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2023.12.27

神奈川県小田原市、地元西湘高校にPCを無料で貸出!まずeスポーツ同好会として認可を目指す!

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 神奈川県小田原市では、11月から地元の高校を対象に、ゲーミングPC一式を無償で貸し出す「eスポーツ部創部支援」の取り組みを始めました。12月18日に、第一校目のモデル校として選ばれた西湘高校での活動が報道陣向けに公開されました。

西湘高校での活動の模様。当日はVALORANTをプレー

小田原市内の高校にはeスポーツ部がない!?

 eスポーツ体験施設「e-zone」の開設、ポケモンユナイトの大会の定期開催など、近年はeスポーツに積極的な姿勢を見せている小田原市。意外なのは、市内の高校にはeスポーツ部が一つもないこと。eスポーツを担当する観光課の宇佐美雄也さんによれば、ゲームやeスポーツに興味がある学生の人口は多いはずとのことですが、部活動を立ち上げるには様々なハードルが立ちはだかっています。

宇佐美さん 観光につながるという点で我々はeスポーツを推進してきました。しかしこの流れを一過性で終わらせたくない。そう考え、最もゲーマー人口の多いと思われる高校生を対象に、eスポーツの輪を広めたいと考えています。

 しかし実際には、ゲーミングPC自体が高額であることに加えて、学校内のネットワークにオンライン対戦可能な環境を構築することも難しいというのが当市の高校eスポーツの現状です。そんなわけで、我々がゲーミングPCを貸し出して、「eスポーツを部活動として取り組みたい」そんな学生を支援したいと考えこの取り組みを始めました。

同好会の立ち上げを申請中!実績を作り部活にするのが目標

 西湘高校への貸し出しは11月20日からスタートしました。ゲーミングPCと周辺機器でワンセット20万円ほどだそうです。同校が借りたのは、ネットワーク構築の容易なゲーミングノートPC5セット。これまでは、ミーティングやスマートフォンがあればプレーできるポケモンユナイトを中心に活動を続けてきましたが、ゲーミングPCがあれば、今後は主要大会の競技タイトルも練習できるようになります。

 ただ、これらの活動はまだ部活動や同好会としてのものではありません。5月に同好会立ち上げの申請をしたものの、まだ学校から公に認められていないのです。さらに、ただ単に申請したからといって同好会の立ち上げが認められるわけでもないといいます。過去にはゲーム部の立ち上げを却下されている経緯があることから、今回のeスポーツ同好会の認可にも何らかの活動実績が必要となるのだそう。

 しかし、生徒の代表を務める2年生の八亀海斗さんは「eスポーツ部として実績を残したい」とやる気十分。eスポーツに興味を持った経緯とともに次のように語っています。

八亀さん eスポーツというワードをテレビで見るようになって興味を持ち、高校入学前にSTAGE:0を見て自分も部活動として真剣に取り組みたいと思ってきました。同好会としての許可はいただいていませんが、8月のポケモンユナイト甲子園にも出場しました。もちろん目標は部活動にすること。そのためにも来年以降の主要な大会への出場も考えています。

両親の影響でKOFをプレーしてきたという八亀さんは、
この西湘高校の生徒会長も務めている。
ポケユナのプレイヤーネームは「カイオーガ」で、
ポケユナ甲子園ではテレビの密着取材も入ったそう。

運動部が盛んな学校 だからこそ運動が苦手がでも輝ける場所を

 同好会立ち上げには、生徒だけでなく周りの大人の願いもこめられています。

 西湘高校は陸上競技やラグビー、バレーボールなど、運動部の活動が非常盛んな学校として知られています。ではなぜそんな高校でeスポーツを部活動にしたいのでしょうか。そこには運動が苦手な人でも活躍できる場所を提供したいという先生の思いがありました。

 同好会の立ち上げをサポートしている永石健人先生は、生徒だけでなくほかの先生も誘ってeスポーツ体験会に参加するなど、eスポーツの良さを伝える活動を続けてきました。

永石先生 運動部が盛んな本校にもゲームが好きな生徒はかなりいて、活動の場を求めている生徒もいます。そして、運動が苦手な子でも輝けるような環境が作れないかなと、それでeスポーツを部活動にする取り組みが始まりました。

 現状、やはり運動部がメインという人もいますが、結果的にメンバーは全部で25人集まりました。昨年3月に小田原市が主催したポケモンユナイト大会が始まりだったわけですが、だんだんとゲームが好きっていう子たちが集まって力になってくれて、これだけの人数になりましたね。

今回同好会の立ち上げに協力している永石先生。
本人もゲームが好きで
ギルティギアやブレイブルーといった格ゲーに親しんできた。
ゲームセンターの大会に出場するなど
大会への参加経験もあるという

オフライン環境で真剣にゲームをする 高校生でしかできない体験

 最後に八亀さんはeスポーツについて「自分は運動部と同じ競技と考えている」と続けます。

八亀さん よく文化部かスポーツ部なのかわからないと思われがちですが、しっかり練習する必要があるし、僕はeスポーツは運動部と同じだとみています。だからこそ実績を残したいんです。

 そしてオンラインでもできるのがeスポーツの特徴ですが、声掛けがしやすく、楽しくゲームができるのはオフラインならではの魅力です。部活動としてeスポーツを真剣にプレーする体験は、高校生の時にしかできないことだと考えています。


 この西湘高校での活動が、実を結べば、小田原市内では初のeスポーツ部の創設となるでしょう。同好会が認められる条件は、1年間で何らかの実績を作ることだそう。同校のeスポーツ同好会(仮)は、まずは直近1月と3月に小田原市で主催するポケユナ大会を見据え、活動を続けていくとのことです。

 そして小田原市では、西湘高校のほか、残り2校への貸し出しも現在募集中。まずは、3校への貸し出しから始め、要望があれば今後も続けていく方針です。

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外部リンク

西湘高校 ホームページ
https://www.pen-kanagawa.ed.jp/seisho-h/

eスポーツ部創部支援(ゲーミングパソコン等貸出) 小田原市
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/topics/p37367.html

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