大会レポート

2021.03.14

史上初の2冠・2連覇、N高「KDG N1」が魅せた! 第3回 全国高校eスポーツ選手権 第4回も決定!

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 「第3回 全国高校eスポーツ選手権」リーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門の決勝大会が3月14日に開催されました。過去最高規模となる113校168チームのなかで頂点に立ったのは、全大会の優勝チームでもあるN高等学校「KDG N1」でした。N高は前日に開催されたロケットリーグ部門でも「NRLG Cats」が優勝しており、史上初の2連覇と2冠を同時達成になります。

第3回 全国高校eスポーツ選手権 リーグオブレジェンド部門の決勝大会(c)2021 Riot Games, Inc. Used With Permission.

 大会は全国高等学校eスポーツ連盟と毎日新聞が主催、サードウェーブが共催、文部科学省が後援についています。12月に予選を実施し、ベスト4が決定。決勝大会では、準決勝から戦いました。

 準決勝の対戦カードは、第1試合がN高等学校(N高)「KDG N1」×N高「Team No Plan」、第2試合が専門学校アートカレッジ神戸 高等課程「アートカレッジ神戸A」×ルネサンス高等学校「野菜鶏レモン味」でした。

 リーグ・オブ・レジェンドは、5対5のチーム競技。互いに陣地を持ち、相手の本拠地をより早く制圧したチームの勝利になります。本拠地にたどり着くまでには、それぞれのチームに所属するタワーが行く手を阻みます。さらには、お互いの陣地から相手の陣地に向けて進みながら自動で戦う兵士“ミニオン”も重要な要素です。フィールドには中立の敵も配置されており、戦局のカギを握る場合もあります。試合の開始前には、自らが使うキャラクターを選ぶフェーズがあります。相手と同じキャラクターを選ぶことができず、試合中に相手に使ってほしくないキャラクターの使用を禁止することができるので、見どころの一つでもあります。試合は準決勝が勝ち抜き、決勝が2試合先取です。

 大会のスペシャルサポーターには俳優のケイン・コスギさんが就任。MCはOooDa(オーダ)さん、実況はeyes(アイズ)さん、解説はRevol(レボル)さん、アナリストはiSeNNさんが務めました。

第1試合 N高「KDG N1」×N高「Team No Plan」

 第1試合は、前回優勝したKDG N1と同じくN高のTeam No Planが対戦。序盤からKDG N1が積極的に攻め、開始10分で5キルをとるスピーディーな展開になりました。その後もひたすらに攻めの姿勢を貫き、プレッシャーをかけ続けました。Team No Planは流れを崩すことができず、KDG N1が勝利を納めました。

N高「KDG N1」

 Calamitγ選手は「実力差を見せつけられる試合になってしまいました」と話し、メンバーも「ここまで頑張ってきたのに、あっけなく負けて悔しいです」と口をそろえて悔しさを滲ませました。周囲の人たちからの応援もあったとのことで、なおさら悔しかったのかもしれません。

N高「Team No Plan」

第2試合 アートカレッジ神戸「アートカレッジ神戸A」×ルネサンス「野菜鶏レモン味」

 第2試合は、一進一退の攻防を繰り返す拮抗した戦いでした。中盤までは野菜鶏レモン味が有利に進めていたものの、終盤の強力な強化効果を持つ敵をアートカレッジ神戸Aが横取り。そこから大きく流れが変わり、一気に盛り返しました。勢いのままアートカレッジ神戸Aが押し切り、勝利を納めました。

アートカレッジ神戸「アートカレッジ神戸A」

 野菜鶏レモン味のごっとふぃすと選手は「有利だったのに巻き返されたので、本当に悔しかったです」と振り返ります。ただ、「大会に申し込むか悩んだ時期もありましたが、楽しむことを目的に大会に出て、最後に最高の戦いができてよかったです」と笑顔で語りました。Ruler fan選手は「3年生もいるので、このメンバーでできるのは最後かと思うと悔しいです」と話しました。

