大会レポート
2023.02.13
優勝チームが涙で語る「昨年のメンバーにもこの光景を見せたかった」第5回 全国高校eスポーツ選手権 LoL部門【インタビュー】
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2月11日、第5回 全国高校eスポーツ選手権 リーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門の決勝大会が開催されました。大会の模様はすでに掲載(https://esports.bcnretail.com/highschool/230211_000974.html)されているので、今回は大会後に実施された優勝チーム、N高等学校「N1」のインタビューの様子をお届けします。

優勝した嬉しさと昨年の負けた悔しさ、2つの感情が渦巻く中、涙を流しながら絞り出された言葉の数々、先輩、コーチ、仲間たちへの感謝など、必見のインタビューです。また、今回の決勝大会はパブリックビューイング会場も設営されました。特別編として無料(要登録)のパブリックビューイング会場に駆けつけていた観戦者の方々の声もお届けします。
優勝チームインタビュー N高等学校

──優勝おめでとうございます! またキャプテンのrre選手はMVPの獲得もおめでとうございます! 今のお気持ちはいかがでしょうか。
rre選手 昨年は決勝で負けてしまったので、その時の悔しい気持ちは今でも鮮明に思い出せるぐらいのことです。ただこの1年の努力が実った結果でとても良かったです。
ただ、こうしてトロフィーや賞品もいただいて嬉しいのですが……、この光景というか、この優勝という結果を、昨年のメンバーにも経験させてあげたかった……。そういう想いが込み上げてきました。昨年のメンバーに申し訳ない気持ちもあります。でも今はすごく嬉しいです、ありがとうございました。
──先輩方も喜んでくれていると思います。
rr選手 ありがとうございます。僕がN校に入って良かったと思えるのも、3年間お世話になった先輩方や今年のメンバーのおかげです。
また僕がN校に入ったときから、ずっとコーチングをして下さったリールベルトさんにはプレイヤーとしてだけでなく、人間的な部分についても指導いただき、成長させていただきました。
リールベルトさん、3年間本当にありがとうございました!

──昨年の全国高校eスポーツ選手権のときチームから、rre選手以外のメンバーが卒業しました。今年に向けてどのようにチーム編成をされたのでしょうか。
rre選手 昨年の大会が終わってすぐ3月頃に動き始めました。N校の『リーグオブレジェンド』の部活内でメンバーを選考してチームを再結成しました。
──決勝の戦い方について意識されたことを教えてください。
rre選手 私たちのチームの特徴として、BOTの2人が強気にプレーするスタイルだという点があるので、その特徴を活かすプランを取りました。BOTを勝たせてからチーム全体に還元していくのがチームプランでした。それを決勝の舞台でもできるように、序盤でBOTが崩れないことを特に意識しました。
──先ほどコーチの方への感謝の気持ちとともに「人間的にも成長させていただいた」という言葉がありました。rre選手自身、この3年間で自分がどのような人間に成長できたと感じてますか。
rre選手 3年前はごく一般的な高校1年生といいますか、他者との関わり方についても、仲が良いと強い言葉を使ってしまう人間でした。
コーチのリールベルトさんの教えもあって、例えば、試合に勝つためにチームメンバーと話し合うとき、そのメンバーが勝ち以外のことを大事にしていたら、まず話し合いにならないので、その時に相手のことを思いやって、いま相手が何を考えているのかを想像すること、相手が発したような言葉を自分が使うときは、何を考えているときなのかを想像すること、それらを学びました。そういった考え方がこの活動を通して、成長できたところだと思います。
特別インタビュー
大会中にパブリックビューイング会場に足を運んでいた4組にお話しをうかがうことができました。今回はなんと、大会に参加している選手やチームの応援だけでなく、一般の来場客として「息子がプロゲーマーに憧れているので、eスポーツの大会を見せるために一緒に遊びに来た!」という親子にも取材することができました。

パートナーがeスポーツ事務所を経営&息子さんはクラーク1年生

──どちらのチームの応援に来られましたか。
クラーク記念国際高校です。息子がクラーク記念国際高校の1年生でして、この大会の予選にも出ていましたので、先輩方の応援にきました。
──ここまで試合をご覧になっていかがでしょうか。
今後、この舞台で息子が選手として頑張ってくれると嬉しいなと感じました。あと夫がeスポーツ関係の事務所を経営しているので、eスポーツについては夫の方が詳しいですね(笑)。
──息子さんが普段練習しているのをどのような気持ちで見守っていますか。
私自身がeスポーツに詳しくないので、最初は不安もありました。それでも(息子が)熱中して頑張っているので、これからも応援していきたいと思っています。
──ありがとうございました!
息子が「プロゲーマーに憧れている」ので連れてきた

