大会レポート
2023.02.20
ゲームを通して茨城を知る! マインクラフトとフォートナイト活用したコンテスト開催
- 大会/イベント
茨城県の産業戦略部産業政策課が2月19日、イオンモール水戸内原店2階のイオンホールで、「NASEF FARMCRAFT いばらき コンテスト」と「FORTNITE いばらき名所 コンテスト」の表彰式を開催しました。
今回の取り組みは、県内高校生を対象としたデジタル人材育成の一環。高校生がゲームを通じて独創性や創造力、プレゼンスキルなどを学ぶ二つのコンテストとして初めての実施となりました。開催にあたっては、北米教育eスポーツ連盟 日本支部(NASEF JAPAN)やサードウェーブと連携しています。
開会のあいさつで、NASEF JAPAN 事務局長の末廣誠氏は、「今回のコンテストは、全国に先駆けてゲームを教育につなげるために開催されました。初めての開催で苦労も多いなか、素晴らしい作品がたくさんありました。こうした機会を通じて、ゲームをしながらでも教育につながることを実感していただきたいです」と述べました。
いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト推進協議会の会長 幡谷俊一郎氏は、「今の社会課題に対して、高校生が調査・分析し、いろいろなことを考えて、解決まで持ってくのは面白い取り組みです。民間企業がいつもやっていること、もしくはそれ以上の創造でした。社会課題は解決しなければならないものですが、大人だけではできないこともあります。若い人の発想が明るい未来につながるはずです」とコメントしています。
いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト推進協議会の会長 幡谷俊一郎氏
「NASEF FARMCRAFT いばらき コンテスト」は、農業に特化した「Minecraft(マインクラフト)」のMOD、「FARMCRAFT」を使ったコンテストです。同じ高校に通う2?4人のチームがゲーム内で農業を経営し、商品の品質向上や生産拡大など、茨城県が抱える農業課題の「儲かる農業」をテーマに取り組み、その過程や工夫した点なども含めた結果を動画を使いプレゼンしました。
審査員長は、いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト推進協議会の会長を務める茨城トヨペット代表取締役の幡谷俊一郎氏。審査委員は、NASEF JAPAN理事長の松原昭博氏、茨城県農業協同組合中央会 常務理事の寺山正史氏、茨城大学 農学部 教授の小松崎将一氏が務めました。
最優秀賞に輝いたのは、水戸啓明高等学校「TEAM KEIMEI」でした。国や県が発表しているデータから、農業の少子高齢化という課題を発見。環境への負荷を少なくしながら“儲かる農業”を実現することで雇用を創出するなど、課題を見つける力と分析する力、そして解決する力が評価されました。同チームはこのほか、NASEF JAPAN賞も受賞しています。
チームメンバーの松本龍亮さんらは、「学校の情報の授業でプレゼンをする機会があり、それが面白かったので興味がありました。そうしたら先生からこのコンテストに出てみないかと誘われたので参加。発表にあたって調査していると、茨城県の農業はレベルが高いということが分かり、同時に課題も見つかりました。今回のようなコンテストがあればまた参加してみたいです」と話しています。
また、JAグループ茨城賞は、茨城県立土浦工業高等学校「土浦工業eスポーツチーム」が受賞。品種改良をテーマにした発表で、実際のお米を買って食べ比べるなど、実地調査が評価されました。続いて、茨城大学農学部賞は、茨城県立太田第一高等学校「ボンバーズ」。ブランド力の向上に注力した内容でした。
審査を担当した末廣氏は、「データを用いた現状の分析、商品ブランドの強みを確認、ブランド拡大の方法を模索など、チームごとに自然と役割が分かれていたのが驚きました。将来、高校から進んでいくと課題解決は日常的なことになっていきます。そういったときに今回のような取り組みが活きてきます。NASEF主催の世界規模のコンテストもあるので、今回受賞した3校にはぜひそちらにも参加していただきたいです」と総評しています。
FORTNITE いばらき名所 コンテスト
「FORTNITE いばらき名所 コンテスト」は、シューティングゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」のクリエイティブモードで、茨城県の観光地や茨城の未来の姿など、県にまつわる名所などを制作するコンテストです。
審査委員長は同じく幡谷氏。審査委員は、茨城県観光物産協会 DMO推進監の鈴木友子氏、筑波大学 産業連携部産業連携企画課 技術補佐員の川元彩人氏、ゲムトレの東佑丞氏が務めました。
最優秀賞に輝いたのは、水戸啓明高等学校の「CREATE Lab.」で、作品は水戸芸術館の再現でした。さらに、シンボルとして建っている塔を5本に増やし5角形になるよう配置し、中心に湖を作成。その中心に「聖剣エクスカリバー」を設置することで、ファンタジー感のあるアレンジを加えています。美術館以外の残ったスペースでは水戸の街を再現。県庁舎もそびえたっています。
水戸美術館を再現したいきさつについて、制作した藤枝碧海さんは「ファンタジー感のある建築をしたいと思ったときに、水戸美術館の前に立っている塔を使えばピッタリだと考えて題材にしました。今回のコンテストに向けて初めて行ってみると、茨城県には素晴らしいところがあると感じました。今後はマインクラフトなどで再現するのも面白そうです」とコメント。一緒に建築したパートナーにお礼を述べました。
いばらき観光マイスター賞は、茨城県立日立第一高等学校「日立市をプロデュースする会」が受賞。日立シビックセンターを再現した作品でした。
審査委員長を務めた、幡谷氏は、「教室の勉強だけでは、自分で課題を見つけて解決法を考えることはなかなかありません。そういった意味では貴重な体験です。コンテストなので審査員も悩んで順番を付けましたが、それよりもまず参加することが重要です。eスポーツを通じて体験したことは社会に出ても大切にしてほしいです」と総評しました。
閉会にあたって、登壇した茨城県産業戦略部長の榊原利至氏は、「茨城県はeスポーツが国体の文化プログラムに採用された第1回 全国都道府県対抗eスポーツ選手権の舞台になった場所。現在はeスポーツの拠点を目指し、さまざまな取り組みを展開しています。eスポーツをきっかけに興味関心の輪が広がっていくので、eスポーツをさらに盛り上げ、そして茨城県を盛り上げていきたいです。そのなかで茨城の課題が見つかったら県庁にぶつけてほしいです」と、eスポーツの可能性に期待を寄せました。
今回の「FORTNITE いばらき名所 コンテスト」で最優秀賞に輝いた水戸啓明高等学校の「CREATE Lab.」の作品は、2月26日に開催される「NASEF JAPAN チャレンジカップ in いばらき FORTNITE部門」のエキシビジョンマッチのステージになります。こちらも要チェックです。
■関連記事
■外部リンク
いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト(Twitter)
https://twitter.com/ibarakiesports
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