特待生も入部！ハードな体力トレーニングにも取り組む七尾学園益田東高等学校｜BCN eスポーツ部

2023.07.29

特待生も入部！ハードな体力トレーニングにも取り組む七尾学園益田東高等学校

高校eスポーツ探訪
インタビュー

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【高校eスポーツ探訪・19】「eスポーツを通した人間形成と次世代ICT人材の育成」をモットーに活動する七尾学園益田東高等学校eスポーツ部。インドアスポーツとしては珍しくハードな体力トレーニングに取り組んでおり、将来プロを夢見る部員も在籍するなど、活動自体はかなり実践的。顧問の先生や現役の部員たちに、どのような活動をしているのか話を聞いてみました。（2023年6月29日取材）
（取材・文/寺澤克）

eスポーツにも身体能力が不可欠！日々の練習で体力づくりを取り入れる

──まずは皆さんの自己紹介をお願いします

進藤大希先生（以下、敬称略）　益田東高等学校eスポーツ部の顧問を務めています、進藤と申します。

塩安祐さん（以下、敬称略）　塩安祐です。3年生です。担当種目はフォートナイトで、主将をやっています。

山崎連次さん（※崎はたつさき）（以下、敬称略）　山崎連次です。2年生です。種目はロケットリーグ（ロケリー）とリーグ・オブ・レジェンド（LoL）で、統制役を担当しています。

石原佑一さん（以下、敬称略）　石原佑一です。1年生です。種目はフォートナイト（フォトナ）です。

──よろしくお願いします。それでは部活動の主な内容について教えてください。

進藤　平日は、16時から18時30分まで、土曜日は10時から16時までの時間で活動しています。今年度に1年生が7人入部してくれて、今は全部で17人という規模になりました。PCはデスクトップが6台、ノートPCが5台あります。

──部員17人に対してゲーミングPCが11台だと機材が足りませんね……。練習では何か工夫しているのですか。

進藤　練習するのはPC以外にもNintendo Switchで大乱闘スマッシュブラザーズ（スマブラ）を練習したり、あとは体力トレーニングをしたりですね。坂道ダッシュとか指や動体視力を鍛えるトレーニングなどにも取り組んでいます。練習時間内で、複数の種目やトレーニングを全員でローテーションしながら回していく感じです。

──体力トレーニングですか。そこにはどういったねらいがあるのですか。

進藤　eスポーツってやっぱり長時間集中しなければいけないスポーツです。体力の差が時には勝敗を分けるということもかなりあるじゃないですか。そして指のトレーニングも同様です。長時間コントローラーを握った方ならわかるかと思いますが、指が疲れてキー入力、スティック操作を誤ると、致命的なミスにつながる危険性もあります。ですから、常に正確な操作ができるように、日々の鍛錬は欠かせないと考え、取り組んでいます。

──たしかに長時間の試合でも集中力を保ち続けるためには、体力は欠かせません。フィジカルトレーニングも大切ですね。そんな中、山崎さんは担当種目が二つあるとのことだったので忙しそうですが、部員ごとの競技種目はどのように決めているのですか。

進藤　大会の前の期間に部員ごとの適性を見極めて、それに合致した種目に出場してもらっています。

プロ志望や動画視聴専門個性豊かなメンバー

──今度は部員の皆さんにお伺いします。なぜeスポーツ部に入ることにしたのか、いきさつを教えてください。

塩安　僕は小学校ぐらいまで「妖怪ウォッチ」など、一人でプレーするゲームにハマっていました。変わったのは中学１年生の冬です。親からクリスマスプレゼントでNintendo Switchを買ってもらいました。それでフォートナイトを始めたんです。そして高校に入学し、eスポーツ部が創部されるということで、フォートナイトに取り組もうと入部しました。

山崎　僕は、個人でフォートナイトやスマブラをプレーしてきました。ただ、最近はもっぱら見る専です。YouTubeでロケットリーグやVALORANTのプロリーグや大会を見るのが好きです。その流れで入部しました。

石原　僕も入部するまでは、Nintendo Switchでフォートナイトをプレーしてきました。ちょうど進学先の高校を決めるときに、ここのオープンスクールがあったんです。そこで体験入部したのがeスポーツ部でした。入ってみてとても楽しかったので、この高校に決めて、晴れて部員となりました。