──どちらのチームの応援に来られましたか。
N高校ですね。実は私たちは関係者というわけではなく、息子が「eスポーツの試合を見たい!」と言ったので近場ということで連れてきたんです。だから、このゲームも初めて見るんです。
息子が応援しているのはN高校でして、強くて有名だから応援しているようです。
──そうなんですね!普段、息子さんはどんなゲームをされるのでしょうか。
『マインクラフト』や『ポケットモンスター』ですね。
──対戦系のゲームはまだあまりされてないんですね。
そうですね。ただ今日の試合を見て、やりたくなっていると思います。
──お父さん自身も普段からゲームはされるのでしょうか。
私はゲームは全くしていないのですが、息子が普段からいろいろゲームをやっていて、こういったプロゲーマーのような人たちに憧れを抱いているので「じゃあ、一度見に行ってみようか!」ということで今日来ました。
──高校生の皆さんが戦っているのをご覧になって、どのような感想を持ちましたか。
なんか素敵だなと思いましたね。私が高校生のころ、スポーツといえば、野球とかサッカーのことを指していたのですが、今ではこういったゲームもスポーツとして扱われているのは面白いです。
負けちゃったチームの高校生の子が涙ぐんでいる姿を見ると、こちらも目頭が熱くなってきます。
──もし息子さんがプロゲーマーを目指した時は、是非とも応援してあげてください! 最後に息子さんに質問させてください。今日はじめて見た『リーグ・オブ・レジェンド』、試合を見ていてどういうところが面白いと感じましたか
息子さん たくさんのアイテムと戦略を作って戦うのが楽しそうです!
──ありがとうございました!
「こんなにスゴイことをやっていたとは知らなかった」 選手のご両親

──どちらのチームの応援に来られましたか。
N高校のチームです。
──ここまで試合をご覧になっていかがでしょうか。
(接戦や逆転が多くて)すごくハラハラします。
──息子さんが普段練習しているのをご覧になったことはありますか
練習しているところを見たことはほとんどなく、静かに見守っています。
──今までは息子さんがどんなことに熱中していて、どれぐらい上手なのか分からなかったかもしれませんが、本日の息子さんの活躍をご覧になっていかがでしょうか。
「すごいことをやっとったんやな?」って思いました。ここ最近、大会に出るようになったと聞いて、たまに見ていたのですが、今日の決勝という舞台で改めてそれを感じました。
──旦那様にもお聞きしたく、ご自身の息子さんの活躍についていかがでしょうか。
そうですね。(息子は)ほとんど部屋に籠っているのですが、ある日突然「大会があるから外に出る」と言って、東京に出てきました。そんなレベルの高いことをやってたんやなって初めて知りました。結構、ビックリしました。
──『リーグ・オブ・レジェンド』は、ボイスチャットで仲間と頻繁にコミュニケーションをとるゲームなのですが、こうやってコミュニケーションをする息子さんの姿も意外だったりされますか。
そうですね。家でも「ゲーム中にどんな会話してるの?」って聞くんですけど、あまり教えてくれないんですよね。今日、試合を見ていて驚きました。めっちゃ喋るやん!って(笑)。
──ありがとうございました!
家族全員がゲーム好きでルネサンス高校を応援しにきた

──どちらのチームの応援に来られましたか。
ルネサンス高校のチームです。
──先ほど(準決勝第1試合)優勝候補のチームを倒して決勝進出を決めましたね!
はい!本当に嬉しいです!
──かなり難しいゲームだと思うのですが、ご覧になっていていかがでしょうか。普段から息子さんがプレイするところは見たりされていますか。
うちは私も含めて家族全員がゲーム好きなんです。息子がプレイしているときに画面を見に行くのですが、恥ずかしがって見せてくれないんですよね。
──ゲーム好きのご家族とのことで、比較的ゲームに対する理解があるのかとお見受けしますが、息子さんの普段の練習についてどのような感想を抱いていますか。
ます。(部屋から)たくさん笑い声が聞こえてくるので。
──ゲームといっても1人で遊ぶゲームでなく、対人戦のゲームというのがポイントなのでしょうか。
そうですね。あとこうやってチームを組んでやるゲームはすごく良いなと思いますね。
──もし息子さんが「プロゲーマーやeスポーツ関係の仕事を目指したい」と言ったとき、サポートをしてあげられそうでしょうか。
そうですね。改めて「こういう道もあるな」と感じさせられました。
──ありがとうございました!
強豪校としての重圧

N校は高校生eスポーツにおける『リーグ・オブ・レジェンド』の強豪校であり、毎年優勝候補の高校だといわれています。しかし3年で卒業するという高校生としての制限もあり、メンバーは頻繁に入れ替わります。
そんなメンバーチェンジがある中でも周囲の期待に応え、優勝することが求められているのです。その重圧は、我々の想像以上にN校の在校生たちに重くのしかかっているのかもしれません。
優勝チームのキャプテンrre選手が流した涙の半分は優勝した嬉しさですが、もう半分は昨年の悔しさであるように思えました。
また、今回はパブリックビューイング会場で応援する方々の声も聞くことができました。周囲の応援を受けて戦う選手の姿と、応援する方々の両方の声を直接聞くことができるオフライン大会が徐々に増えていけば、選手のモチベーションも上がっていきそうです。
■関連記事
■外部リンク
全国高校eスポーツ選手権
https://www.ajhs-esports.jp/

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