サービス

2024.07.24

世界初!脳波からeスポーツの勝敗を予測、精度は約80% NTTが実証

記事をシェア
エックス
フェイスブック
ライン

 日本電信電話(NTT)は、eスポーツ対戦直前の脳波に勝敗と強く関わるパターンが存在することを世界ではじめて発見し、この脳波データから直後の試合結果を高精度に予測することに成功したと発表しました。

格闘ゲーム試合中に測定された、
eスポーツプレイヤーの脳波


 今回の研究では、身体運動機能の違いよりもメンタルゲームの側面が強く、脳計測に適しているeスポーツの格闘ゲームを対象に、試合中の選手の脳状態を脳波計測(EEG)によって観測。アスリートが試合に臨む際の理想的な精神状態がどのような脳波パターンから生じるのかを調査したところ、対戦直前のプレイヤーの脳波データに存在する、勝敗と強く関連するパターンを特定したといいます。

脳波データから試合結果を約80%の精度で予測可能に

 試合の勝敗と関連する脳波パターンを調査すべく、eスポーツの格闘ゲーム熟練者同士が実戦と同じ、2ラウンド先取制の試合を行っている最中の脳波(EEG)を計測。eスポーツの勝負では「戦略判断」と「感情制御」が重要であるとされ、プレイヤーへのアンケート結果からも、第1ラウンドの直前期間では戦略判断の重要性が高く、第3ラウンドの直前期間では感情制御の重要性が高いことが明らかになっています。

 ここでいう戦略判断は、目標を達成するための最善の方法を選択する能力のこと。eスポーツにおいては、プレイヤー個人の特性やキャラクターの相性を考慮し、自分が取るべき行動パターンを事前に計画しておく試みを指します。

 感情制御は、個人が自分の感情を意識的に調整し、適切に表現する能力。eスポーツにおいては、試合の大事な局面に感じる「敗北への不安」のような精神的動揺を意識的に抑制する試みを指します。

 そこで、第1・第3ラウンドの直前期間の戦略判断と感情制御に関わる脳波パターンに着目して、それらと勝敗の関連を調べたところ、戦略判断に関わる左前頭脳領域のγ波が試合の序盤(第1ラウンドの直前)に増大している場合、または感情制御に関わる左前頭脳領域のα波が試合の終盤(第3ラウンドの直前)に増大している場合に、試合に勝ちやすいことがわかりました。

 つまり熟練者同士の戦いでは、データに基づいた戦略をもって試合に臨み、自信を持ち続け、決して揺るがない心が大切になりそうです。

試合直前の脳波から勝敗予測

 さらに、試合直前の脳波パターンから試合結果をどの程度正確に予測できるのか評価すべく、1ラウンド先取制で行われる試合直前の脳波データから、その試合の勝敗を予測するモデルを複数の機械学習手法で構築したところ、もっとも成績のよいモデルには勝敗に関わる脳波の特徴を数値化したデータを抽出することができました。

試合直前の脳波データを用いた勝敗予測


 その結果、試合直前の脳波パターンから試合の勝敗を約80%の精度で予測可能であることが明らかになっています。内訳をみると、勝ちだけでなく負けも約80%で予測できました。従来のデータからの予測とは20%近く精度に差がありました。

 また、実力が拮抗した組み合わせの試合と、番狂わせが起きた試合の勝敗を予測すると、プレイヤーの過去の試合情報のような従来データでの学習ではもっともよいモデルでも予測精度が低かった一方で、脳波データで学習したモデルでは約80%の高い精度で予測可能になっています。

 同研究は、勝負事に臨む際の理想的な脳状態の存在を示しており、人々がさまざまなシーンでプレッシャーに対処するための重要なヒントとなり得ます。

 なお、eスポーツの勝敗と脳波との関連についての詳細は、2023年6月16日にアメリカの科学誌である『iScience』に、勝敗予測技術についての詳細は、2024年7月18日にオランダの科学誌『Computers in Human Behavior』に掲載されています。

関連記事

配信技研子会社化のGLOE ライブ配信メディアの市場動向・広告価値のレポートを無償公開

eスポーツ大会で選手インタビューを受けたときの答え方とは?受け答えのノウハウ紹介!

フィギュアもデジタルの時代に キャラクター鑑賞用ディスプレイのクラファンが開始

外部リンク

NTT
https://group.ntt/jp/

部活紹介

おすすめ関連記事

eスポーツ部の活動日誌

新着記事

ゲーミングデバイス情報

  

ゲーミングデバイス情報

新製品 レビュー 部活紹介 eスポーツ部の活動日誌