近年、インターネットを利用したサービスが日常に広く普及するに伴って、ID・パスワードの流出やハッキングなどによる不正アクセスの被害も増加しています。不正アクセスは、自分のアカウントを勝手に使われるだけでなく、登録した情報を使って高額な買い物をされたり、個人情報を他所で悪用されたりする可能性もあるとても危険なものです。

　今回は、大切なアカウントと個人情報を不正アクセスから守る手段として有効な「二段階認証」について解説します。現在ではゲームに関係するプラットフォームの多くが二段階認証に対応しており、いずれも簡単に設定ができるので、必ずチェックしてアカウントのセキュリティレベルを高めましょう。

　「二段階認証」とは、Webサイトやサービスにログインする上での作業を何らかの形で2回行う認証方式です。同じID・パスワードを2回にわたって入力したり、ID・パスワードを入力してからあらかじめ設定した質問に答えたりと、その方法はさまざまあります。

　ID・パスワードに加えてSMSで送信する認証キーの入力を求めるなど、知識要素と所有要素の2つによって確認を行う認証方式は「二要素認証」と呼ばれるものです。二段階認証と二要素認証は厳密には違うものですが、二段階の認証を経ることからひとつに括られることも多いため、今回はあえて詳細に分けることはせずに紹介していきます。

　ID・パスワードを一度入力するだけのログイン方式は、セキュリティ上の危険性が高いことが問題です。どこかからID・パスワードが漏れてしまえば誰でも自分のアカウントにアクセスできてしまいますし、悪質なプログラムによってパスワードを突き止められそのままアカウントを乗っ取られるかもしれません。アカウントに登録された情報を使って勝手に買い物をされたり、個人情報を他所で悪用されたりする危険性があります。

　しかし、「二段階認証」を利用することで不正アクセスへの防御が格段に上がるので、設定が可能な場合には必ず利用して大切なアカウントや情報を守りましょう。ゲームタイトルやサービスによっては、二段階認証の設定をオンにするだけで特典（FF14の無料テレポなど）をもらえる場合もあるので一石二鳥です。

　著名なゲームプラットフォーム（ゲームタイトル）において、ログインに二段階認証が活用できる例を紹介します。利用しているもののなかで、まだ設定していないサービスがあれば二段階認証を必ず設定しておきましょう。

　Steamでは、iOSかAndroidの対応デバイスでSteam モバイルアプリを使うことによって、ログイン認証やトレード、コミュニティマーケットの確認に二段階認証が利用できます。スマホにアプリをインストールしてID・パスワードでログインした後、メインメニューから「Steamガード」を選択して設定が可能です。

　Epic Gamesでは、アプリ・SMS・メールの中から好きな手段を選んで二段階認証を利用できます。アカウントページにアクセスし、「パスワード&セキュリティ」タブを選択して設定が可能です。

　Riot Gamesでは、ログイン時に送信されるメールに記載されているコードを使った二段階認証を利用できます。アカウントページの「サインイン&セキュリティ」タブを選択して設定が可能です。二段階認証の有効化にはメールアドレスの認証が必要なので、まだ済んでいない方は先にそちらの手続きを行ってください。

　スクウェア・エニックスでは、ソフトウェアトークン（iOS/Androidアプリ）を使った二段階認証を利用できます。「スクウェア・エニックス アカウント管理システム」にログイン後、メニュー内にある「ワンタイムパスワード」のページを開き、「ソフトウェアトークン（スマートフォン用アプリ）の設定を行う」をクリックして設定が可能です。

　Originでは、アプリもしくはメールを使った二段階認証が利用できます。PC版のOriginアプリを起動し、画面左上にある「Origin」メニュー内の「EAアカウントと請求」をクリックして設定が可能です。

　二段階認証のなかでも活用したいのが、ID・パスワードと別の要素も必要になる二要素認証です。近年は、ゲーム関連のみならずさまざまなアカウントにおいて二段階認証が設定できることが増えています。ネットバンキングなど機密性が極めて高いアカウントは、ログイン時に三段階以上にわたって厳重な本人確認を行うケースもあるほどです。可能な限り二段階認証を活用し、大切なアカウントと個人情報を守りましょう。

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