解説
2022.08.16
ゲームが「ラグい」とは? 意味と原因・解決方法を解説!
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最近、「ラグい」という言葉を目にすることが増えてきました。「ラグい」とはオンライン環境下で通信に遅延が発生しているときに使う言葉ですが、このコラムではまず「ラグい」の意味や語源を解説したうえで、ラグいことのデメリットや解消方法をわかりやすく解説していきます。eスポーツを快適に楽しみたい人はぜひ参考にしてください。
「ラグい」とは
「ラグい」とは、ネットスラングから生まれた言葉です。オンラインゲームやオンライン会議をしているときに、何らかの理由で通信速度が低下して、画面描画や音声などが遅延すること、またはフリーズすることなどを「ラグい」と言います。語源は時間差を示す「タイムラグ」で、「通信が遅い」「エフェクトの発生から実際に反映されるまでに時間がかかる」などという意味で使われています。主に通信の安定が重要なオンラインゲームユーザーが日常的に使っています。
ゲームプレー時だけでなくネット上で動画を見る際やオンライン会議をするときにも使いますから、ネット環境になじんだ子どもやビジネスマンなど、幅広い層に浸透していることがわかります。なかでも本稿では、ゲームを楽しむ場合における「ラグい」状態を解説します。
ラグが発生することで深刻な影響がでるケース
オンラインゲームをプレーしているときに「ラグい」状態になると、さまざまな弊害が発生します。特にFPSやTPS、格闘ゲームなど素早い対応を要求されるゲームでラグが生じたときのデメリットは深刻です。ラグい状態におちいったプレイヤーは、シューティングゲームであれば相手にとっては単なる的(まと)ですし、格闘ゲームならサンドバッグと同様です。
強い相手に自分自身の技能が及ばずに負けるのは対戦ゲームの性質上納得できることですが、通信速度が低下したために勝てそうな相手に負けるようでは、オンラインゲームそのものを楽しむこともできません。また、『フォートナイト』などのチームでプレーするゲームであれば、自分自身が困るだけでなくチームに迷惑をかけてしまいます。
このような事態を避けてオンラインゲームやeスポーツを楽しむためには、原因や解決方法を知っておきましょう。
ラグが発生する主な原因と解決法
ラグい状態が発生する原因と、ラグを防ぐための解決策はいくつかあります。
ゲームをプレーしているPC・ハードのスペック
PCのスペックが不足していると、通信環境も遅くなりがちでラグが発生するリスクが上がります。
【解決法】PC・ハードの買い替えやグラフィック設定の見直しをはかる
まずゲームを楽しむための「必要動作環境」を確認してみましょう。ゲームごとにCPUやメモリ、ハードディスク、グラフィックカードなどの必要環境や推奨環境が記載されています。推奨環境をクリアしていれば快適に楽しめますが、必要環境を満たしていない場合、ラグが発生しやすいと考えてください。
スペックが不足しているとわかっても、予算の都合上、すぐに買い替えることは難しいかもしれません。それでも、原因を知って計画的に買い替えを考えると、ほかの作業の効率化にも繋がるなどゲーム以外のメリットもあります。
買い替えが難しい場合、ゲーム側のグラフィックの設定を落とすことや、PC設定の変更を試してみましょう。ゲームのグラフィック設定方法はそれぞれ異なるので、各ゲームのホームページやQ&Aを確認してください。
PC側の設定としては「電源オプション」を変更することである程度速度の改善が期待できます。OSがWindows10であれば、画面左下の検索ボックスに「電源プランの編集」と入力して設定画面を開きます。そこで「詳細な電源設定の変更」を選択して、「電源オプション」設定画面の「プロセッサの電源管理」から、「最小のプロセッサの状態」の数値を確認しましょう。
デフォルトでは5%になっていますから、これを30%程度に上げることでパフォーマンスをアップすることが出来ます。ただしこの設定はCPUへの負荷を高めて寿命を縮めるリスクがあるので、あくまでも買い替えを前提とした一時的な方法と考えてください。
また、設定レベル以前に、ハードディスクに大量の不要なデータがあること、使用しないアプリケーションが起動していることでも動作の遅延が起こる可能性はあります。そのため、まめにデータ整理を行うことや、デフラグなどを行ってPCの状態を維持すること、ゲームをするときには裏で動いているアプリケーションを停止させておくことなどをおすすめします。
インターネットへの接続環境
Wi-Fiなどの無線接続は便利ではありますが、電子レンジやBluetoothを利用した機器の影響を受けやすいデメリットもあります。
【解決法】有線接続で遊ぶようにする
周辺の電波によるラグを回避するためには無線ではなく、LANケーブルを使った有線接続でプレーすることをおすすめします。有線環境下なら周辺の電波の悪影響を受けにくいので、快適さが格段にアップします。
もしこれからLANケーブルを購入するのであれば、通信速度を示すカテゴリー(CATと表記されていることもあります)に着目してください。カテゴリーは4、5、6、7といった数値で表されており、数値が大きいほど早い通信速度に対応しやすくなります。2022年2月現在では、CAT6以上がおすすめです。CAT6を超えても数百円?千円代での購入が可能なので、対応しやすいラグ対策です。
利用している通信機器
利用している通信機器が古い場合、ラグい状態が発生しがちです。
【解決法】ルーターやLANケーブルなどは新しいものを使う
まず使用しているルーターを確認しましょう。ルーターは使用するほど通信速度が低下しやすく、一般的な寿命は5年程度と言われています。そのため、5年を超えているようなら買い替えを検討しましょう。
またLANケーブルが古いことも通信速度低下に関係します。「インターネットへの接続環境」の項目でも記載しましたが、LANケーブルのカテゴリーは通信速度を左右します。もし現状がCAT5以下であれば、CAT6以上に交換することをおすすめします。
利用しているインターネット回線
利用しているインターネット回線によっても通信速度は大きく左右されます。ここでは、インターネット回線の種類と通信速度について解説します。
【解決法】契約している会社・サービスを見直す
インターネット環境としては光回線やWi-Fiなどがありますが、オンラインゲームを快適に楽しみたい人や、eスポーツとして結果にこだわりたい人には、光回線を使って有線でプレーする環境を作ることをおすすめします。
例えば何年も前に契約した回線でADSLを使用している場合、通信速度は上りで12.5Mbps、下りで50Mbps程度ですが、光回線なら理論上は1Gbps程度の速度が得られます。その差は10倍以上もあるので、プレーの快適度は圧倒的に上がります。
また、光回線ではあっても、マンションなどで共用している環境下であれば、多くの人が仕事を終えてゲームや動画視聴などを始める21時くらいから接続が増えるので、その時間帯がラグい状態になりがちです。
通信環境を個人宅で用意するには毎月数千円の負担が発生するので、人によってはハードルが高いこともあるかもしれませんが、遅延が多いようなら保護者と相談して改善する方法も模索してみましょう。
まとめ
基本的に「ラグい」状態を脱出するには通信環境を改善することが必要で、解消方法の中には、PCやルーターの買い替え、インターネット回線自体の変更など、高校生にとっては難しい内容もあります。その一方で、LANケーブルの交換といった比較的大きな費用を必要としない対策もありますし、ゲーム、PCの設定変更、PCのメンテナンスなど、できることはさまざまあります。経済状況や周辺環境を考慮して、適した環境でゲームをプレーし、「ラグい」状態を回避しましょう。