も、お気に入りのゲームタイトルを見つける参考にしてみてください。

TPS(Third Person Shooter:サードパーソン・シューター)とは

 TPS(Third Person Shooter:サードパーソン・シューター)とは、自分が操作するキャラクターの背中越しの視点(第三者の視点)で進行する3Dシューティングゲームです。

 日本企業が開発している人気ゲームタイトルは、ジャンル問わず第三者視点のものが多いため、そのようなゲームに慣れている方にとっては、初めて3Dシューティングゲームに触れる際、TPSはやりやすく感じることが多いかもしれません。

 TPSの大きな特徴は、画面に映る視界が広いため操作キャラクター周辺の状況把握がしやすいこと。そのため、勝利するにはより高度な戦術・立ち回りのテクニックが求められます。

FPS(First Person Shooter:ファーストパーソン・シューター)との違い

 TPSと並べて語られることの多いFPS(First Person Shooter:ファーストパーソン・シューター)。『エーペックスレジェンズ(Apex Legends)』などのタイトルが有名ですが、TPSとの最も大きな違いはプレイヤーの視点です。

 FPSはプレイヤーが操作するキャラクターの視点でゲームが進行します。当然操作キャラクターが画面に映ることはなく、基本的に手元や所持している武器などが見切れる程度です。TPSと比べて自分の目の前でバトルが繰り広げられているかのような臨場感があり、よりゲームの世界観に没入することができます。

TPSで求められるスキル

 TPSはプレーするだけでも楽しいのですが、勝利したときの快感には代えがたいものがあります。しかし、TPSゲームで勝つためにはさまざまなスキルが欠かせません。そこで、今回はプレイヤーに求められる特に重要なスキルを紹介します。どれも経験を積むことで磨きがかかるものなので、強く意識しながら練習することで勝率のアップにつながるかもしれません。

エイム能力

 エイム(aim)とは、「狙いを定める」「狙う」という意味の言葉。シューティングゲームでいうエイム能力とは、短い時間で正確に武器の照準を合わせられる技術のことを指します。

 もともとシューティングゲームで、動き続ける敵に対して暴れる照準を合わせ続けることは初心者にとっては非常に難しいでしょう。その上、操作キャラクター周辺の状況把握がしやすいTPSにおいては、FPSに比べて視点移動が多くなりがち。よりシビアな局面も多くあります。

 エイムは繊細な操作のため、感覚を体に染み込ませるため繰り返し練習することが必要です。使用する武器や体制によって照準の動きが変わるため、各ゲーム内の練習モードでさまざまなシチュエーションを想定して反復練習をしましょう。

立ち回りの判断力

 例えば、丘の上にいる敵チームに対して自分が今いる場所から投擲武器を使って攻撃を仕掛けるか、右側から回り込むか左側から回り込むか……といったような戦略を考える能力です。試合中は自分がどう動くかを瞬時に判断しなければならず、立ち回りの判断力は勝敗に直結します。

 ここで重要になる情報は、敵の位置と目的です。足音や銃声を参考にして敵の位置を把握しつつ、相手は今何をしたいのかを考えることで、有利な立ち回りをするための材料になります。まずはしっかりと音を聞き、判断材料を集める癖をつけるようにしましょう。

 TPSはプレイヤーから見える画面の範囲は広いため、FPSのプレー画面では見えないような方向・角度で動いている敵プレイヤーにも気づけます(もちろん敵側も同じように自分の動きが見やすいです)。状況によっては、スニーキング(隠れる)などの行動が求められることもあります。

eスポーツで代表的なTPSタイトル

 eスポーツシーンにおいて、TPSは主要な競技ジャンルの1つです。数あるタイトルの中でも多くの大会が開催されており、人気があるTPS作品を4つご紹介します。

フォートナイト(FORTNITE)

 『フォートナイト(FORTNITE)』は、Epic Gamesが開発し、2017年に配信が開始されたタイトル。基本的なバトルシューティングに加えて、戦いに有利にするための足場や壁を「建築する」という要素があり、戦術を考える楽しみが強いゲーム性が人気です。

 一方で、競技性の高いバトルロワイヤル以外にもPvEやクリエイティブなど、さまざまなモードが用意されており、老若男女を問わず誰でも気軽に始めることができます。現在ではTPSの代表格として世界的に普及しているゲームタイトルです。

 現在はPC、PS5、PS4、Xbox One、Nintendo Switch、Androidでプレーすることが可能です。eスポーツ競技の中でも特に10代?20代の若い世代からの人気が顕著で、各国で開催されている大会では10代半ばという若さで数億円もの高額賞金を獲得する選手が現れ、たびたび話題になっています。

プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)

 『プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)』は、韓国のゲーム制作会社Blueholeの子会社であるPUBG Corporationによって開発され、2016年に発売されたタイトル。最大100人のプレイヤーが同じマップ内に降下し、マップ内に落ちている武器やアイテムを集めつつ、銃撃戦でトップを争う王道バトルロワイヤルです。

 今となっては一般的なゲームシステムのバトルロワイヤルですが、PUBGリリース当時はゲーマー間で話題となっていた程度。同作がバトルロワイヤルのゲームシステムをライト層まで押し広げたといっても過言ではないでしょう。まさにバトロワの火付け役的なタイトルと言えます。

 Windows、PS4、Xbox One、Android、iOSでプレーすることができます。スマホ版の『PUBGmobile』は公式eスポーツ大会が開催され、有名プロゲーマーチームも続々参入するなど、スマホ向けのeスポーツ競技として発展を見せていることでも話題のタイトルです。

荒野行動(KNIVES OUT)

 『荒野行動(KNIVES OUT)』は、中国のNetEase Gamesが開発・運営するバトルロワイヤルTPSです。2017年にスマホ向けにリリースされ、上記のPUBGに似たゲームシステムを持つことで話題になりました。最大100人のプレイヤーがマップに降下し、銃やアイテムを集めながら銃撃戦を繰り広げるというコンセプトが同一であるほか、ゲーム内のさまざまなコンテンツが酷似していたことから、一時はPUBG Corporationと訴訟問題に発展しましたが、既に両社の間では和解が成立しています。現在の荒野行動は、PUBGと比べてよりカジュアルな路線を進んでおり、スマホで気軽にプレーできることもあって学生を中心に熱い支持を得ています。

 荒野行動の特徴は、何と言ってもスマホでプレーできるカジュアルさにあります。もともとスマホ向けであるだけにUIがタッチ操作に特化されており、物理ボタンがなくとも滑らかなプレーが可能です。コントローラーやキーボード、マウス、ヘッドホンが必要ないこともメリットの1つだといえるでしょう。ゲーム自体の特徴としては、全体的に初心者向けにデザインされていることが挙げられます。ほかのシューティングゲームと比較して距離に応じた威力減衰が少なく、弾丸の落下もないため、敵を倒しやすいです。

 現在、Windows、PS4、Nintendo Switch、Android、iOSでプレーできますが、他作品とのコラボやイベントが多く、高額賞金が用意された公式eスポーツ大会も開催されています。カジュアルゲームとしてだけでなく、eスポーツゲームとしての側面も見せ始めているタイトルです。

スプラトゥーン2

 先述した2タイトルとはゲームとしての毛色が少々異なる作品ですが、2017年に任天堂から発売されたNintendo Switch向けタイトル『スプラトゥーン2』もTPSゲームの1つです。かわいらしいイカたちがインクを装填した水鉄砲を使って戦うまさに“異色”のTPSでしょう。

 基本なシステムとしては種類豊富な武器の中から好きなものを選択し、4対4のチーム戦を行ってさまざまなルールで勝敗を争います。ほかのTPSとの大きな違いはやはり「塗り」の存在。インクを壁や床に当てることでマップ内を自分のチームカラーに塗ることができ、このインク上では中にもぐって身を隠したり、素早く泳いで移動したりできるようになります。シューティングらしいチームデスマッチのようなルールがある一方で、このインクで塗られた面積を競うシステムもあったりと、奥深さがありながらも単純明快なルールとポップな世界観で幅広い世代に人気があります。

 2022年には続編にあたる『スプラトゥーン3』の発売も予定されており、今後ますますの盛り上がりが期待されています。

まとめ

 世界中が熱狂し、eスポーツ業界を代表するタイトルも多数あるゲームジャンル「TPS」について、ゲーム性の解説と人気の3タイトルを紹介しました。

 近年では『PUBGmobile』を筆頭にスマホでもハイクオリティなTPSが気軽に楽しめるようになり、競技人口の増加・年齢層の拡大によってますますの盛り上がりを見せています。プロeスポーツの世界でもスマホ向けタイトルの需要が拡大していますし、主要タイトルの多くはさまざまなコンソールでプレーできます。自宅にゲーミングPCがないという方が、プロゲーマーを目指す第一歩としてもおすすめできるジャンルですよ。

■関連記事

部活紹介

おすすめ関連記事

eスポーツ部の活動日誌

新着記事

ゲーミングデバイス情報

  

ゲーミングデバイス情報

新製品 レビュー 部活紹介 eスポーツ部の活動日誌