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2021.09.29

ゲーム実況ではBGMの著作権に注意!違反しないための方法も解説

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 ゲーム実況動画を編集する際、動画をより面白いものにするためにぜひ取り入れたいのが「BGM」です。動画内の印象的な場面をより盛り上げたり、オープニングやエンディングで視聴者に自分を覚えてもらいやすくしたりなど、BGMにはいろんな使い方があります。

 今回は、ゲーム実況動画にBGMを取り入れる方法と、その際に気を付けなければならない「著作権」やそれに関わる権利について解説します。インターネット上で配信活動をするなら必ず知っておきたい知識について詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

ゲーム実況動画はBGMをつけるのがおすすめ

 ゲーム実況動画の展開を盛り上げる演出としては、最初に効果音(SE)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もちろん効果音もおすすめですが、その他にもゲームの場面に合ったBGMをつけることで構成を引き締めたり、決まったオープニングやエンディングを設定して印象を深めたりすることで動画の面白さをぐっと高めることができますよ。

 ゲームの邪魔をしない程度にBGMを用いることには、面白いシーンを勢いよく感じさせたり、プレイ中の喜び・驚き・焦りなどの自分の感情をより臨場感を持って視聴者に伝えられたりするほか、場面が転換したことを視聴者にわかりやすく伝えられるといったメリットがあります。

実況動画へのBGMの入れ方

 実況動画にゲーム音以外のBGMをつけるための方法には、自分の声、ゲーム音、その他BGMをすべて同時に流しまとめて収録する一発録りと、自分の声とゲーム音を別データとして収録し、BGMを後から付け足す別録りがあります。一発録りには編集の手間が省けるというメリットがありますが、後から個別の音量調整ができないので、必ず収録本番前にテストを行って各音量のバランスを確認しましょう。一方の別録りは、編集作業においてそれぞれのデータを合わせる手間がかかりますが、音量バランスを後から簡単に修正できます。

ゲーム実況動画でBGMをつける際には著作権に注意!

 ゲーム実況というジャンルに限らず、動画に音楽をつけてインターネット上で公開する際には「著作権」に注意する必要があります。

 著作権とは、音楽などの作品を作者以外の人に許可なく使われることを防ぐための権利のこと。他人が作った音楽を自分の動画でBGMとして使うためには、著作者(著作権を持っている人、作者)の承諾を得るなどして、この著作権をクリアする必要があるのです。ゲーム実況におけるゲームそのものにも著作権が存在しますが、そちらについてはこちらで解説しています。

著作者の承諾が必要なケース

 一般に販売されているCDに収録されている音源をそのままBGMとして利用する場合は「原盤権」という権利が絡んでくるため、音源製作者(レコード会社など)から許諾を得る必要があります。

 レコード会社へ許諾を得るための申請を行い、楽曲の使用が許可された場合は、音源利用許諾料を支払えば自分のコンテンツのBGMとして用いることができます。

 ただし、使用目的によって利用が却下される場合や、どのような目的であっても許諾申請を受け付けていない楽曲などもあるので、必ず各レコード会社の注意事項を熟読した上で必要な手続きを行いましょう。

著作者の承諾が不要なケース

 既存の曲をもとに自分で新たな音源を制作したり、楽器を用いて演奏したり歌ったりする場合は、個別に著作者の許諾を得る必要がないケースもあります。

 YouTubeやニコニコ動画などの多くの動画サイトは、JASRACなどの権利団体と包括契約を結んでいます。このようなサイトでは、著作権について個別に許諾を得る必要なく楽曲を使用できるので、特に申請や手続きをする必要はありません。

 ただし、タイムシフト放送やアーカイブ配信をする場合や、概要欄にリンクを張る場合、企業や団体として動画を公開する場合などでは、別途手続きが必要になるケースがあります。念のため、権利団体に利用条件を確認しておくことをおすすめします。また、CDの音源をそのまま使用する行為は著作権の他に原盤権も関わるため、自作の音源である場合・自分で演奏や歌唱をする場合に限ります。

著作権を侵害するとどうなる?

