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2025.12.04

ゲームにおける「bot(ボット)」とは?概要や注意点を解説!

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 ゲーム業界では、不正な「bot(ボット)」の存在が定期的に問題となっています。不正なbotは一般ユーザーにとって不快で迷惑なだけでなく、ゲームバランスやゲーム内の経済を崩壊させてしまう恐れもある有害な存在です。

ロボットを使用する悪質なユーザーのイメージ


 そこでこのコラムでは、ゲームにおけるbotがどんなもので、どんな害があるのか、どんな対策が取られているのかといった点をわかりやすく解説していきます。

ゲームにおける「bot(ボット)」とは

 ゲームにおける「bot(ボット)」とは、ゲーム内で自動的に動くように作られたプログラムやキャラクター、プレイヤー、アカウントを指す言葉です。botという名称は、自動的に動くことから、ロボットを語源としています。

 社会全体としては、bot自体は決して有害なものではなく、企業がLINEなどで利用者の質問に自動的に答えるツールなどで利用されています。ゲームに関しても、開発側が公式に実装しているbotもあるため、すべてのbotが悪いわけではありません。

 ここで問題とするのは、ゲームバランスやゲーム内の経済を乱す恐れがある不正なbotです。ゲーム内のbotは生身のプレイヤーには操作できない動きをして大量のアイテムを獲得したり、24時間休憩なく稼働し続けるので狩場のモンスターを総取りしたりするなど、さまざまな弊害があります。

 具体的な害については「botはなぜ多くのゲームで禁止されているのか」の項目で記載します。

botの仕組み

 botはプログラムであり、自動的に何らかの動きを行うツールです。例えばなんらかのクエストを繰り返してアイテムを大量に獲得するものや、リセマラで理想的なアカウントを作ることを目的としたbotもあります。また、マウスやキーボードのキーを自動的に押し続けるbotも存在します。そのため、プログラム的な「仕組み」は個々のbotで異なります。

 例えば画面上の数カ所をクリックすることで報酬が得られるクエストがある場合、GUIを利用して自動化することができます。上記の場合プログラムの知識は不要で、ツールレベルの自動化です。

 一方、ゲーム内で複数の展開が発生する場合には「条件分岐」という概念が必要となり、プログラムを組んだり、既存のプログラムに介入したりすることが要求されます。この段階になると専門知識が必要となるため、誰でもできるレベルではなくなります。

 金銭的利益を目的とする業者は、プログラムを必要とするようなbotを作って販売していることが多いです。

botはなぜ多くのゲームで禁止されているのか

悪質なユーザーのイメージ


 ゲーム会社はゲーム内の経済やモラルが崩壊することを防ぐために、プレイヤーが非公式にbotを使うことを禁じています。この項目では、botが禁止される理由を具体的に4点紹介します。

プレイヤーが操作しなくてもレベル上げなどができ不公平なため

 ゲームの世界において、レベルアップやアイテムなどの報酬は努力や時間、あるいはお金を使って獲得するものとして作られています。不正なbotによって大量の報酬を獲得する行為がなぜ不公平なのかと言うと、努力や時間、ゲームへの課金という対価を払わないからです。

 不正なbotを購入して使う人は、「支払先がゲーム会社かbot業者かの違いしかない」と錯覚するかもしれません。しかし、bot業者にお金を払っても、楽しいゲームを作る資金にはなりません。むしろ、ゲーム会社は得られるはずの課金を得ることができないので、経営に悪影響があるといえます。

過剰なアイテム収集などに伴うゲームバランス・ゲーム内経済崩壊のきっかけになるため

 botは人間にはできない速度で動きますし、休憩を必要としません。生身のプレイヤーには不可能なレベルでアイテム収集ができてしまうため、ゲーム内の強弱バランスやゲーム内の経済バランスが崩れてしまいます。

RMTの温床になるため

 RMTとはリアルマネートレードの略で、ゲーム内の通貨やアイテム、アカウントなどをリアル社会のお金(例えば日本円やアメリカのドルなど)で売買する行為です。

 botを利用すれば、レアアイテムや強化素材、ゲーム内通貨などを大量に獲得できるので、それを売って利益を得ようとする人がいます。また、プレイヤーの中には手っ取り早く成果を得たいという考えから、RMTを利用してアイテムやゲーム内通貨、また強化された有利なアカウントなどを買ってしまう人がいます。

