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2022.08.09

“基本無料”でも「アプリ内課金あり」に注意! ユーザーとして利用する上で気をつけたいポイント

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 「アプリ内課金」という言葉は、PCやスマートフォンなどを使用する人なら目や耳にすることが多いと思います。スマホアプリが生活に馴染んで時間は経っていますが、「“基本無料”でもお金がかかってしまう?」と疑問に思うことや、「課金の方法を詳しく知りたい」ということはあるかもしれません。そこでこのコラムでは、「アプリ内課金」について、eスポーツの観点も含めてわかりやすく解説していきます。

PIXTAより

「アプリ内課金」とは

 「アプリ内課金」とは、アプリを使用する中で、追加オプションやコンテンツに対してお金を払うシステムです。アプリの正確な描写であるアプリケーション(application)から、「App内課金」と表記される場合も意味は同じです。

PIXTAより

 ネット環境やスマートフォンが普及する前は、ゲームは最初にソフトを購入してプレーすることが多かったので、ゲーム会社はソフト販売によって利益を得ていました。しかし、近年はダウンロードを無料化して、プレーする中で課金してもらうスタイルで収益化するゲーム会社が増えています。

 ゲーム会社も何らかの方法で利益を得なければ、従業員の確保や会社の存続ができませんし、質の高いゲームを作ることもできません。その点を踏まえれば、何らかの課金方法があることは自然なことです。

有料アプリとの違い

 「有料アプリ」とは、ダウンロードする際など、最初にお金を払う形態のアプリを指します。アプリ内課金との対義語として考えられる傾向もありますが、有料アプリの対義語は「無料アプリ」です。これは、有料アプリでもアプリ内課金のシステムはあり得るからです。

 そのため、有料アプリとアプリ内課金の違いは、有料アプリはお金を払わないとアプリそのものを使用できないもので、アプリ内課金はアプリの有料、無料に関係なくアプリを使用する中でお金を払ってオプションやコンテンツを購入するものと定義されます。

アプリ内課金のパターン

 ここからは、アプリ内課金の種類を解説します。

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消耗型課金

 「消耗型課金」が用いられる例としては、ゲーム内でのみ利用できる通貨を購入する形が代表的です。ゲーム内通貨はキャラクターやアイテムを獲得するために使われることが多く、獲得したアイテムなどはゲーム空間では繰り返し使用できるものもあるので、「消耗」という言葉がしっくりこない人もいるかもしれません。しかし、課金した対象はあくまでもゲーム内通貨であり、ゲーム内通貨はガチャなどによって「消耗」しています。消耗型課金は使い切りである特性から「都度課金」と言われることもあります。

非消耗型(買い切り)課金

 「非消耗型課金」は買い切り型課金とも言われます。機能の拡張・解放や広告を非表示にするなど、1回の課金で一つの効果が継続する課金方式です。ゲームであれば、ステージの開放や特殊なキャラクター、アイテムの獲得などに使用されます。

期間限定サービス課金

 名称の通り、課金したことで決められた期間の間サービスを利用できる方式です。ゲームであれば、「バトルパス」または「シーズンパス」と言われるサービスもこれに含まれます。

 バトルパスとは、課金したうえで期間内にゲーム内の課題をクリアして報酬を得るシステムです。バトルパスに課金しなくてもプレーできるゲームでも、バトルパス課金したうえでプレーすることで特殊な報酬が獲得できるように作られていることが一般的です。期間限定サービス課金は、決められた期限が来たらサービスは更新されないことから、「非自動更新サブスクリプション」と言われることもあります。

サブスクリプション

 サブスクリプションは、決められた金額を定期的に課金することで、アプリ内の特定のサービスを利用できる課金方法です。その特徴から「自動更新継続課金」と言われることもあります。音楽や動画の配信サービスなどで多く見られますが、ゲームでもサブスクリプションを利用したサービスは増えています。コンシューマー向けのゲームであればソニーや任天堂もサブスクリプションサービスを展開していますし、PC中心であれば、「Ubisoft+」や「EA Play」などもあります。

アプリ内課金の主な課金方法

 ここでは、アプリ内課金の方法を2種類解説します。

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iOSデバイス

 「iOSデバイス」とは、iPhoneやiPadなどを指します。iOSデバイスでアプリ内課金をするためには、まずApple IDが必要です。アプリ内で希望するサービスを選ぶと、iOSデバイスであれば顔認証(Face ID)や指紋認証(Touch ID)を経て決済に進みます。

Androidデバイス

 Androidデバイスでは、まずアプリ内で課金したいサービスを選んだ後に、決済用の画面が表示されます。細かい操作は場合によるので、都度内容を確認しながら操作を進めてください。内容に対して了解したら、認証を行うことで課金が完了します。

未成年がアプリ内課金のあるアプリで遊ぶ際の注意点

 「アプリ内課金」は、わかりやすく言えばサービスをお金で買うことです。未成年は多くの場合、保護者の管理下でお金を使っているでしょうし、自由に使える金額も少ないでしょうから、課金の方法にも注意を払う必要があります。ここからは、未成年者がアプリ内課金を含むゲームをプレーするうえでの注意点を記載します。

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課金コンテンツがどういうものかアプリをインストールする前に調べておく

 プレーするアプリの中での課金コンテンツがどのようなものかを、まず調べておくことをおすすめします。

 一般的ユーザー目線では、ゲーム内課金はよりコンテンツを楽しむためにあります。しかし、ゲームを「競技」として見れば、ほかのスポーツと同様にある程度課金することが成果に結びつく場合もあります。

 とはいえ、課金した金額に比例して必ず強くなるというわけではありませんから、その点を理解しておきましょう。特に、今主流となっているeスポーツタイトルにおいて課金の有無は、プレーヤースキルにほとんど影響しません。(スキン変更などに伴うモチベーション面を除く)

月の課金上限額を保護者と一緒に話し合って決めておく

 アプリ内課金があるゲームをプレーする場合、毎月いくらまで課金できるか、といったことを子どもと保護者で話し合って決めておくことをおすすめします。使用できる金額はそれぞれの家庭の考え方や状況によって異なるからです。

 保護者としては、「課金のすべてを禁じたい」という考え方もあるかもしれませんが、極端な制限をすると、むしろ「何とかして課金できないか」と考える子どもも少なくありません。そのため、金額の制限を決めて、その中でやりくりすることを学ぶように導くことも重要です。また、保護者が自分用に作っているクレジットカードに紐づいたアカウントを子どもと兼用することは、無制限な課金に至る可能性があるので避けましょう。

経済的に自立するまで課金を秘密にしない

 未成年者は金銭面で保護者の管理を受けていることが多いでしょうから、「課金を秘密にしない」というルールを親子双方で決めておくことが大切です。経済的に自立すれば、それ以降は保護者が介入することもないでしょうが、未成年の間は課金をオープンにすることで、お互いに安心できる環境が形成できます。

 課金を許可する保護者側も、クレジットカードの履歴やアプリ内課金の履歴などを細かく確認すると、トラブルを防ぐことができます。

まとめ

 「アプリ内課金」という言葉の意味や、その他の課金方法をまとめました。アプリ内課金は、ゲーム会社が存続して従業員に給料を払い、質の高いゲームを提供し続けるための利益を得る手段です。何らかの方法で利益を得るのは民間企業である以上自然なことですが、未成年がプレーする上では注意すべき点もあります。家庭の事情や保護者とよく相談して、無理なくアプリ内課金のあるゲームをプレーしましょう。

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