インタビュー
2023.06.03
DreamHack Japan 2023でひと際輝いたモバイルマスターズ! “パッション”あふれる代表インタビュー
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5月13日?14日の期間に幕張メッセで開催されていた複合エンターテインメントゲーミング・フェス「DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA」のなかでもひと際大きな設備で目を引いたのは、「Snapdragon Mobile Masters」です。ここで行われたのはゲームアプリ「Brawl Stars」の世界No.1を決める初の世界大会。賞金総額は20万ドルでした。今回、この大会の代表責任者のSam Braithwaite(サム・ブライスウエイト)氏と、運営責任者のMatthew Grossman(マシュー・グロスマン)氏に話しを聞くことができました。
大規模なeスポーツ大会を手掛ける2人が考える「eスポーツに関わっていくうえで必要なもの」とは。(取材・文/南雲 亮平)
eスポーツを支えるのは“パッション”
──すごく大きくきらびやかなステージですね。ブロスタのようなスマホゲームのタイトルは、やはり若者に人気なのでしょうか。
Sam Braithwaite(サム・ブライスウエイト)氏(以下、敬称略) その通りです。ゲームの見た目や内容は幅広い人に向けてデザインしていますが、さまざまな地域でプレーされていて、若者を中心に人気です。
──世界各地でプレーされているなか、高校生が高みを目指すには何が必要でしょうか。
Matt Beecher(マット・ビーチャー)氏(以下、敬称略) 何を楽しめるのかを分析し、好きなものをプレーするのが一番です。高みを目指すにはスキルが必要になります。スキルは何時間も練習しなければ身につきません。でも、好きなゲームならパッション(情熱)があるので、熱中してどんどん腕を上げるようになるでしょう。
──何事においても情熱は大切ですね。ただ、選手への道は狭く険しい道です。選手になるのが難しいとしても、将来、情熱を注ぐeスポーツに関わっていきたいという人も少なくありません。そういった場合、高校生のうちにやっておくべきことはありますか。
Matt 大切なのは、幅広い可能性に対してオープンであることです。eスポーツを支える仕事には、さまざまな業種があります。自分がどのような仕事をしたいのかわからないうちは、いろいろな経験を積んでおいた方がいいでしょう。今回のイベントにも、2人の東京の学生がスタッフとして参加しています。
Sam ゲーム以外で熱中できるものを探すのも一つの手です。好きなものとeスポーツを掛け合わせることで、新しい楽しみ方が生まれることもあります。例えば、私は高校生のころ、実家で「DOTA」の大会を開催したことがあります。Webサイトを用意したり、当日の写真を撮影したり、実況をやってみたりと自分のやりたいことをやってみたら、多くの発見がありました。
──そうした経験が今の世界大会の開催にもつながっているのですね。
Matt ゲームコミュニティの一員になることもおすすめです。大会を開くこともコミュニティづくりの一環ですし、情熱を共有できる居場所で過ごす時間はかけがえのない経験になります。
──大変な情熱を傾けるのですから、いつか、学生がeスポーツを通じて得た経験が就活などで企業に評価されるようになりそうですね。
Sam すでにそうなっていると思います。大事なのはどのように伝えるのか。ただ「この大会で勝ちました」、「何位でした」ではもちろん評価は難しいです。「大きなプレッシャーのなかでも実力を発揮することができます」、「チームメンバーをまとめて、目標に向けて取り組むことができます」といった伝え方であれば見え方も変わります。出来事だけでなく、それを通じてどのような経験を得られたのか説明すると伝わりやすいです。
──その伝え方なら、ゲームに馴染みのない人でも身近に感じるはずです。今の話でもそうですが、eスポーツに取り組むうえで、大会は大きな柱になっています。とはいえ、大会を開くのもただではありません。大きな柱を支え続けるには、何が必要でしょうか。やはりペイパービューなどの施策でしょうか。
Sam まず前提として、大会を開くのは直接収益に結び付けるためではありません。確かにチケット代などは発生しますが、第一に考えているのはコミュニティの活性化です。そのためには賞金が100万ドルとか500万ドル規模の大会も大切ですが、100ドル程度の小規模の大会がたくさん開かれることが、情熱のある人を集めるために必要なことです。
大規模な大会では野球のメジャーリーグやサッカーと同じように、スーパープレイヤーの極めて高度なプレーを楽しむことができます。一方で、誰にでも門戸を開く小規模な大会では、学生でも会社員でも、自らの実力で栄誉を勝ち取るチャンスがあります。一種の“オフ会”のように楽しむ人もいれば、プロがひしめく大規模な大会に挑む足がかりにする人もいます。
──大会が情熱をさらに燃やすための燃料になるわけですね。情熱を共有できる人が増えれば、人生も豊かになりそうです。やはり好きなゲームのコミュニティは代えがたい居場所ですね。ありがとうございました。
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■外部リンク
DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
https://www.dreamhackjapan.com/
Snapdragon Mobile Masters
https://snapdragonproseries.com/masters/
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