──みなさんはこれまで、ゲーム機を使っていたんですね。部室ではPCを使って練習することができますが、皆さんの家にはゲーミングPCはありますか。

塩安　僕の家にはゲーミングPCがあります。このPCは父が、欲しかったギターを我慢して買ってくれたものです。

──そんなことが……！それでは、お父さんはeスポーツに対してかなり理解があるんですね。そのゲーミングPCを使って家でも練習しているんですか。

塩安　家ではやっぱり一人になるので、（フォートナイトの）建築やエイム練習などが基本な練習メニューになります。将来の夢はプロeスポーツプレイヤーなので、日々練習を欠かしません。特に部活動では複数人での連携などの練習がメインになるので、一人でしかできない練習をやりたいなと考えているんです。あとは“建築”つながりですけど、趣味としてたまにマインクラフトをやったりします。

──プロをめざしているんですね。誰か憧れの選手はいますか。

塩安　たくさんいるので誰がとは言えませんが、みんな憧れです。プロのプレーはどれも段違いなので、一日でも早くプロに近づきたいという思いが強いです。今週はeスポーツの専門学校の面接があるので、頑張って合格してきます！

──そんな忙しい中での対応、ありがとうございます。eスポーツも面接も良い結果が出るといいですね！山崎さんはどうですか。

山崎　家には、ゲーミングPCはないです。あるのはNintendo Switchとスマートフォンぐらいです。

──自宅では何の練習をしているんですか。

山崎　もちろん勉強はしっかりやります。あとはやっぱりVALORANTやロケリの動画を見ています。ちなみにロケリではRealize選手（@ReaLizeRL）の動画をよく見ています。VALORANTでは、ZetaDivisionのLaz選手（@lazvell）が好きです。

──プロのプレー動画を見ていると勉強になりますよね。見て学んだことについて、翌日などに友だちと話し合うのでしょうか。

山崎　自分としてはどのプレーが良かったとか、参考になるとか、思うところはたくさんあります。でも基本的には、僕が見たり感じたりしたことは、自分だけのものとして胸にしまっておきます（笑）

──石原さんはどうでしょう。

石原　家にはPCとNintendo Switchがあります。ただここ最近は試験があったこともあり、勉強で忙しくて全然できていないです。やっぱり勉強しようという雰囲気が部活動でもあったので。

練習はやっぱりハード　でも全部員で勉強会など絆は強い

──雰囲気というと、試験前は部活でも「勉強してください」という流れになるんですか。

石原　そうなんです。全部員が集まって、勉強会を開きます。その時は、学年の垣根を越えて、みんなで教え合ったりして乗り切ります。それでも今年は成績的に危ない人が数人いるみたいですね。

進藤　成績が悪くてペナルティとかそういうシステムはないですが……、本当に試験の結果が悪かったら、私は坂道ダッシュをやらせようかなと考えているところですね（笑）。

──部員はみんなかなり仲がよさそうです。石原さんは普段自宅に帰ってからゲームをプレーしますか。

石原　帰ってからだと疲れてできないんですよ。部活の練習は2?3時間ぐらいするし、けっこうハードなんですよね。

──確かに身体も使いますし、長時間集中したあとは疲れますよね。ゲームが好きなのに家でプレーしなかったら、親御さんは心配されるのでは。

石原　たぶん「どうしてゲームをやらないんだろう？」とか思っているんじゃないですかね。入部前なんて休日はずっとゲームをやっていましたから。今は日曜日にも稀に練習があるので、家ではあまりゲームをしていません。まあでも、例え部活だったとしても、学校でやるゲームはみんなと顔を合わせてプレーできるので楽しいですけどね。

──何よりです！さて、益田東高校は正則学園高校と交流会を開催するなど、他高との交流に積極的ですよね。今後思い描いていることはありますか。

進藤　今のところ明確に企画とかはないですけど、私の中では幅広く、まずは島根県内の高校、そして中国地方、そしたらまた沖縄とか北海道とかの学校と交流を深めたい、そうしたビジョンを持って取り組みを進めています。もちろん最初はオンラインでの交流でも良いんでしょうが、やっぱり直接顔を合わせて何かできたらいいなっていうのを大まかな方向性として持っています。これからもeスポーツを通した交流は続けていきたいですね。

──交流の件もぜひ、今後も取材させていただければと思います。部員の皆さんも練習に励んで、良い結果を残せると良いですね！