インタビュー

2023.12.15

映像配信関連会社BBBがeスポーツに参入したワケ、担当者は150回大会主催した猛者

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 ゲームが上手くなりたいプレイヤーと教えるすべを持つプレイヤーをつなぐサービス「e-Sports Masters(イースポーツマスターズ)」が、10月2日にスタートしました。手掛けたのは、映像配信に関わる事業を展開するBBBです。一見、eスポーツとは繋がりが無さそうな企業が、なぜ関連ビジネスを立ち上げたのでしょうか。企業の枠を超えた担当者の想いを聞いてきました。

取材・文・写真/南雲 亮平

BBB e-Sports事業部 橋本昌博氏(左)と
米山龍登氏(右)

eスポーツとの深い関り

── エントランスにはさまざまな作品が並んでいますね。見たことのあるタイトルがいくつもありますし、名前だけは知っているものもあります。BBBではどれくらいの作品を扱っているのでしょうか。

BBB e-Sports事業部 橋本昌博氏(以下、敬称略) 無数にあるのでしっかり数えたことはありませんが、10万件はあると思います。2004年の設立から、映画だけでなく、ドラマ、アニメ、バラエティ、ドキュメンタリーなど、あらゆるジャンルの映像を扱ってきました。エントランスには関連会社のカルチュア・エンタテインメントが扱う書籍なども展示されていて、私が見たことのない作品もまだまだあります。

BBBが立ち上げた「e-Sports Masters」


── トロフィーなども並んでおり、壮観ですね。ただ、ゲームタイトルなどは見当たりません。一見、ゲームやeスポーツとは関連のないBBBが、なぜeスポーツ事業を立ち上げることになったのか、教えてください。

橋本 BBBに限らず、カルチュア・エンタテインメントはグループ全体の方針として、エンタメに関わる新規事業を立ち上げていこうという風潮があります。そのなかで当社もいろいろな事業を立ち上げました。その一つが、eスポーツです。

── 最近は大規模な大会やイベントなども多いので、そうったところでeスポーツを見つけたのでしょうか。

橋本 そういう情勢もあります。ただ、それだけではありません。

BBB e-Sports事業部 米山龍登氏(以下、敬称略) 発端となったのは、私が個人でeスポーツ大会を主催していたことです。

── eスポーツと無関係どころか、eスポーツの中心人物だったんですね……!

大会を主催していたと語る
米山氏


 遊戯王のアプリゲーム『遊戯王 デュエルリンクス』の大会を開いていました。多い時で、128人くらいの規模です。大小ありますが、150回ほど開催していました。

── 平然とお話されていますが、個人で開くにしてはとんでもない規模ですね。

米山 海外の参加者もいたので、ほどほどの規模です。ゲーム自体にかなり本気で取り組んでいたので、コミュニティを盛り上げたいと思い、開催していました。好きなテーマは「サイバー流」です。

── 私は「ラヴァル」を使っていました。それはともかく、そもそもeスポーツに深く関わっていたからこそたどり着いたんですね。

米山 最初に思いついたのは、eスポーツ大会の進行ツールでした。私が大会を主催していた際に使っていたサービスの改善点などを思いついていたので、それを反映したものを提供しようと考えたんです。

── 課題を解決したツールとなると実用性が高そうです。しかし、いま提供しているのが生徒とコーチのマッチングサービスということは、何かあったということですね。

橋本 はい、紆余曲折がありました。ゲーム大会の支援ツールで進めようとしたのですが、継続的にサービスを提供するためにも、どこでマネタイズしようか、という課題にぶつかりました。実用的なサービスになりそうだったのですが、すぐには解決策が見えなかったので、次にカフェを考えました。

 eスポーツに関するニュースを見ていたときに、新大久保のeスポーツカフェが盛況らしいと感じたことがきっかけです。こちらは場所をおさえるまでは進んだのですが、こちらもさまざまな事情があって流れました。

eスポーツでさまざまな事業を構想していたと語る
橋本氏


米山 そこで改めて大会に立ち返って、じゃあそもそも大会に参加する人を増やそう、参加したい人達の後押しをしよう、大会に参加している人たちを支援しようということで、コーチと生徒のマッチングサービスに至りました。

e-Sports Mastersの使い方 コーチ編

── e-Sports Mastersはどのように使うのでしょうか。まずコーチ側からお願いします。

米山 コーチはまず、得意なゲームタイトルを含めて自分の情報をサイトに登録します。講座を立ち上げるときは、ゲームタイトルと受付可能人数と、内容を自由に記載して公開します。内容には、生徒の方に「この人に教わりたい」と思っていただけるように、例えば自らの大会実績を書いたり、教えることができる技術を細かく書いたりします。講座料金は最低500ポイントから設定可能です。上限は基本的にはありません。

