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2025.08.21

「視野角」とは? モニター選びとFPS設定(FOV)での意味の違いも解説!

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 「視野角」という言葉は、モニターのスペックとして語られる場合と、ゲームの設定値として語られる場合で意味が異なります。特にFPSをプレイする人にとっては戦績を左右するほど大事な要素なので、eスポーツをプレイする人は視野角について知っておくと便利です。

モニターのイメージ


 そこで今回は、まずモニターの視野角について解説し、FPSをプレイする際のFOV設定にも言及します。

視野角とは

 視野角とは、「モニターを問題なく見ることができる角度」です。たとえば、ゲームをプレイしている人の周囲に、複数の人がいるとします。プレイヤーはモニターの真正面にいますが、プレイヤーから数人分横にいる人は、モニターを斜めから見ることになります。そのとき、モニターの視野角が広いほど、外側にいる人も正常に画面を見ることができます。視野角の外側からモニターを見た場合、コントラストがぼやけ、明暗がはっきりわからなくなるなどのデメリットが発生します。

 モニターの真正面でゲームをプレイするAさんと、Aさんの横で観戦するBさんがいるとします。モニターの中心を基点とすると、正面のAさんとモニター角度は0度です。一方、モニター中心から見るとBさんは放射状に位置することになります。上から見て、Aさんの目とモニターの中心を結ぶ直線と、Bさんの目とモニターを結ぶ直線の間の角度をθとしましょう。Bさんがθ=60度の位置までモニターを十分に見ることができ、それ以上角度が大きくなると見ることが困難になる場合、θを2倍した120度が視野角です。

 なお、上記はわかりやすいように左右方向の角度で解説しましたが、視野角が広いモニターは上下方向の角度がある状態でも視認しやすい特徴をもっています。

モニター選びで視野角が広い商品を選ぶメリット

モニターを見てキーボードを打つ男性


 視野角が広いモニターは真正面以外からでもモニターを見やすいので、多人数でひとつのモニターを見る場合に有利です。学校や職場のeスポーツ部など大勢でゲームを観戦する場合、視野角のが広いモニターが活躍するでしょう。

 視野角が広いと、見る角度によるコントラストの変化が小さいので、中心からずれた位置にいても画像が見やすいのです。

 また、マルチディスプレイ(デュアルディスプレイ)環境であればモニターを斜めから見ることが増えるので、複数のモニターを使う人にもおすすめです。

モニター選びで視野角が広い商品を選ぶ際の注意点(デメリット)

 基本的に、視野角が広いモニターには特にデメリットはありません。視野角にまで細かくこだわっているモニターは価格が高くなる傾向にありますが、モデルを選べばそこまで大きな差はないでしょう。ただ、職場などにおいて事務作業などで使う場合、視野角が広いと隣の席の人からも映っている映像が見られてしまうことがあります。機密性の高い書類を扱うことが多い場合は、あえて視野角が狭いモニターを選ぶのもおすすめです。

 一方、視野角はモニターの性能だけでなく、ゲーム内のパラメーターとして語られることがあります。そしてFPSをプレイする場合、視野角を広げることにはメリットだけでなく明確なデメリットもあるので、本記事の「FPSで視野角を広げるメリットとデメリット」の項目をしっかりチェックしてみてください。

FPSにおける視野角(FOV)設定とは

 Apex LegendsやValorantなどのFPS系のタイトルには、FOVという設定が用意されていることがあります。FOVは「Field of View」の略語であり、視野の広さを左右するパラメーターとしてこだわりをもつ人も少なくありません。

 FPS系のタイトルでは、FOVの初期値は90度前後に設定されていることが多いです。これは、人間にとって視覚的に自然な感覚をもちやすいのが90~100度だからです。そのため、目の疲れにくさだけに着目するなら90度近辺に設定しておく方がよいでしょう。

 一方、FOVの数値を大きくすると画面内の視野が広がり、数値を小さくすると視野が狭まります。FOV値を大きくして視野角を広げた際のメリット・デメリットを次の項目で詳しく解説します。