 楽曲の使用に関するルールを破る形で他者の楽曲をBGMとして使ってしまうと、著作権の侵害、つまりは著作権法に違反します。

BGMでの著作権侵害が問題になった事例はたくさんある

 他者が権利を持つ音楽をそのままアップロードしてしまう場合も、BGMとして動画の一部に使用する場合も、権利を侵害する行為であることに変わりありません。

 インターネット上へ音楽ファイルを許可なくアップロードし、不特定多数のユーザーが視聴できる状態で公開していたことで逮捕に至った例はこれまでに複数あります。

 著作権法第百十九条において、著作権と著作隣接権(レコード会社や出版社が持つ権利)を侵害した場合は「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められており、重い罰則が与えられます。

 楽曲の使用に関するルールを知らなかったことが原因で取り返しのつかない事態になってしまうのを避けるためにも、自分が権利を持っていない作品は音楽に限らず慎重に取り扱ってください。

BGMで著作物を使用する場合の手順

 自分の動画のBGMとして他者の著作物を使用したいときは、これから紹介する手順を参考に楽曲を管理する団体および個人へ許諾申請を行ってください。

JASRACが管理している楽曲の場合

 JASRACとの包括契約を結んでいない動画サイトなどで配信をしたい場合は、JASRAC宛に楽曲使用の許諾申請を行ってください。書面の提出あるいはオンラインで申し込みが可能です。

 JASRAC公式Webサイトの「使用料診断(インタラクティブ配信)」で画面の案内に沿って自分に当てはまるものを選択していくと、それぞれのケースに合った手続きの方法や使用料を確認できますよ。

 申請が無事受理されれば、あとは使用料を支払うことで楽曲の使用ができます。CDの音源をそのまま使う場合は、原盤権を持つレコード会社にも許諾申請を行う必要があるので注意してください。

JASRACが管理していない楽曲の場合

 JASRAC以外の団体や著作者個人が権利を管理している場合は、その団体および個人へ許諾申請を行ってください。使用料の有無や金額、使用にあたっての条件などは申請先によって異なります。

 楽曲によっては複数の団体に申請をしなければならないケースもあるので、権利の所在や注意事項を必ずチェックしましょう。

著作権侵害が心配なら著作権フリーの曲を使おう

 音楽をBGMとして使用するための手続きができるか自信がない人は、著作権フリーの曲を使うのがおすすめです。

 一般的に「著作権フリー」とは、利用規約・条件の範囲内であれば著作者の承諾なしで他者の作品を自分の作品の一部として使用できる、というもの。このような著作権フリーの曲を、無料あるいは有料で配信しているサイトがあります。

おすすめのフリーBGMサイト

 以下のサイトで提供されている音楽素材は、すべて無料で商用利用可能・加工および改変可能・クレジット表記は任意または不要のものです(21年9月29日現在)。

甘茶の音楽工房

SHW

MusicMaterial

 ただし、これらサイトの運営方針や利用規約は変更される可能性があります。使用する際は必ず利用規約や条件に目を通し、それを遵守してください。

 上記のような個人Webサイトの他、YouTubeチャンネルなどでも無料で使用可能なフリーの音楽素材を配布している人が多くいます。ぜひ、自分好みの音楽を制作・配布しているクリエイターを探してみてください。

まとめ

 ゲーム実況動画におけるBGMについて、動画にBGMをつけるメリットやその際に気を付けたいことをまとめて解説しました。

 自分が作った楽曲が他者に意図しない形で勝手に使われるのは嫌ですよね。著作権はそういった被害から作者を守るものです。他者が作った楽曲を自分の動画においてBGMとして使いたい場合には、その作品に関わる人や団体にリスペクトを持ち、彼らが持つ権利に十分注意しましょう。最悪の場合、著作権法などに抵触して逮捕されてしまう可能性もあるので、「自分の作品ではないコンテンツを使うときは基本的に作者の許可が必要」という認識を持って慎重に取り扱ってください。

 ぜひ本稿を参考に、ルールを守りながら実況動画にBGMを取り入れてみてくださいね。

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