ルネサンス「野菜鶏レモン味」

決勝戦 N高「KDG N1」×アートカレッジ神戸「アートカレッジ神戸A」

 決勝戦はKDG N1とアートカレッジ神戸Aの対戦。2ゲーム先取で優勝になります。ゲーム1では、序盤からKDG N1がアドバンテージを維持し続け勝利。ゲーム2はアートカレッジ神戸が慎重に進めたことで、徐々に有利を伸ばしながら展開しました。中盤でKDG N1が五分五分まで巻き返してきたものの、アートカレッジ神戸Aが序盤の有利を活かして最適なタイミングで攻撃を仕掛け再び優位に立ちました。このまま終わるかと思いきや、終盤にN高が連携力の高さを見せ逆転。アートカレッジ神戸Aは各個撃破されてしまい、N高が一気に押し込む形で優勝をつかみ取りました。

 準優勝したアートカレッジ神戸Aは「このために頑張ったけど、準優勝は悔しいです」と声を揃えながらも、kaeto選手は「負け方は悔しかったけど、この大会に出た価値はあったと思いました」と前向きです。から揚げ選手は「高い技術力を持っている方々と戦って得られた反省点を修正し、日々精進して来年は優勝を狙っていきたいです」と、すでに次に目を向ける姿勢でした。

 優勝インタビューで、KDG N1のまりも選手は「嬉しい、という言葉につきます。中盤、苦しい展開もあって負けるかもと思ってしまったのですが、一人ひとりがいいプレイを出せるようになって徐々に流れをつかんでいきました。そこからまだ勝てるという思いに代わり、勝ててよかったです。連覇や3年生などのプレッシャーもあったのですが、今はホッとしています」とコメント。shakespeare選手は、「予選から3カ月間空いてしまって、練習に身の入らない期間があったのかもしれないけれど、そこを乗り越えて結果を残すことができてよかった」と勝利を噛み締めていました。

KDG N1の優勝が決定! (c)2021 Riot Games, Inc. Used With Permission.

 また、KDG N1は、前日にまりも選手いわく「深刻なレベル」のケンカがあったそうです。それでも、事前に練習してきたことが出せたり、連携ができたりと、「本当に丁度よくまとまることができてよかったです」と振り返りました。VioIet選手は「あまり周りの人に大会に出ることを言っていなかったのですが、LoLを教えてくださった方が私の出場を知ってびっくりしたと声をかけてくださったのはうれしかったです」。rre選手は「他のメンバーは3年生で、これからは私がチームを引っ張っていく形になるかと思いますが、次回も優勝を目指していきます」と力強く語りました。

優勝したKDG N1

 決勝大会には、次のような副賞もありました。第10世代インテル Core i7プロセッサーとNVIDIA GeForce RTX 3060を搭載した、144Hzの高リフレッシュレートを備えるゲーミングノートPC「GALLERIA「GALLERIA XL7C-R36」。日清食品の「カップヌードル一年分」。これは、決勝大会進出チーム(優勝チームを除く)に「カップヌードル200食分」でした。ネットギアジャパンの「メッシュWiFi Orbi WiFi 6」。決勝大会進出チームには「NighthawkメッシュWiFi MK63」と「デジタルキャンバスMeural(MC321BL)」。さらに、優勝チームには5万ライアットポイント、2位は1万5000ポイント、3位には5000ライアットポイントが進呈されました。

 LoLは馴染みのない人にとっては難しいゲームです。専門用語だけでなく、キャラクター固有のスキルや強化効果を持つ中立の敵など、見ているだけで理解することはほぼ不可能でしょう。加えて、スキルの応酬になるとエフェクトが入り乱れなおさら状況の把握が難しくなります。

 ただ、今大会はLoLだけでなくゲームに馴染みのない人が見る可能性があります。それを考慮して、実況・解説では専門用語の解説やリプレイ分析を通して「何がすごいのか」「どこで戦況が変わったのか」「どちらが有利なのか」を細かく、そして繰り返し説明していました。それでも理解が難しい場面は多いです。その対策として、場面ごとに活躍した選手の名前を明確にしていたことで、ゲームの内容ではなく、戦局をわかりやすく工夫していたように思います。その結果、臨場感のある観戦体験になったはずです。

第4回も決定!

 大会の終了後、閉会式では第4回 全国高校eスポーツ選手権の開催決定が発表されました、スケジュールは、2021年秋に予選を開始し、12月に決勝大会です。採用するタイトルはロケットリーグとリーグ・オブ・レジェンド。さらに、このほかのタイトルについても検討しているといいます。ただ、今秋開催となると、練習期間もあまり残されてはいないので、新入生が入ってくる頃には発表されて欲しいですね。

第4回 全国高校eスポーツ選手権の開催も決定!

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