 RMTは個人間でも行われていますが、業者が組織的に行っている場合も多く、利用者が多いほどゲームバランスが崩壊するリスクがあります。

 とはいえ、現状の日本にはRMTを禁じる法律はありません。ゲームごとの規約ではRMTは禁止されているので、発覚すればアカウント凍結などの対処が行われますが、すべての売買の把握は難しいのが現状です。

「botがいる」という事実が健全なプレイヤーにとって離れるきっかけになるため

 botは人間には不可能なレベルでアイテムやゲーム内通貨を獲得したり、モンスターの狩場を占有したりします。また、見えないはずの壁越しから射撃してくるなどチートのような方法で勝利を得るタイプも存在します。そのため、普通にプレイしている人にとって、不正なbotは非常に不快な存在です。

 一度でも不正なbotに遭遇して嫌な思いをしたプレイヤーは、「botがいる」という事実だけでゲームをプレイする気がそがれ、ゲームから離れてしまうきっかけとなります。そんなことが続いて健全なプレイヤーが減っていけば、ゲームの運営は支障をきたすほか、正規の課金をしてくれる人が減ったり、ゲーム会社の経営が傾いたりする可能性もあります。

 そのため、不正なbotを放置することは、ゲーム会社やゲーム業界全体にとって非常に大きなマイナス要因なのです。

bot対策として導入されるシステム例

セキュリティシステムのイメージ

 この項目では、ゲーム会社が導入しているbot対策を紹介します。

ゲーム内通報機能

 近年のゲームの多くには、ゲーム内通報機能が実装されています。これはbotやチートなどの不正行為に遭遇したユーザーが通報することで不正を見つけ、アカウント停止などの適切な対応を行うことにつなげられます。

 仮にゲーム内で通報システムが実装されていない場合でも、多くのタイトルで運営に連絡する手段は用意されているため、ぜひ不正は見逃さずに通報しましょう。

やりこみ度・アカウントレベル別のプレイヤー機能の制限

 ゲームの開発や運営側で、フリートライアルの場合はレベルの上限を決めたり、所持できるゲーム内通貨の上限を決めたりする対策も取られています。

 また、人間では不可能なレベルのやりこみ度を数値的に設定して、その数値を超えたアカウントの行動を確認することでbotを特定できるケースもあります。

 さらに、地域やIPに同一性があればbot業者の疑いも予想できるので、アクセス頻度の制限をすることも有効です。

botが収集しやすいアイテムの価値の引き下げ

 特徴的にbotが収集しやすいアイテムがある場合、その価値を下げることでbotの存在価値を無くす対策もあります。ただしこの方法は一般ユーザーの不利益にもつながるので注意が必要です。

同一アクションのスタミナ制・アクション制・連続使用に伴うペナルティの導入

 botは人間のように操作ミスや動作のばらつきがなく、無駄な動きを一切しません。その点に着目して、アイテムを採取するときのアクションに工夫を凝らす対策があります。

 また、同一アクションを繰り返していたり、何らかの手法を連続使用していたりすることなどで一般的なプレイヤーとの区別を行い、ペナルティを発動させる方法もあるでしょう。

【まとめ】botの利用は規約違反!使わないのはもちろん見かけたら通報を

 ゲームにおける「bot(ボット)」について、どんなもので、どのような弊害があるのかをまとめました。

 不正なbotは一般のプレイヤーにとって不快なだけでなく、ゲーム会社の利益を減らす有害な存在です。そのため、ゲーム会社はbotの利用を違反としており、発覚した場合はアカウント凍結などの処置を行っています。

 ゲーム会社も多数の対策を行っていますが、イタチごっこで被害が絶えない現状もあります。このような状態を踏まえて、ゲームを愛するユーザーなら、絶対に不正なbotを使わないことはもちろん、botを見つけたら速やかに通報してbotの存在を放置しないように心がけましょう。

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