FPSで視野角を広げるメリットとデメリット

サバイバルゲームのイメージ


 FPSのゲーム側の設定には、視野角を広げたり狭くしたりできるFOVというパラメーターがあります。モニターにおいては、視野角が広いことによる大きなデメリットはないとしましたが、FOVで視野角を広げる場合、メリットもデメリットも存在します。

 わかりやすいように視野角が「広い場合」と「狭い場合」を比較して解説しますが、実際のパラメーターは数値で指定できるため、広い/狭いという二択ではなく中間的位置が多数あります。そのため、以下で解説するメリット・デメリットを参考にして、自分にあう数値を探すことをおすすめします。

FPSで視野角を広げるメリット

 FPSにおいてFOVで視野角を広げると、広域が見えるようになります。そのため、カメラやキャラクターを操作しなくても視覚的情報を多く獲得できますし、索敵範囲が広がるメリットもあります。視野角が狭いと対戦中の敵が移動したときフレームアウトしやすいので、敵をしっかり捕らえて戦いたい人にも高視野角設定は有効です。

 また、相手の動きが少し遅く見える効果もあります。ただしこれは相手の動きが実際に遅くなっているわけではなく、視野角が広がったことによる誤認です。とはいえ、対戦するうえで相手が遅く見えるのは心理的優位を感じられるので、メリットととらえる人が多数存在します。

 さらに、視野角を広げると敵が移動する際の画面上での移動距離が短くなるため、追いエイムでの操作量が少なくなります。近距離で戦うことが多く、連射系の武器やスキルを好んで使う人には相性が良い設定です。

FPSで視野角を広げるデメリット

 FOVで視野角を大きく設定すると、描画範囲が広くなる分敵が小さく見えるデメリットが生じます。そのためエイムをしにくくなる点がFPSをプレイするうえでの最大のデメリットです。

 また、視野角を大きく設定するとフレームレートが下がることをデメリットと考える人もいます。フレームレートは画面上の動きのなめらかさを示す数値ですがから、FOVを上げると狭い視野では映らないはずのオブジェクトや遠景などが映像になります。読み込む情報が増える分、GPUに負担がかかるためフレームレートが下がるのです

 そのほか、敵のサイズが小さくなることから単発系の武器やスキルが使いにくくなったり、乗り物酔いのような現象を感じやすくなったりといったデメリットもあります。人によっては視野角を広げることでプレイしづらくなるかもしれません。

【参考】Apex Legendsで視野角を調整する場合のポイント

 この項目では、FPSの代表的なタイトルとして知られているApex Legendsで視野角を調整する際のポイントを解説します。

 Apex LegendsのFOVは数値指定できるので、自分にあった値に調整することができます。とはいえ、無数にある数値の中からどこが良いかを探すのは大変です。そのためこの項目では、プロeスポーツプレイヤーの使用率が高いとされる90、104、110の特徴を紹介します。

 まず上記の3設定を試して手ごたえや相性を把握し、その上で少しずつ自分にあうように調整すれば、効率よくプレイスタイルにあう数値を見つけられるでしょう。

FOV90の特徴

 視野角は中程度で相手がほどほどに大きく見え、エイムしやすい設定です。情報が多すぎると感じることもなく、フレームレート(画像のなめらかさ)も維持できます。一方、画面から得られる情報量が比較的少ないので、周囲を見渡す動作を頻繁に行うことになります。

FOV104の特徴

 視野角が広めで視覚的情報を得やすく、この近辺が安心して使えると感じる人が多いようです。前述のFOV90より敵は小さく見えますが、エイムしにくいと思うほどではありません。

FOV110の特徴

 視野角が広いので視覚的情報を多く取得できます。戦闘中の敵がフレームアウトしにくいので、見渡す動作を多用する必要もありません。その一方で敵が小さく見えることからエイムしにくく、フレームレートが低下することもあります。

【まとめ】視野角はゲームのプレイフィールや快適性を左右する大事なポイント!

 「視野角」という言葉はモニター選定時の要素として語られる場合と、FPSをプレイする際の設定値として語られる場合があります。

 モニター選定の要素としては視野角が広いことで目立ったデメリットは生じませんが、FPSにおいてはプレイスタイルや感じ方によって適切な視野角が異なるので、自分にあう数値を探すことが重要です。ぜひ本記事を参考にして、勝敗を有利にする視野角の設定値を探してください。

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