高校eスポーツニュース

2024.02.08

富山の高岡向陵高校でPC組み立て講座実施、ゲームで広がる将来の可能性

記事をシェア
エックス
フェイスブック
ライン

 NASEF JAPANとZORGEが1月20日、富山県の高岡向陵高等学校でSTEAM教育講座の一環としてPCの組み立て講座を実施しました。講師を務めたのは、PC専門店「ドスパラ」を運営するサードウェーブのスタッフ3人。機材もドスパラが用意しました。高岡向陵高校のeスポーツ部員を含めた希望者11人が生徒として参加しました。

↓前日に実施されていたSTEAM教育の講座の様子↓
「F1レーサーはマシンに詳しい、eスポーツも同じこと」、富山の高岡向陵高校でeスポーツ×人材育成
https://esports.bcnretail.com/highschool/highschool-news/240124_004840.html

NASEF JAPANとZORGEがサードウェーブと協力して
高岡向陵高校で実施したPCの組み立て講座


 講義のはじめ、プログラミング教育のスペシャリスト 下村幸広さんは、「eスポーツは、ザックリとPCなどのハードウェア、OSなどのミドルウェア、そのうえで動くゲームなどのソフトウェアがあって初めて成り立つ競技です。今回はハードウェアについて学ぶことになりますが、ハードウェアの中にある半導体というものは、大量のスイッチの塊です。性能が高いというのはスイッチをどれだけ積んでいるかということにもなります。なので今日、PCを組み立てるときは、スイッチの化け物だと思って取り組んでください。これまでよりも少しだけ親しみがわくはずです」とあいさつしました。

組み立ての前に半導体について説明する
下村幸広さん


 組み立て教室は11人が6チームに分かれて実施しました。メインの講師として登壇したのは、サードウェーブ 営業統括本部 ドスパラ店舗本部 店舗統括1部 店舗統括1課 水戸勇介グループ長。さらに、同社営業統括本部 販売企画本部 店舗企画開発部 店舗企画課 渡辺萌さんとサードウェーブ 営業統括本部 ドスパラ店舗本部 店舗統括1部 店舗統括1課 宮原一貴さんが各チームのサポートとして参加しました。

左から、渡辺さん、水戸さん、宮原さん


 最初は注意事項の説明です。PCを組み立てる際は、ほかの金属に触れるなどして静電気を除去してからパーツを触る、ヒートシンクは鋭いので手を滑らせるなどして手を切らないよう気を付ける、CPUのピンはまがらないように慎重にさわる、といった説明がありました。

説明を聞く生徒たち


 いよいよ始まった組み立てでは、一つひとつのパーツの役割を解説。メモリを机に例えたり、ファンやヒートシンクはPCが熱くなって処理性能を落とさないように冷ます役割があることを伝えたり、画像処理に特化して計算を行うグラフィックボードは映像表示の品質に関係していることを説明したりと、ゲームにどのように関わっているパーツなのかを交えて話したことで、生徒たちもPCパーツを身近に感じているようでした。

慎重にPCパーツを持ちあげながら組み上げていく


 組み立てたPCのテスト起動も終わったあと、講義を受けたeスポーツ部部長の横越来維さんに話を聞くと、「PCの中身を見ることはあまりないので勉強になりました。ありもののPCしか買ったことがありませんでしたが、今後、組み立てもいいかなと思うようになりました。説明もわかりやすかったです」と感想を述べました。

テスト起動の様子。
しっかり起動して一安心


 ドスパラでは、普段から配信者向けレクチャーやお客様が購入されたパーツでオリジナルPCを組み立てるイベントを開催しています。こうしたイベントのスタッフを務めたことのある3人が講師を務めた組み立て講座は、スムーズかつ学びの多いものになりました。また、今回、講師を務めた水戸さんと渡辺さん、宮原さんは現役のゲーマーです。講義の中でもゲームに関する話題を入れ込むことで、興味関心をひいていました。

ウルティマオンラインにハマっていたという水戸さん


 PCの組み立て講座は、機材の運搬や、体験会での解体と組み立てで失敗するなどしてパーツが破損してしまうリスクもあります。それでも請け負ったことについて水戸さんは「今回のお話を受けたのは、PCに興味を持っていただくきっかけになると思ったからです。PCが世の中から無くなることは当分ないので、中身を知っていただき、将来PCや関連分野に関心を持ってもらいたいと考えています。PCの自作体験を通じて、PCの知識だけでなく修理や仕組みといった知識につなげることができれば、幅広く業界に携わる力がつくと思います」と期待を寄せます。

Haloシリーズをこよなく愛する渡辺さん


 PCへのかかわり方はさまざまです。PCでゲームをプレーするほかにも、動画をつくる、音楽をつくるなど、クリエイティブな方面で使う人もいれば、パーツ自体をいじるエンジニアになる人もいます。今回の講義ではPCの組み立てを通じて、将来的なビジョンを広げることを意識して進めたといいます。

入社してからPCゲームを始めたと話す宮原さん


 PC組み立て講座は先述の理由から、気軽に体験できる内容ではありません。今回は、NASEF JAPANとZORGEに加え、サードウェーブの協力があって実現しました。今後に活きる体験であることは間違いないので、これっきりでおわってしまうのではなく、今後も関連する取り組みがあれば定着しやすいかもしれません。この後続くSTEAM教育の講座のなかでも、これまでの知識に触れながら進めることができれば、さらに収穫の多い講座になりそうです。

関連記事

「F1レーサーはマシンに詳しい、eスポーツも同じこと」、富山の高岡向陵高校でeスポーツ×人材育成

力強く そして静かに燃ゆる青い炎 “Blue Flare” 青森発のeスポーツビジネス団体がめざすものとは? 前編

「eスポーツの入り口に」! 親子に聞く、東京eスポーツフェスタに来た目的は?

外部リンク

高岡向陵高等学校
https://takaokakoryo-h.ed.jp/

ZORGE 公式サイト
https://zorge.jp/

NASEF JAPAN 公式サイト
https://nasef.jp/

ドスパラ
https://www.dospara.co.jp/

部活紹介

おすすめ関連記事

eスポーツ部の活動日誌

新着記事

ゲーミングデバイス情報

  

ゲーミングデバイス情報

新製品 レビュー 部活紹介 eスポーツ部の活動日誌