コーチの講座登録画面


 e-Sports Masters独自のポイントとしては、オプション設定があえてできないようになっています。シンプルな値段設定にすることで、パッと見てわかりやすい設計にしました。

 講座の公開後は、生徒の方から質問があればそれに答えて、条件が整ったら講座を実施していただき、終わったら完了報告をする、といった流れです。

── 講座時間などは、受講前の質問などで交渉するのでしょうか。

米山 日程や時間のすり合わせは購入前や購入後に相談して決定することができます。生徒側からすれば、何時間の講座かなどは事前に書いてあるとわかりやすいですよね。オプションはありませんが、どんなことができるのか、講座内容に書かれていないことを交渉することもできます。

さまざまなゲームタイトルの講座が並ぶ

e-Sports Mastersの使い方 受講者編

── では、生徒が受講する場合の使い方もお願いします。

米山 生徒の方はまず受けたい講座を探します。タイトルや初級・中級などのレベル、価格から検索することができますし、公認コーチやプロゲーマーなどの講座を選ぶこともできます。受講したい講座を見つけたあとは、講座内容のなかにない情報で聞きたいことなどを質問欄で聞き、条件が合致したら購入して受講者になります。講座を受けたら、コーチを評価して受講完了です。

講座の検索画面。
多様な要素から講座を探すことができる

購入はポイントで

── 講座を購入するときは、先にポイントを購入するんですよね。

米山 はい、購入時には、まず当社が発行するポイントを1ポイント=1円で購入していただきます。購入額は細かく設定できるので、講座の金額ピッタリのポイントを購入すれば、ポイントが余ってしまう心配がなくおすすめです。

 コーチによる完了報告と受講者による講座の評価が終わったら、受講者の支払ったポイントがコーチに移ります。コーチが受け取ったポイントは換金可能で、早くて申請から翌日には入金されます。

ポイントの購入画面


── そのままコーチに支払うではなく、一旦プールしてもらえると、万が一トラブルがあったときにポイントが保護されるので安心ですね。

プロゲーマーやベテランゲーマーのスキルを活かす場

── プロゲーミングチーム「SCARZ」も講座を公開しているんですね!

橋本 はい、e-Sports Mastersを立ち上げる際に相談したら「いいですね!」と言っていただき、ご協力いただいています。当社もSCARZのスポンサーになっております。

OLYMPIC ESPORTS Finals 2023にも出場した
SCARZのGoto(ごとう)選手らが講座を公開して
いる(12月8日時点)

 先ほどもお話した通り、大会に参加している方も応援したいという想いで立ち上げたサービスなので、プロの方や、元プロの方のセカンドキャリアも支援したいと考えています。プロゲーマーやベテランゲーマーの方には、培った技術を活かす場として活用していただきたいです。

 生徒の方には、趣味やサークル、部活動として広がっているeスポーツで活躍するためにご活用いただきたいです。

始めるならチャンス!

 e-Sports Masters では、2023年12月15日~24年1月10日まで、総額100万円分のポイントが還元される「クリスマス&お正月キャンペーン」を実施しています。期間中に講座を受講した場合、初回のみ受講料の半額がポイントで還元されます。付与される還元ポイントに上限額はないので、高額な講座をお得に受講するチャンスです。なお、予算上限に達し次第、早期終了の可能性があるため、利用する際は事前に確認しておきましょう。

 10月にe-Sports Mastersの提供を開始したBBBは、今後もeスポーツに関するサービスを検討しているとのこと。今後の展開にも注目です。

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外部リンク

e-Sports Masters
https://e-sportsmasters.com/

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